仕事関係で春先に知り合った、まだ20代前半くらいの女性。
たまたま私の iPod のリストを見て、「あ、スピッツ・・・。昔、親友が好きだったんですよ~」って。
それじゃ、ってことで、「さざなみCD」とさいたまアリーナの音源CDを貸してあげたのが初夏のころ。
「昔はちゃんと聴かないで、親友の『いいよ、いいよ』っていう言葉を聞き流してたんですよね。それに私、クラシックばっかで、あんまりそういう音楽って聴かなかったし」
「いいですよね~、スピッツ。この2枚しか知らないけど、あの頃聴いておけばよかったな」
「親友とはちょっとトラブッて、今は交流ないんですよ。つまんないことで、なんとなく連絡とらなくなって、もう3年くらいたつかなあ」
お酒を飲みながらそんな話を聴いて、「じゃ、あの頃のCDも貸してあげるよ」なんて話になって・・・。
ライトながらもすでに数枚のアルバムを私から借りて、「次のツアーがあったら、ライブ行ってみたいな。ニューアルバム出たら、また貸してください」なんて、ファンになりつつあったのです。
だけど、「アルバム、買う!!」とは言ってなかったんですよね。ま、私としても、貸すのは全然イヤじゃないし。いいんだけど。
そうしたら、昨日電話がかかって。
夢を見たそうです。スピッツのボーカルが現れる夢。彼女はCDを聴いているだけだから、4人の顔もそんなに鮮明じゃないはずなんだけど。
田舎の大きな家の部屋の前を通ったら、何人かの子どもの「ねえ、歌って!」「歌ってよ」という声が聞こえてきて、そのあとにスピッツの曲が流れてきたそうな。
ギターの弾き語りで聞こえてきたのは、たしかにスピッツの曲で(曲名は忘れたらしいけど)、歌声は「草野くんだったのよ~」。
夢だから急に場面が変わって、田舎の家の広い庭に大勢の人が集まって酒盛りをしている。どうも祭りらしい。それで、そのはじっこあたりに、その「草野くん」がいて、彼女を目が合うと、急に立ち上がって近づいてきて、すっごく不愉快そうは表情で、
「なんで、こんなところまで追いかけてくるんだよ!」
彼女は心の中で、「いえいえ、ワタシはアナタなんかを追いかけてませんし。私が追いかけたいのは、どっちかっていうと小栗旬ですし・・・」と言ったんだけど、一応ちゃんと説明しなくちゃ、と思って、「あなたを追いかけてはいないこと」「部屋から歌声が聞こえてきたこと」「CDは借りて何枚か聴いていること」を話したそうなのです。
すると、彼は機嫌をなおし、「友達の甥っ子なんだよ」と言うので、ああ、友たちの実家に遊びに来ているんだ、と判明。
それで着ていたよれよれのチェックのシャツが彼女の兄貴のものと同じで、兄貴もすごく気に入ってずっと着ているので、
「ああ、この人は有名人なのにこんなよれよれのをずっと気に入って着てるんだ~」
と、勝手に解釈して、好感をもったそうなんです。
それで急に電車の場面で、「じゃ!」と彼はホームで見送ってくれたらしいんだけど、
「そのとき思ったんです。友達になったんだから(そう決めつけていました)、メルアドくらい聞いておけばよかった、って」
夢って不思議ですよね。今までなんともなかった人なのに、なぜか夢に現れたり。で、現れちゃうと、なんだか気になってしまったり。
その彼女は最後に言っていました。
「今度のアルバムは貸してくれなくていいです。私、買うつもり」って。
スピッツの「草野くん」、夢の中までプロモーションしちゃったみたいです。