2022.08.14
「ロック大陸漫遊記」
FM TOKYO
8月!
ラジオからは、グレープの「精霊流し」が流れてきたとか。
言わずと知れた、グレープはさだまさしさんのデビュー当時のフォークデュオ。
「去年のあなたの思い出が・・・ラ ラララ ラ ラララ♪」と歌う草野くん。
さだまさし’80(5) 精霊流し
(これは、さだまさしさんがソロになってからのライブ映像みたいです。ファンではないけれど、ふいに胸を突かれて、私が経験したことのないはずの光景が浮かんできたり。それにしても・・・、え、さださん?と思ってしまうのは私だけではない??)
この悲しげな曲調からは想像できないくらい、「賑やかな行事。爆竹や花火が夜じゅう鳴り響くカオスな行事だった」と。
中学のときに長崎まで見に行った草野少年は、グレープの曲の印象から、しめやかに川べりで繰り広げられる印象を持っていたから、「マジでビビった」と。それは、全国各地で行われていた「灯篭流し」で、また別の行事だそうです。
(すみません。そのあたり、ちょっとよくわからない・・・)
でもお盆に故人をしのんで賑やかに送るというのは、アメリカの黒人霊歌にも通じるものがあるのかな?と。
今回のテーマは、【ムーディー・ブルースで漫遊記】。
ムーディー・ブルースは60年代から活躍するイギリスのバンド。ヒット曲も多く、「欧米では人気バンドだけど、日本ではやや知名度が低いかな」と。
今日はそんな彼らの「取っ掛かりの曲」を紹介してくれるそうです。
オンエア曲
01 水色の街(スピッツ)
02 Go Now(The Moody Blues)
03 Nights In White Satin(The Moody Blues)
04 Ride My See-Saw(The Moody Blues)
05 The Story In Your Eyes(The Moody Blues)
06 Country Girl(Justin Hayward)
07 Gemini Dream(The Moody Blues)
08 悩み多き者よ(斉藤哲夫)
漫遊前の一曲は、スピッツで、「水色の街」(2002年、27thシングル/2002年、10thアルバム『三日月ロック』)。
「暑い日が続いているだろいうということで、「ヒンヤリした質感の曲を」。
スピッツ / 水色の街
(「あの川」を越えて向こう側の世界へ・・・というイメージの曲だしなあ。思いのほか、聴き入ってしまう楽曲だ。MVも幻想的。当時同時リリースされたのが「ハネモノ」。それぞれのカップリング曲「SUGINAMI MELODY」「孫悟空」がどちらも好きすぎて、困ってしまう)
最初の曲は、「The Moody Bluesの初期のヒットナンバー」、「Go Now」(1965年、デビューアルバム『The Magnificent Moodies デビュー!』/1965年、2ndシングル)。
The Moody Bluesは初期はリズム&ブルースを主に演奏していて、それは「60年代のイギリスのバンドに共通していた」。ビートルズもストーンズもキンクスも「もともとはそうだった」。
この曲も、ラリー・バンクスのカバー曲。
バンドののちの売りとなるコーラスの美しさや幻想的な感じがうかがわれる。
(ポール・マッカートニーのWingsの1976年のライブ・アルバム『Wings Over America』に収録されているが、The Moody Bluesを脱退後Wingの結成に加わったデニー・レインがリード・ボーカルをとっている。映画『Rockshow』(1980年)にも収録されていて、当時すごく感動した私です。懐かしい)
バンド、The Moody Bluesのプロフィールを。
1964年、バーミンガムで結成。
この番組での「バーミンガムのバンド」を特集したときにも取り上げられた(ココ)。
自分たちの音楽性を考慮の上、デューク・エリントンの有名な曲「Mood Indigo」にインスパイアされて、バンド名を決める。
(以下は、デューク・エリントン)
Duke Ellington - Mood Indigo
そして、バーミンガムのクラブでのライブを重ねて人気を高める。
そしてロンドンのデッカレコードの傘下のマネジメントの目に留まりデビュー。1stシングルはあまり注目されなかったが、2ndシングル「Go Now」が大ヒット。60年代のバーミンガムを代表するバンドとなる。
次は、「The Moody Bluesと言えば、この曲」、The Moody Bluesの「Nights In White Satin サテンの夜」(1967年、2ndアルバム『Days Of Future Passed』)。
(バーミンガム特集のときも、草野くんはこの曲を選んでいましたね。)
草野「この曲からThe Moody Bluesを知った、という人、多いんじゃないかな」
メロトロンのヴァイオリン系の音を効果的に使っている。「The Moody Blues = メロトロン」というイメージもある。
(メロトロン(Mellotron)は、「1960年代に開発された、アナログ再生式(磁気テープを媒体とする)のサンプル音声再生楽器」(『ウィキペディア』より)。
クラシカルな要素を取り入れた元祖なのかな、と。
草野「さむ~い感じの、オーロラを見ながら聴いたらステキだろうな」
曲タイトルは、ギターのジャスティン・ヘイワードさんが恋人からもらったサテンのシーツからインスパイアされて作った曲だそうだ。
次の曲は、The Moody Bluesの「Ride My See-Saw」(1968年、3rdアルバム『In Search of The Lost Chord 失われたコードを求めて』)。
The Moody Bluesは60年代後半には、ピンク・フロイドなどと並んで「プログレの元祖」などと言われていた。3rdアルバムも非常にコンセプチュアルな作品で、「1つのストーリーのような。オレもいつかそういう作品を作ってみたいと思いますが」。
The Moody Bluesは基本的には、「やさしいメロディー、美しいハーモニー、哀愁を帯びたメロトロンの響き」が特徴。
この曲も、これだけ聴けば、「普通のポップなシンプルな曲」だが、アルバムを通して聴くと、その中の1つのピースとしての作品なので、「興味を持った方はぜひアルバムを通して聴いてみてください」。
(シンプルだけど、広がるサウンドのイメージがなんて心地よいのか、といつも思う)
次は、The Moody Bluesの「The Story In Your Eyes」(1971年、7thアルバム『Every Good Boy Deserves Favour 童夢』)。
プログレ時代のアルバムはコンセプチュアルな作品に仕上がっていて、このアルバムも例にもれず。
そして、この楽曲はアルバムのオープニング曲。
草野くんは高校生のころに、ジャケ買いでこのアルバムを手に入れたそうだ。「スピッツのアルバム『とげまる』では、色味や光の感じを参考にした」と。
The Moody BluesはR&B寄りの曲調からシンフォニックなプログレに移り変わっていったが、「そうなっても基本的にはメロディーがキャッチーで優しい感じなので、当時のそういう需要に応えたバンドだったのかな」と。「ロックは聴きたいんだけど、小難しいのはちょっとね~」という層?
「曲自体のクォりティーが高いのは大前提」だが、この曲も「アップテンポでキャッチーだけどメロディーは優しい」。
ここで、以前に告知された番組グッズについてのお知らせ。
もう最終段階まできていて、ここでちょっと時間がかかっているようだけど、「今スタッフが夜なべしてせっせとこしらえているところ」ということで、「気長にお待ちください。番組は続くので楽しみにしていてください」。
そして、先日の回の番組導入で草野くんが話していた「箸袋 趣味の会」(ココ)の会員の方から連絡があり、「箸袋用のコレクションファイル」を送ってくれたとか。
会員さんの所属する会社の社長さんも箸袋集めを趣味にしていて、このファイル製作に踏み切った、と。ちなみにこの社長さん、「大のロック好きで、『ロック大陸漫遊記』を拝聴している」とか。
すごく丁寧な文面で、「もし草野さまが箸袋集めを再開された折には、ぜひ弊社の『箸袋用のコレクションファイル』を使っていただけましたら幸いです」と。
草野くん、実は再開し始めていて、「すでに6枚ほどたまっている」ということなので、これはGood timing?
3~4年分くらいコレクションできそうなファイルだそうで、「最近はコロナで、居酒屋さんや差職のお店に行く機会も少なくなったけれど・・・、コレクション魂に火がつきました」と。
(番組を通した、こういう思いがけない交流、ほっこりしますね。昔、むか~し、集めた箸袋を大学ノートに貼っていたことあったなあ・・・。結構いろんなデザインがあって、おもしろかったけど)
次は、Justin Haywardの「Country Girl」(1977年、ソロデビューアルバム『Songwriter』)。
The Moody Bluesは、イギリスだけではなくアメリカでも人気バンドになる。
当時の人気バンドにありがちな、ツアーとレコーディングでツメツメのスケジュールに疲れたのか、その反動でか、70年代に入ると活動休止状態に。
そんな中で、バンドの中心メンバーである、ギター・ボーカルのジャスティン・ヘイワードさんがリリースしたソロアルバム、「どの作品もいいんですよ」。「これも優しい感じの曲です」
(気持ちいい~。押しつけがましさが皆無の心地よさか)
最後は、The Moody Bluesの「Gemini Dream ジェミニ・ワールド」(1981年、10thアルバム『Long Distance Voyager ボイジャー 天海冥』)。
草野くん自身は、The Moody Bluesについては、60~70年代初めの音源しか聴いていなかった。
サブスクで聴けるようになって、その後も聴いてみたら・・・。
活動休止後、1978年に復活、「サウンドもすっかりモダンになっていた」。
この曲は、「なんとディスコ調!」。ELOやロキシーミュージックにも通じる曲調かな、と。
草野「だから、『サテンの夜』のようなヒンヤリした世界を期待すると、えーっ!って感じだけど、でもThe Moody Bluesは基本的に優しい。The Moody Bluesのキーワードは『優しさ』かな」
その後、よりポップになり、マイペースで活動していたThe Moody Bluesだが、その後引退するメンバーもいて、現在は活動休止状態。
草野くんのMCのバックに流れている(美しい)曲は、実質ラストアルバム『December』(2003年)からの「A Winter’s Tale」。
草野「クリスマステーマのこのアルバムが、究極に優しいです。やっぱりキーワードは『優しさ』だと思います。オレも優しさに飢えているときは、The Moody Blues、聴き続けたいなと思います」
(さっそく検索してきました。聴こう!)
(ステキなライブ風景です)
THE MOODY BLUES-PEAK HOUR+2-GALA DU MIDEM-1968 FULL VIDEO CLIP.
特集の最後に。
今回改めてThe Moody Bluesを聴いて、「おこがましいけれど、ちょっとスピッツに近いかも、と思っちゃいました」。
草野「基本、優しめな曲が多いけど、そこかしこに激しいロック心がちりばめられている。でも自分で自分のことを優しいなんて言う奴にロクなのはいないけど」
(「そこかしこ」って言うところが奥ゆかしい? ファンは結構「あちこち」に感じているけど、ロック心・・・)
今回の「ちょっぴりタイムマシン」は、斉藤哲夫さんの「悩み多き者よ」(1970年、デビューシングル)。
(イントロは、「白い炎」だ。これもわかりやすいかも)
斉藤さんは下のCMの「今のキミはピカピカに光って」で知られている。(懐かしい)
1980年 ミノルタX7 CM 宮崎美子
斉藤さんは、「70年代前半にはシリアスなフォークシンガー」として活動。
草野くん自身は、新宿LOFTに出ていたころ、店長さんに勧められて、斉藤さんの初期のころの音源を聴いていたそうだ。
「どんな場面でもこの曲をバックに流すと、泣ける映像になる。『カノン進行で泣ける曲』というカテゴリーがあったら、その代表曲」と。
車で聴いていると、フロントガラス越しに見える歩行者がみんな、いい人に見えてくる・・・らしい。
(「されど私の人生」とともに懐かしい。さて、LOFTの店長はなぜ、彼の音源を草野くんに聴かせたのでしょうね。)
そして、来週は、【レゲエ風味のロックナンバーで漫遊記】。
まだまだ続く夏! 夏といえば「レゲエ」。
特集するのは「レゲエ」ではなく、「ロックミュージシャンが奏でるレゲエ風味のナンバー」です。
「草野さん、町中華にいい店があるんすよ」
(知りたい・・・)