2022.01.30
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
FM TOKYO
1月の最終週、そして2月へ。
寒さもいよいよ本格的?
東京の冬は晴れている日が多い!
ということで、東京から近い山にでも・・・と思い立った草野くん。
その日から最初のオフの日(10日後)の天気を見たら、あれれ、その日だけ雨の予報。
だけど、10日後だし、あてになんないよな、晴れたりするんじゃないの、とあまく考えていたら・・・。なんと、予報どおり雨!
「すごいよね、昨今の天気予報!」
(そうか~?? 私の場合はことごとく外れてるけど)
草野「山間部や離島の天気は外れることも多いらしいけど・・・。それでもすごいよね」
で、結局雨だったので、「家でだらだらしていました」とさ。
そして、今日の特集は、【ポール・ディアノで漫遊記】 。
ポール・ディアノは、イギリスを代表するメタルバンド、Iron Maidenの1stと2ndアルバムでボーカルをつとめていた。
草野くんは個人的には、「パンクとメタルのミクスチャーに貢献したグレートなボーカリストとしてリスペクトしている」。
オンエア曲
01 トビウオ(スピッツ)
02 Iron Maiden(Iron Maiden)
03 Remember Tomorrow(Iron Maiden)
04 Purgatory(Iron Maiden)
05 Antigua(Di'Anno)
06 Torch of Hate(Paul Di'Anno’s Battlezone)
07 山田君(0930)
漫遊前の一曲は、スピッツの「トビウオ」(2007年、12thアルバム『さざなみCD』/アナログ盤『さざなみLP』)。
この曲は、「サウンドも、ポール・ディアノさんが在籍したIron Maiden並みにハードだと思うし、ギターソロがちょっとIron Maidenっぽいんですよ」。
(実はリリース当初、ライブ定番曲になるのでは?と期待したんだけど、そうはならなかったなあ・・・。すごい高揚感を味わえるギターと、「どでかく描いたれ♪」とか、歌詞も思いっきりカッコいい)
最初の曲は、「ポール・ディアノさん、二十歳のとき」、Iron Maidenの「Iron Maiden」(1980年、デビューアルバム『Iron Maiden 鋼鉄の処女』)。
草野「衝撃のデビューアルバム! 古いハードロックの様式美とパンクロックの攻撃性をうまくミックスさせた、まさにnew wave of British heavy metalの代表バンド」
パンク的な要素は、「スピーディーなビートもあるけれど、ポール・ディアノさんの吐き捨てるような投げやりなボーカルによるところが大きい」。
見た目も、「短めの髪に、素肌にライダースの革ジャンで、イメージ上のロンドンのチンピラみたいな感じで、悪に憧れていた思春期の少年たちの心をつかんでいた」と。
危険な色気・・・(うーん、わかる)。
大型バイクにまたがった写真などが雑誌に載っていて、「印象としては、メタルのボーカリストというよりは、パンク(ロックバンドの)のジェネレーション Xのビリー・アイドルさんのようなイメージかな」。
(なんかわかるような気がする)
ビリー・アイドル・・・ちょっとだけど、歌声にはフェミニンな要素もあって、「そこがセクシーでしたね」。
(攻撃的だけど、どこか甘い声)
「ロックアイコンとしては、日本では矢沢永吉さんとかに通じるものがあったのでは」と。
草野「画像検索するときには若いころのものを! 最近のだと、スキンヘッドのがっちりしたおじさんの画像になっちゃいますので」(笑)
(ホントだ・・・)
ここでポール・ディアノ氏の簡単なプロフィール紹介。
本名は、ポール・アンドリュース。1958年生まれ。
父親はブラジル人のため、イギリス、ブラジルの両国の国籍を保有。
肉屋、シェフなどとして働きながら、プロを目指してバンド活動を続ける。
1977年、19歳でIron Maidenに加入、翌年にレコーディングのために初のスタジオ入りを果たすが、ナイフ所持による逮捕などのトラブルがあり、1979年、EPリリース、1980年にEMIからデビュー。
出だしから「デンジャラスな匂い強めのエピソード」。
次の曲は、Iron Maidenの「Remember Tomorrow」(1980年、デビューアルバム『Iron Maiden 鋼鉄の処女』)。
この曲は、ポール・ディアノ自身もsong writeに名前を連ねているそうだ。
この曲で、「フェミニンでセクシーな声の成分もわかってもらえるのでは? これを聴くと、歌のうまさもわかる」と。
草野「勢いだけのボーカリストじゃなく、ちゃんとしてるなあ、と思うし、こういう歌唱は、のちにIron Maidenに加入したブルース(・ディッキンソン)さんやブレイズ(・ベイリー)さんにはなかった。シンガー、ポール・ディアノの作品の中では最高傑作なのではないかと、ボクは思うのですが」
次の曲は、Iron Maidenの「Purgatory 煉獄」(1981年、2ndアルバム『Killers』)。
田村くんゲストの回でもかけた曲だそうです。「Iron Maidenのとっかかり曲としてはイチオシの結構スピーディーはナンバー。
(いつだったけ? ココでは2曲も選んでいるけど、違う曲だな)
彼はこの曲の入っている2ndアルバムリリース後にバンドを脱退するが、「悪っぽいけどセクシーな感じのボーカリストというのが、当時Iron Maidenの大きな魅力だと思っていた」ので、ボーカルがブルース・ディッキンソンにかわったとき、「ああ、おれのIron Maidenは終わったわー」と思ってしまった。
ブルース・ディッキンソンは歌のうまさではポール・ディアノよりも上だったけど、「昔ながらのハードロックシンガーで、Iron Maidenの独自な感じが消えたんだよね」と。
でもリーダーのスティーヴ・ハリスは王道のハードロックをやりたかったそうで、「ブルースさん時代も、いい曲たくさんあるんだけどね~。でもちょっとむさくるしいよネ」。
(・・・と語ってしまう草野くん。初期のIron Maidenへの思い入れの深さを感じます。)
それでもポール・ディアノ氏のバンド脱退に関しては、「しかたない部分もある」と。
当時、かなり素行もよろしくなく、「いつもしらふではなかったという話もある」。
ほかのメンバーも「このボーカルとずっとやっていくのは、ムリじゃねえ」という感じだったし、のちに彼自身も若気の至りを反省しているという。
(わかりやすくのれる楽曲だと、古い友人が言ってたなあ)
そして以下は、このアルバムから「Killers」でのポール・ディアノ。
Iron Maiden - Killers
メッセージコーナー。
以前に「絆創膏」の呼び方が地域によって異なるという話題で盛り上がったことがあったが、このリスナーさんの家では、独自に「ペタリンコン」と呼んでいたとか。
「そういう独自の言い方ってありますか?」
草野家では、おでこをくっつけて熱があるかどうかを確かめるとき、「デコチンよいしょしよう」と言ってたとか(かわいい~)。
バンド内でしか通じないであろう、ということは結構たくさんあるらしく、「maj7などのおしゃれなコード」を求めるとき、「そこはちょっと小野リサでいこう」と言っているとか。
草野「『小野リサ!』って呼んでましたね。この場を借りまして、小野リサさん、すいませんでした」(笑)
梅田大阪マルビル店の「TOWER RECORDS」が閉店になったそうだ。
店の脇にはラジオブースがあって、スピッツも出演したことがあったとか。
草野「マジか! なくなったの? 思い出の多い場所です」
ここまでサブスクが広まって、CDを販売することの難しさ・・・。
逆に、東京などではアナログ専門店が開店したりして、ちょっと盛り返しているというニュースも。
「お店で手に取ってワクワクする」というのも、「昭和世代としてはなくなってほしくない」。
(私なんかは、こてこての昭和世代だし、LPレコードからのお付き合いだしなあ)
次は、Di'Annoの「Antigua」(1984年、アルバム『Di'Anno』)。
81年にIron Maidenを脱退したディアノさん、「今度はどんなラジカルな音楽を聴かせてくれるの?」と期待していたら・・・、「ポップな方向に行っちゃいました」。
Di'Annoというバンドを結成して、「とってもポップな曲がアルバムに入っています」。
当時の草野くんは「がっくりって感じ」。
でも80年代半ばは、大半のメタルバンドがアメリカ市場を意識してポップになっていたので、「ポール・ディアノさんも例にもれず、ということだったんでしょうが」。
でも今聴くと、「楽曲自体は悪くない」。
(相変わらず、魅力的な声)
最後は、Paul Di'Anno’s Battlezoneの「Torch of Hate」(1987年、2ndアルバム『Children of Madness』)。
Paul Di'Anno’s BattlezoneはDi'Annoのあとに組んだバンド。
草野「スネアドラムの音がペチペチしていて時代を感じさせるけれど、でも硬派なメタルサウンドに回帰したナンバー」
でも、Iron Maiden時代の「濃ゆい感じ」はなくて、「惜しいなあ」。
「ジューダス・プリーストのロブ・ハルフォードの歌い方に寄せている」感じ。草野くんは「せっかくの才能なのに惜しいなあ、と思っちゃう」。
草野「もちろん、そのときどきで精いっぱいの活動をされていたと思うけど。でも、もっともっと行けたんじゃないかな、惜しいなあ、というのは、あくまで無責任なファンの目線でしかないんですけど」
(草野くんの中の熱い思いと、それに伴うせつない悔しさが感じられる発言。思いは深いなあ)
ポール・ディアノはその後もコンスタントに音楽活動を続け、来日公演もあった。
2013年ころからは膝を悪くして、車椅子でステージに上がることもあったが、一昨年、ライブからの引退を表明。
草野「でも、すごいボーカリストとして、多くの人の記憶に残っていると思います」
最後にもう一回、メッセージコーナー。
「オレじゃだめかー」「前の車、追ってください!」とか「ここからここまで全部ください」などなど、「ドラマのような、一度言ってみたいセリフ、ありますか?」
それより・・・、ドラマでしか言わんだろ、というセリフとして、通りでタクシーを探しているとき、手をあげて実際に「タクシー!」とは・・・、たしかに言わないよね。「あれ、一回、言ってみたいよね」
がっかりしたときの「トホホホホ・・・」ってマンガではあるけど、実際には言わない。「あれも言ってみたい」
コミカルなやつ、例えば「まるっと全部、見通しだ!」みたいなのは言ってみたいって。
(うちの相方、「TRICK」ファンなんで、これはたまに言ってます)(笑)
音楽教室の講師の先生のギターの演奏姿に憧れる14歳!
「弟子にしてください!」と言いたいんだけど・・・。
「弟子にしてください」と言ったことも言われたこともない草野くんは、どう思う?
「心の弟子」ならわかるけど、昔の職人さんや落語家のように暮らしをともにする・・・というのだと、「今は難しいかも」。
(うーん、14歳は「弟子」をどうとらえているんだろうね)
「でも、それだけ尊敬できるひとがいるというのは、いいですよね~」と。
映画『浅草キッド』を見て、「大泉洋さんの弟子なら、なってみたい」と思った草野くんでした。
(深見千三郎さんではなく、大泉洋さんの弟子、ね)
特集の最後に一言。
初期のIron Maidenが小さなライブハウスで演奏している動画が「メチャメチャかっこいい。ボーカルはもちろんポール・ディアノさん」。
ギターのデニス・ストラットンがいる頃だそうです。
Phantom of the Opera- Iron Maiden LIVE 1980
(ステージ前の若者たちの雰囲気も・・・)
「悪っぽくてセクシーなボーカル」は意外に少ない。
「どっちかに振り切っている人はいるけど」、で、悪っぽい路線だと、アクセル・ローズ(ガンズ・アンド・ローゼズ)、セクシー路線だとデイヴィッド・カヴァデール(ディープ・パープル~ホワイトスネイク)や、マイケル・モンロー(ああ、セクシーだ)を例にあげる。
今回は、ポール・ディアノさんへのリスペクトといまだに抱く複雑な思いが伝わる特集でした。
そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
(イントロはひさびさにわかりやすく、「こんにちは」。ライブの最後の曲として聴きたいな)
曲は、0930の「山田君」(2000年、デビューシングル)。
今日はちょっと重めな曲が多かったので、ここは軽やかな曲を。
0930は、ゆずや19などのアコギ弾き語りのトレンドがやや落ち着いてきたころに話題になった、宮崎の女性のデュオ。「ユニット名にひねりがあって、いいですよね。0930で『おくさま』かよ!って」
(懐かしいですね)
「曲の感じは、宮崎の温暖な太平洋側の気候を感じてしまいます。暖かいんだけど、カラッとしてる感じ。冬でも晴れてるとあったかいんですよ」と。
同じ九州でも、福岡と宮崎は遠くて、「飛行機で移動したりするんですよ」。
(気持ちのいい楽曲とスカッとする声)
そして、来週は【韓国のロックバンドで漫遊記】。
韓国というと、東方神起、KARA、BTSなどダンスポップのイメージが強いけれど、「ステキなロックバンドもたくさんある」そうです。「草野のプレイリスト」からセレクトして聴かせてくれるそうです。
「草野さん、絵文字がおっさんぽいと言われました、トホホ」(笑)
★さようなら、STUDIO COAST
たくさんのライブを見たなあ。
あのシチュエーションは気持ちよくて、小旅行のように出かけていったこともある。
どうにかならなかったのかな、と事情を知らない私は、ただただ残念。
https://twitter.com/studio_coast/status/1486699695271563267
https://news.yahoo.co.jp/articles/88f091fe1b29de25359ff9f9c9ff05e9789b6e17