隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

自分にないものを持っている人への憧れ~ポール・ウェラーで漫遊します

2020年12月11日 00時47分38秒 | スピッツ

2020.12.06
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
  FM TOKYO


 「師走に入りましたね~。早いね~」と開口一番。(あっという間だ・・・)
 今年は忘年会とかも「どうなの?微妙な感じ?」
 ところで、「世の中には数えきれないほどの曲がありますね~」と突然話題がかわって。「人それぞれ、人生で心に強く残っている曲ってあると思うんですが・・・、いい歌が心に残るとは限らない」。ほほ~。
 20年くらい前のツアー先でカラオケに行ったとき、スタッフが歌った曲が今でもたまに脳内で再生される・・・と。
 調べたら、ソルマックのCMソングで、おやじギャルズが歌っていたこの曲。
 草野「人生最期のときにも、これが聴こえてきたらちょっと悲しいかも。ま、笑っちゃうかもしんないけど」
【CM】 ソルマック - おやじギャルズ

 うーん、人生最期のときにコレは、ちょっと悲しいかも(笑)。

 そして、今日のテーマは【ポール・ウェラーで漫遊記】。
 70年代、「パンク・ニューウェーブ・ムーブメントの中で、『怒れる十代』の代表として脚光を浴び、その後もおしゃれで尖がったロックアイコン」として活躍してきた彼の足跡を「ざっくりと」たどっていく。


 オンエア曲
 01 ありがとさん(スピッツ)
 02 In The City(The Jam)
 03 Happy Together(The Jam)
 04 Shout To The Top(The Style Council)
 05 Clues(Paul Weller)
 06 Has My Fire Really Gone Out?(Paul Weller)
 07 Village(Paul Weller)
 08 流れ星(辺見えみり)
 09 醒めない(スピッツ)


 漫遊前の一曲は、スピッツの「ありがとさん」(2019年、16thアルバム『見っけ』)。
 レコーディングのときに、「ポール・ウェラーのとある曲」を参考にした、という経緯から。
 (この曲にも好きなフレーズが多々あるんだけれど、「こんなに早く サヨナラ まだ寒いのに♪」という、ふつうのありふれた単語をつないだ短いフレーズから、悲しみが「引き締まって」伝わってきて、感服したのでした)


 最初の曲は、「18歳のポール・ウェラーが率いたバンド」、The Jamの「In The City」(1977年、デビューシングル)。
 アメリカでも人気を博し、イギリスでは「モッズブーム再燃のきっかけとなった楽曲」。
 (気持ちいい~)
 こちらは、アルバム『In The City』のジャケット。
 

 そして、さっそくポール・ウェラーのプロフィール。
 1958年、ロンドン郊外の街で、タクシー運転手の父親、家政婦の母親のものに生まれる。
 ビートルズに憧れて、11歳のときにすでに「音楽が生活の大部分を占めるようになり、ギターを手にする」。
 72年、14歳で、ステイタス・クォーのライブに感銘を受け、The Jamの原型ともいえるバンドを結成。父親の熱心なマネージメントのもと、ビートルズのカバー曲と少ないオリジナル曲で活動。
 その後、パンクムーブメントの波に乗り、ピストルズ、クラッシュ、ダムドなどとともに人気バンドに。

 去年、草野くんは、The Jamのドキュメンタリー映画をDVDで観て、「結成当時はみんなロン毛だったんだね。結構ビックリだった」。
 小日向文世さんの若いときのロン毛の写真を見たときと同じくらいの衝撃だったらしい(どこと比較してんのよ、という感じですが)

 パンクからの影響も公言しているが、もともとはザ・フー、キンクスなどのモッズのロック、スティーブ・マリオットらのR & B寄りのロック、モータウンミュージックからの影響が強かった。「そのへんがほかのパンクバンドとの大きな違いでしょうか。Jam時代は細めのスーツなんかお召しになっていましたしね」と。

 草野くん自身についていえば、パンクを知ったきっかけはピストルズ、クラッシュ、それからダムドやストラングラーズに行って、「なんかジャムっていうかっこいいバンドがあるらしい」と、「完全に後追いな感じです」。
 当時、ロンドンのモッズ族を描いた『さらば青春の光』という映画が流行って、そのファッションをまねていた友人もいたそうで、もちろんFRED PERRYのポロシャツは高くて買えないわけで、「古着屋さんで米軍払い下げのコートなんか着てたね。今ではモッズコートとか普通にファッションアイテムになっているけど、80年代は米軍払い下げでしか手に入らなかったね」

 続いてもThe Jam時代で、「U2っぽかな、とも思うけど、カッコいい曲です」と、「Happy Together」(1982年、6thアルバム『The Gift』)。
 彼自身は、The Jam時代の後半にはかなりソウルミュージックへの傾倒が顕著になり、「ロック臭さがどんどん減っていった」。
1982年、(人気絶頂の中)The Jamを解散し、ミック・タルボットとThe Style Councilを結成してからは、「かなりソウルミュージック側に。音的にはパンクとかロックとは言えないような感じだったので、オレとしてはまったく興味のない人たちになってしまった。しかもオシャレな感じがイヤだった」。
 天邪鬼(笑)。
 けれど最近、The Style Councilのライブ映像を見たら、「意外に手作り感満載で素朴な感じで、いい意味でスマートじゃなくて、すごく好感をもってしまった」。
 草野「ずっと、スタイル・カウンシル、眼中にないから、と言ってたけれど、ライブから入ってたら全然印象違ってたかも」

 そして、そのThe Style Council時代の曲「Shout To The Top」(1984年、7thシングル)
 「大半の人は聞き覚えがあるのでは?」と
 草野「オシャレな感じだけど、歌詞の内容は労働者階級の叫びだったり政治批判だったりで、姿勢はパンクだったんですね」
 こちらはライブのようす。これは本当にシンプルなステキなステージだ。
My ever changing moods - The Style Council

 80年代当時、The Style Councilには全く興味がなかった草野くん。
 90年代に入って友人の部屋で聴いたアルバムがよくて、「ねえねえ、これ、誰?」と尋ねたら、それがポール・ウェラーのソロデビューアルバムだったそうだ。
 The Style Council時代とは違って、ギターの音がしっかり聴こえるロックバンド風で、「しかもThe Jamのころより大人っぽい音で余裕を感じさせる」と。
 このアルバムはかなりはまったそうです。
 あとで聞くところによると、The Style Councilは日本では人気があったけれど地元ではあまりうまくいってなくて、後半は本人も引退を考えてしまうほど大変だった、と。
 草野「そういう紆余曲折ありつつの原点回帰的なソロアルバムだったのでしょう」
 このアルバムを引っ提げてのツアーで来日し、中野サンプラザのライブに出かけた草野くん、「シンプルで手作り感のあるライブで、とても感激したおぼえがある」。
 そのライブで、「フルートが入った曲がすごくかっこよかった。もともとフルートの入ったロックナンバーが好きっていうのもあるんだけど」。

 で、その曲、「Clues」(1992年、ソロデビューアルバム『Paul Weller』)。
 (間奏のフルートがとても響きますね。大人のロック!)
 草野「ソロになってからは、ブルージーな曲では、エリック・プラクトンか!というくらい渋い声で歌ってらっしゃいますが」 ホント・・・。

 次も90年代の曲、「Has My Fire Really Gone Out?」(1993年、2ndアルバム『Wild Wood』)。
 この曲、「後半で、Aのワンコードで8ビートをジャカジャカおしまくるところがありまして、ここがカッコいいなと常々思っていた」草野くん、今回の1曲目の「ありがとさん」のイントロは、「この曲がルーツかもしれない。意図的に影響を受けていると表しているつもりはないんだけど」。
 ワンコードで・・・というのをいつかやってみたいと思っていたんだそうです。(もう一度「ありがとさん」を聴いてみよう)
 (それにしても、いい曲ばかりだ。アルバムは『Paul Weller』しか持っていないけど、ほかも・・・。確かにクラプトンを連想させる声質と雰囲気)

 「怒れる十代」の代表だった彼も、「一昨年、還暦。でも現役で活躍されています!」。
 20年以上前、ロンドンを旅した草野くん。ちょうどそのころ、「ポール・ウェラーさん、40歳の誕生パーティーで『年取りたくない』って荒れてたらしいよ」と現地にいた友人からきいたそうだ。
 フェイクというか、ジョークというか、そういう類のニュースだったんだろうけど、「そのくらい、若い、怒れるミュージシャン、というイメージで売っていたんでしょうね。雑なたとえだけど、イギリスの若大将?」。
 今も十分かっこよくて、「偉大な先輩として参考にさせていただきたい」。

 そして最後は、夏にリリースされた最新アルバムから「Village」(2020年、15thアルバム『On Sunset』)。
 (バックに聴こえる軽やかなベースもいいし、気持ちのいい楽曲)

 そして、これはニューアルバムを語るPaul Weller氏。
Paul Weller | On Sunset (Official Trailer)

 このアルバムで全英1位を獲得! 80年代から2020年代まで、5つの年代で全英1位を獲得したことになる。「彼自身が憧れていたLennon & McCartneyを越えた、ということになるんでしょうか。すごいです」と。


 特集の最後に。
 草野「改めて思いましたけど、ポール・ウェラーさん、オシャレよね~、格好も曲も。自分にないものをもっているミュージシャンへの憧れっていうのも、オレ、あるかな。高齢のミュージシャンがおしゃれであり続けるって、例としてなかなかないから。今後の楽しみなミュージシャンだと思います」
 スピッツも、たとえオシャレではなくても、がんばれ!
 自分にはないものを持っている人や、優れた人への気持ちを「負」ではなく前向きな思いに変えて生きていけるのはステキなことだ。委縮して動けなくなるほど愚かなことはない。

 草野マサムネという人は私からすれば途方もない才能の持ち主だけれど、でもその才能の最たるものは、頑固な反面、底知れぬスポンジのような吸収力を心の中に育てているところじゃないかと、僭越ながら分析しているのです。


 そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。

 (今日は「花と虫」?)
 曲は、辺見えみりさんの「流れ星」(1996年、7thシングル)。
 草野「自分で作った曲を名曲というのもちょっと小っ恥ずかしいんですが」
 これ、「はじめて有名な方に歌ってもらった曲」と。
 アマチュア時代の曲でお蔵入りしていたのを引っ張り出してきて「歌っていただいた」。
 その後、白井良明氏のプロデュースでセルフカバーしたが、「最初にリリースされたのは、辺見えみりさんの『流れ星』」。
 当時ライブをしていた渋谷公会堂にマネジャーも伴わず一人で来て、楽屋にも訪れてくれたそうで、当時メンバーもスタッフも有名人に慣れていなかったから、「辺見えみりさんを遠巻きに見ている、という異様な雰囲気だったのを覚えています。頑張って話したけれど、(緊張して)何を話したのか全く覚えていない。あのときは失礼しました」(-_-;)
 草野「でも、オレもメンバーも、辺見えみりさんに歌っていただいて、とてもうれしかったんです、と今さらですがラジオ越しに申し上げます」(笑)。
 (久しぶりに彼女のチャーミングな歌声を聴きました。『流れ星』は名曲です。「君の心の中に棲む ムカデにかみつかれて♪」、明日が見えた気がする・・・というところで、柔らかくも鋭く、少年(か少女)の心境を的確に表現して、すごいなあ、と思った記憶が蘇る)


 さてさて、来週は、「2020年、漫遊からもれた曲で漫遊記」。
 毎回6~7曲のセットリストを用意しているけれど、時間の関係でもれてしまった曲もあるそうだ。「やっぱり聴いてほしいな、という思いから、師走なんで振り返りモードで」と。
 そういえば、2019年の暮れにも、「もれた曲で漫遊」をやってくれましたね。コチラで・・・。
 そして、近々、メンバーをゲストに迎える企画もあるそうで、「メンバーへの質問なども」と。

 

                              


▼メガネ・・・
 夜のウォーキングでも、一応マスクはつけて、誰もいないところでは外して・・・と臨機応変な対応をしているつもりな私たち。
 二人ともメガネ人間なので、
 「今夜はちょっとメガネが曇るね」
 「あれ、今夜はそうでもない。気温のせい? 湿度?」
 「マスクにもよる?」
 そういう会話がときどき交わされる。

 今夜の会話。
 ワタシ「あれ~、今日はメガネがまったく曇らない。すっきりしてる。なんでだろう。寒いのに」
 相方「そう? オレはちょっと曇ってるよ」
 5分後・・・。
 ワタシ「あー、メガネ忘れた~。・・・え? ってことは・・・、やだ、メガネかけてなかったんだ」
 二人で大笑い。
 ヤバいなあ。大丈夫か、ワタシ。疲れてる??

 

 五つの小」とか、今夜の「ひきしめよう」とか、標語みたいなのを発信して、かえって深刻さが伝わらないのでは?
 今のような状況下で、そんな標語が人の心に届くか? 揶揄されるだけでは?と感じるのは、私がひねくれているからか。
 何を信じていいのかわからないけれど、少なくとも医療の現場にいる人の言葉は胸に響く。そこから発せられる危機感には真面目に反応しなければ、と思う。
 政治家にも、しっかりこちらの心に届く言葉を発信してほしい。標語ではなく・・・。
  


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2 コメント

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うれしいです。 (かけら)
2023-11-17 12:42:37
篠原美代子さま

初めまして。メッセージありがとうございます。
こんな「昔」の記事に反応してくださって、すごくうれしい。
稚拙だらけの場所ですが、続けていてよかった?と思えました。

ポール・ウェラー、どの時代も、私にはとてもカッコよく見えて、そのままおじさまになったという印象です。
アルバムは1枚しかもっていないけれど、今日はまた聴いてみたくなりました。
きっかけをありがとうございます。

ぜひぜひ来日ライブを堪能できるといいですね!
ありがとうございました。

(メガネの失敗は、これをひさびさに読んで思い出しました。似たようなことは今もたびたびやってますけど・・・)
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Unknown (篠原美代子)
2023-11-16 20:10:28
あ〜すみません、現在は2023/11/7これ、3年前の師走記事で見かけたもので。ポール・ウェラーの事書いてあったもので読ませていただき終わりの辺りの眼鏡の話で笑かせていただきました。はっは。来年のジャパン・ツアー、6年ぶりということですが私行ってなく来年初参戦!(予定です、チケット取れるかわからないので)楽しみなんですけどね。全曲知ってるわけではないし、Style Councilの曲が好きでして(これも半端で知ってる曲も少ないですが)。アップされてるのは見ています。ダラダラと申し訳ありません。とにかく今はポール・ウェラーに関して書かれてるのに感動してコメント入れてしまいました!遅いけど(笑)
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