朝から下品な番組を観ちゃった～日本テレビの情報番組「スッキリ！」

■主婦をバカにしてる？

　朝８時から始まった日本テレビの情報番組「スッキリ！！」。司会は極楽とんぼ加藤で、コメンテーターでそばに張り付いているのはテリー伊藤。
　徹夜明けでたまたまつけた画面に彼ら二人が映っていた。この時間帯、前は峰竜太だったから、新番組になったんだー。それにしても峰竜太から極楽加藤って、どうなんですか。なんか微妙っていうか、ピンとくるものがどっちにもないんだけど。それに加えて、テリー伊藤？　この人もなー、前は体制に文句言いっぱなしで、そのカツゼツの悪さと早口で「うるさい男だなあ」としか感じていなかったけど、最近は見事に体制の男っていう感じにうまく世の中を渡っちゃったし。いろいろ人とは違うことを言いたがっているのはわかるんだけど、冴えも感動もないしね。そんな二人のメインで進行していく番組に、奥様方は朝から付き合う気になるのでしょうか。
　その日取り上げられていたテーマは、雑誌『プレジデント FAMILY』のお話。昨年『プレジデント』の別冊で子どもの教育版を出したら売れ行き好調で、とうとう一人立ちしちゃってVol.1 も上々だったとか。ゲストにその雑誌の編集長と、特集「頭のいい子の生活習慣」で取材を受けた、いくつもの難関校に合格した「優秀な」息子をもつ夫婦が登場。
で、みんなして普通に語るんだよね。「頭のいい子を育てるには何が大事なの？
　コメンテイターのかとうかず子なんか、なんの主張もない母親なんですね。優秀な子どもの机周りがきちんと整理されていて無駄なものがない、という様子にいたく感心してたけど、だからなんなの？という気持ちになりませんか、みなさん。あとはただ、ふんふんと「ごもっともよね～」という感じで納得のうなずきを繰り返してたけど。
　その隣にいた漫画家（すみません、名前を忘れました）の女性は、こういう番組に出てしまったことを「ったく～」と後悔しているかのように、結構言ってましたね。「競争してみんなに勝って、で、その先に何があるんですか？」「１億円稼げる大人に…って、いいじゃない年収６００万円でも」なんて。
　それに対してですよ、あの「まやかし反体制」が暴かれてしまった（笑）テリー伊藤は、ヘヘヘと媚びたような下品な笑いを浮かべて、「いやいや、６００万よりは１億のほうがいいと思うけど」って。バカか！と思いました、私。
　その漫画家の方は、額についてコメントしたのではなく、「なんかさー、もっと語るべきことがあるんじゃないの？　こんなんでいいの？」みたいなことを怒ってたわけでしょ。サブメインっぽくそこにいるなら、もう少し違うやりとりしてもいいんじゃないかなあ。これも計算どおりの進行だったら、奥様はバカにされてるぞ。
　ゲストの雑誌編集長は、こういう子育てのポイントは会社での上司と部下の関係にも通じるわけで、とかもっともらしい言い方をしてたけど、今どんな雑誌も購読数は軒並み落ちてるし、ヒット商品を狙ってるだけなんだよな。「やる気のツボを刺激する6つの褒め方、叱り方」なんてコーナーがあって、それを番組内で「いろいろ参考になりますねえ」なんてフリップまで作って取り上げていたけど、あったりまえのことばかりだったなあ。加藤が「政治経済は中学２年のレベルで」番組を進行させると会見で語っていたらしいけど、しつけはどの程度のレベルに下げたんですか？とききたくなってしまった。ま、いいけど。
　そして、こんな朝早くからゲストとして出演していた優秀な坊やの父親と母親。父親は記憶に残らないようなこと（笑）を一応なんか語っていたけど、母親のほうは意味ありげな？意味なさそげな？笑みを浮かべて、それだけで終わってしまったなあ。こんなんだったら、家で夫の出演するようすを見てたほうがよくはなかったですか？　きっと賢いステキなママなんでしょうけど（いつもはね）、愚かな視聴者は「頭のいい子の母親がみんな優秀ってわけでもないのね、安心」なんて思ってしまったかも。お気の毒でした、ハイ。
　ということで、朝から無意味な下品な番組を観てしまいました。日テレの制作者のみなさん、どんな主婦をターゲットに番組を作っているんですか。なんか勘違いしてないかなあ。
　外に出たら桜がきれいで、それで不愉快な思いはすっかり消えてしまいました。忘れていたのですが、さっきたまたまテレビでテリー伊藤を見て、それで思い出してしまったんですね（笑）。お付き合いありがとうございました。「スッキリ」しましたー。

　（そうそう、「頭のいい子のなんとやら」云々については、またの機会に。今語りたいけど「理想論じゃん」「きれいごと言ってんじゃないよ」と言われないような布陣を張るのが結構難しい。私の文章力程度ではね）