2019.08.25 21:00~
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
at TOKYO FM
夏も終わりの今日この頃?
草野くんがバンドマンとして今より忙しかった30代後半のことのお話。
夏もそろそろ終わり! だけどもう一度だけ海水浴に行きたい!と思ったけれど、付き合ってくれそうな暇な人もいない。
で、ひとりで車で南房総へ。
その頃、スキューバダイビングやシュノーケリングにすごくはまっていた彼は、車のキーを防水袋に入れて海パンのポケットにしまい、一日シュノーケリングを楽しんで、いざ帰ろうとしたら、海水が浸水してキーがきかなくなってしまった・・・。
差し込むことはできるけど遠隔操作が不能になって、結構な出費になってしまったとのこと。あらら・・・。
そこで、「ひとりで海水浴とかに行くとき、みなさん、どうしてるんでしょうかね。そもそもひとりで行く人はあまりいないのかもしれないけど。もっとすぐれた防水の袋とかできてるのかな」
そして、「あのときひとりでシュノーケリングしていたおじさん、密猟者に見えていたかもしれない」。
なんか想像して、ちょっと笑ってしまう・・・。
そして、今夜のテーマは、「一本調子なのになぜかメロディアスな曲で漫遊記」。
メロディー自体は単調なのに、リズムや歌い方、コードの展開などで、盛り上がってしまう曲。
草野「とくにロックには、そのあたりを逆手にとった名曲があります」
オンエア曲
01 リコリス(スピッツ)
02 Witchi Tai To(John Schroeder)
03 A Horse With No Name(America)
04 マシマロ(奥田民生)
05 Half A Person(The Smiths)
06 二人だけの国(あいみょん)
07 Blogging(Wire)
08 いきるもの(100s)
09 醒めない(スピッツ
漫遊前の一曲は、スピッツの「リコリス」(2004年、29thシングル「正夢」のカップリング/2012年、『おるたな』に収録)。
サビの部分を歌ってくれましたね。
「正夢」がもう15年前だなんて・・・。埼玉の県立博物館で撮影されたMVも印象的。草野くん、短髪でしたっけ?
惑星スピッツさんが訪ねたときのようすをアップしてくれています(ココ)。
今は、「埼玉県立歴史と民族の博物館」というそうです。
スピッツ / 正夢
やっぱり短髪マサムネ。「スターゲイザー」と同じころなんだな。
みんな、若くて精悍な感じ?
当時はそれほど思わなかったが、年齢を重ねるにつれて、「正夢」の歌詞や曲が胸に迫るようになった。こういう若い時を経て、今の自分がいるんだ、と素直に思えるくらいの大人にはなれたかな。
いい曲だ・・・。
最初の曲は、John Schroederの「Witchi Tai To」(1971年、アルバム『Witchi Tai To』)。
「草野的には、一本調子の曲の第1位!」だそうです。
もともとは、ジャズサックス奏者のジム・ペッパーの作品で、多くのミュージシャンがカバーしているとか。
John Schroederのバージョンは、ユーライヤ・ヒープのボーカル、デヴィッド・バイロンが下積み時代に歌っていたそうで、「ユーライヤファンとしては、いつかかけたかった曲」だそうだ。
草野「この曲、メロディーの抑揚がないことで、かえって心が安定してくる。不思議な曲だなと思って、よく聴くんですけどね」
こちら、ジム・ペッパーのアルバム『PEPPER'S POW WOW』から、「Squaw Song」。
Jim Pepper -Squaw Song
(彼に詳しいわけでもなく、知識があるわけでもないんだけど、このアルバムは誰かに薦められて、ときどき聴いて心地よさを味わっている。)
ちなみに、「一本調子」というのは、「朗読風とかラップ風ではなく、ちゃんと音程がある曲」を選んだそうです。
次は、Americaで、「A Horse With No Name」(1972年、1stシングル)。
Americaは70年にロンドンで結成されたバンド。メンバー全員がアメリカンスクールの出身で、父親が在英米軍軍人、ということだそうだ。(へ~、知らなかった)。
草野「メロディーに抑揚がないけれど、それがかえって切ない気持ちにさせる不思議な曲」
リアルタイムでは知らなかったという草野くん、知っていたワタシです(笑)。
(クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングとどっちが好き?とあんまり好きじゃなかった先輩の女性に聴かれた思い出がある。)
コーラスが美しい。タイトルがすでに何かを感じさせて、切ない・・・。「名前のない馬」
そして邦楽からは、奥田民生の「マシマロ」(2000年、10thシングル)。
以前に民生氏と話したこと。
ネットなんかの「これはあの曲のパクリ?」的な発言を恐れて曲作りをしていたら、「メロディーはどんどん直線的になってしまうのでは?」と。
草野「そういう流れで作ったわけではないでしょうけど(笑)、この曲は、一本調子だからこそ、軽快だけど気だるい独特な世界が確立していて、非常にかっこいい曲だと思います」
私も大好き。ライブで聴くと、曲のおもしろさ、言葉遊びの妙味、彼のパフォーマーとしての魅力が伝わって、結構盛り上がる。
そして、MVの民生さん、かわいくて、かっこよくないですか? これ、好きで、当時よく見ていたなあ。
奥田民生 『マシマロ』
そして、The Smithsの「Half A Person」(1987年、シングル「Shoplifters of the World Unite」のカップリング)。
中学のときのロック好きの仲良しだったヨシダくん。
別々の高校に進学して久々に会ったとき、彼が「最近、スミスがいいんだよ」と言っていて、アルバムを購入してみた・・・と。
ジャケットも「映画のスチール写真みたいで、どんな人が演奏しているかもわかんないし、曲もお経みたいで、メタルやパンクを聴いていた耳には、最初は良さがわからなかった」と。
たしかに不思議なジャケット。プレスリーにも見える。
18歳くらいになったとき、「かっこいいかも」とわかってきたのは、歌詞の意味を知ったことと、ジョニー・マーのアルペジオに聴き入ったこと。
この曲は、最初に聴いて、「なんじゃ、こりゃ?」と思った曲だそうだ。
お経か・・・。でも心地よい。
ここでメッセージコーナー。
フラカンの鈴木圭介さんゲストのときの感想メッセージ。
得体のしれないバンド名の楽曲や楽しそうに語り合う二人のようすから、当時のロックシーンがよりリアリティーをもって感じられた、と。
本当に楽しそうでしたよね~。
草野「人のプレイリストを見せてもらう楽しさってありますよね」
マサムネくんは、人がゲームしているところを見るのも嫌いじゃないらしい。
圭介くんとは、ボーカルだからこその話もたくさんあるなと感じたそうです。
「カタカナを覚えるのが苦手」な方からのメッセージ。
俳優やミュージシャンでいいなと思っても名前が覚えられなくて不便・・・と。
草野くんもそういうところあるらしく、若手心身のお笑いのコンビ名、「済美高校 野球 お笑い」でグーグルで調べて、「ああ、ティモンディだった~」ということもあったとか。
(ティモンディ、知らないし・・・。キモンディーで検索しちゃったじゃないか。)
「そのくせ、スリランカの首都のスリ・ジャヤワルダナプラ・コッテはちゃんと覚えてるんですけど」と。
草野「(カタカナ名を覚えるより)Google検索できるテクニックを覚えたほうがいいかもしれないですね」
TOSHI-LOWさんの著書『鬼弁』(ココ)を読んだリスナーから。
草野「オレ、すっごい気になってるんだけど、まだ読んでないんだよね。買って読んでみよう!」
で、「もし何のしがらみもなく本を出すとしたら、どんな本がいいですか? 私は草野さんの国内旅行記や料理本が読みたい」というメッセージ。
ご本人は、ファンクラブのブログやあちこちに「書き散らかした駄文」をまとめて、後日談なども交えて、「緩いエッセイ集みたいなの、出したい」そうだ。
紙の本を買ってしまう人間なんで、「いつか出せたらいいですね」。
・・・と、なんざらでもないご回答。
私は彼の文章がとても好きなので、ちょっと期待しちゃうなあ。
次は、あいみょんで「二人だけの国」(2019年、2ndフルアルバム『瞬間的シックスセンス』)。
草野「スミスのときに、お経みたいと言ったけど、これは、まんまお経ですね」
最近ではポップな部分があいみょんの公のイメージになっているけれど、「こういうヘンな不思議な尖ったところも彼女の魅力だと思います」と。
「お経」のあとのサビが解き放たれたように軽やかで、そのギャップと、歌詞のストレートな危うさが、私はとっても好きです。
草野氏も、「サビはエモいメロディーでしたね」と言っていましたね。
最後は、「ちょっとマニアックに」、Wireで「Blogging」(2015年、14thアルバム『Wire』)。
70年代、UKパンクシーンに登場したバンド。「パンクロックの枠に収まりきらずに常に実験精神をもって独特な音楽を鳴らし続けてきた」と。
草野「メロディーに関しては一本調子なのが多いんですけど、そこがカッコいい」
バックにずっと聞こえる単調なリフに、いつの間にか気持ちよくなったり。
調べたら、マニック・ストリート・プリーチャーズが彼らのファンだと公言しているらしい。
(マニック・ストリート・プリーチャーズは10年前アジカンのイベントで映像だけ見てちょっと感動して、アルバムとかときどき聴くようになりました。スピッツも出てます。ココ)
大ベテランのWire。今も現役で、フェスに出演しているそうだ。
そして、今夜も「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー(「たまご」の曲中?)
曲は、100sの「いきるもの」(2005年、1stアルバム『OZ』)。
リクエストがあったそうだ。
まったくぶれずに自身の道を突き進んでいる中村一義さん。今はあまりメディアに取り上げられていないかもしれないけれど、「今の若者にも聴いてほしい」と。
草野くんも強く同意。
この曲は、2011年に彼のベスト盤『最高宝』のセレクターとして、「選ばせてもらった楽曲」だそうだ(ココ)。
アゲアゲソング(ココです)のときにかけたかったけれど、今ここで流すことができてよかった、と。
「気持ちが上がる曲です」と。
そして、予告!
恒例のワンアーティスト特集は・・・、いよいよ「BUMP OF CHICKEN」です!
ラジオの前で、「キャッ!」と叫んだ人、多かったかも。
草野くん自身、オレが中学生だったら絶対にファンになってた、といつか語っていたことがありましたっけ。
草野「みんなが好きなバンプの曲じゃなくて、あくまでも草野マサムネが好きな曲をセレクトしてお送りします」(笑)
期待しちゃいますね。
「ロックロックこんにちは」の記事です。
画像もあり。
https://www.barks.jp/news/?id=1000171087