2023.10.01
ロック大陸漫遊記
TOKYO FM
10月に入りました。
草野くんもさっき知ったそうだけど、この番組、「300回」を迎えたそうです!(すごい!)
「これもね、聴いてくれているあなた! あなたのおかげです。本当に本当にありがとうございます」
春に語呂合わせということで、「274回」にふなっしーをゲストに迎えてから20回以上も放送しているわけで、「はやいなあ」と。
また語呂合わせでゲストを迎えるのもあり・・・ということです。
今日までネタが300個あったということで、「よく続いたなと思います。すごくないですか? 自分を褒めたいというか・・・。自画自賛でみっともないかもしれないけど」。(自画自賛、大いに結構!)
やりたい特集はまだまだあるそうで、「それを考えると、オレって本当にロックおたくなんだなと、改めて自覚してしまいますが」。
「こんな私ではありますが、今後ともよろしくお願いします」
(こちらこそ~!)
そして、今日の特集は、【oiパンクで漫遊記】。
oiパンクは、パンクロックの一カテゴリー。
以前に特集したSham69あたりを源流とする「みんなでsing alongするタイプのパンクロック」。おもにイギリスの労働者階級の人たちのロックという位置づけ。
「意外とポップな曲も多いし、結成当初のスピッツも影響を受けているということで」、今回の特集です。
セットリスト
01 めぐりめぐって(スピッツ)
02 Oi! Oi! Oi!(Cockney Rejects)
03 Give A Dog A Bone(Sham 69)
04 Someone's Gonna Die(Blitz)
05 Yesterdays Heroes(The 4 Skins)
06 I'm An Upstart(Angelic Upstarts)
07 Crust Party in Findhorn Place(Oi Polloi)
08 Gonna Be Alright(Cock Sparrer)
09 やっちまえ!POPSTAR(COBRA)
10 醒めない(スピッツ)
漫遊前の1曲は、スピッツで「めぐりめぐって」(2023年、17thアルバム『ひみつスタジオ』)。
この曲、sing alongするところはないけれど、イントロの決めの感じやビートの感じが「ちょっとだけoiパンクっぽいかな」ということで。
(好きです! 最近のアルバムはラストがいい感じで終わるけれど、これもそう)
最初の曲は、「oiパンクの草分け的バンド」、Cockney Rejects の「Oi! Oi! Oi!」(1980年、2ndアルバム『Greatest Hits Vol. II 』)。
『Greatest Hits Vol. II 』というタイトルだが、「ベストアルバムではなく普通のオリジナルアルバムにこういうタイトルをつけているという、こういうなめきった態度が非常にパンクだと思いますが」。
草野くんにとって、「oiパンクと言えば、まずこのバンド」。曲のタイトルからして・・・ですから。
新宿の「エジソン」というレコード屋で購入。
ロンドンの裏通りをうろついている不良少年たち・・・という感じで「演奏はヘロヘロだけどパワーがみなぎっていて、一時期よく聴いていました」と。
「結成当時のスピッツも影響を受けてたかな、田村とかもよく聴いてたんで」
当時は、労働者階級の若者たちのラジカルなメッセージを伝えていた「反体制、社会主義的なバンド」もいたそうだ。
そして、60年代からいる坊主頭の一群、スキンズといわれる人たちや、フーリガンみたいなならず者の街の輩も参入してきて、思想的には多様化し、なかにはネオナチ的な人たちもいたらしい。このあたりがクローズアップされることもあった。
「過激な印象の人たち」という印象が強かったそうだ。
次は、Sham 69の「Give A Dog A Bone」(1980年、4thアルバム『The Game』)。
以前にココで特集したSham69は、oiパンクのルーツとも呼ばれるバンド。
サッカーのチャント的な、オーディエンスがsing alongするスタイルを取り入れたバンド。
ファッション面でも、それまでのパンクロッカーのように髪を逆立てたり、安全ピンをピアスにしたり、破いたシャツを着たりせずに、「わりと普通の、街のチンピラっぽい格好だったので、かえってそこが受けた、という側面も」。
(ノリやすいシンプルさと、社会に背いているという姿勢だけで、若かったら好きになってただろうな)
そして、次の曲は、Blitz の「Someone's Gonna Die」(1980年、1st EP『T All Out Attack E.P.』)。
この曲は、先ほどのCockney Rejects の「Oi! Oi! Oi!」同様、「わかりやすく、『Oi! Oi! Oi!』とsing alongするところがある」。
このBlitzは、パンクスとスキンズの混合バンド。
でも「この曲、FMラジオでかけていいのか、すごい迷ったんですよね。すごいノイジーなギターでジャリジャリした、いかにも初期のパンクロックサウンド」と。
ノイジーな音が苦手の人は、「短い曲なので耐えてください」。でも、「oiパンクを象徴する重要な曲だと思います」。
Cockney Rejectsの曲と「Oi! Oi! Oi!」とsing alongするパターンが異なるが、こちらはラフィンノーズの 「GET THE GLORY」と同じタイミングで、「こっちのほうがsing alongしやすいかも。なので、みんなでコブシを突き上げて聴いてください」と。
Blitz - New Age - (UK/DK. UK, 1983)
次は、The 4 Skins の「Yesterdays Heroes」(1981年)。
このバンドはもともと、フーリガンが集まって結成された。先ほどのCockney Rejectsからの影響も大きいが、「さらにポップな印象かな。oiパンクのルーツのひとつにスレイドもあげられるが、それもうなずけるポップさ」と。
todayが「トゥダイ」、everywayが「エヴリワイ」になったりするロンドンの下町訛りも、このバンドの聴きどころ、だそうです。
バンドの撮影でロンドンを訪れたときに運転手を務めてくれていたジェームズさんは仲間から「ヘイ、ジャイムズ、ジャイムズ!」と呼ばれていて、「それを思い出します」。
oiパンクのファッション。
従来のパンクロッカーより自由度が高かったが、髪型はスキンヘッドの人が多い。「ツンツンに立ててる人はいないかもしれない」
ハンチングなどの帽子をかぶっている人もいた。
スリムのデニムパンツにサスペンダー、ドクターマーチンの編み上げブーツ、アウターはMA-1を着ている人が多い。またフレッドペリーのポロシャツを着ている人も。
グランドスラムを達成したフレッドペリーは労働者階級の出身のテニスの選手で、上流階級のスポーツだったテニスの世界に成り上がった人物ということで、「ワーキングクラス・ヒーロー」的な存在だったのだろう、と。
「オレもフレッドペリーのポロシャツ、何枚か持ってますけどね」
次は、Angelic Upstarts の「I'm An Upstart 俺は成り上がり者」(1979年、2ndシングル/1979年、1stアルバム『Teenage warning 横っ面に一撃』)。
ドラムが特にドタバタしていて、「最初に聴いたときは演奏が下手だなと思った」そうだ。なので、草野くんは当時、Sham 69やCockney Rejects ほどは聴かなかった。
でも最近サブスクで聴き直したら、「これはこれでむき出しのパワーいうかエネルギーが伝わってきて、ロックってこれだよな、と見直したりもしている」。
メッセージコーナー。
小さいころに野球観戦に行って、「ホームランボールにおなかを一撃された」リスナーさん(すごい!)
「いつかスピッツのライブで、メンバーの投げたピックがおなかを一撃しないかなあ(笑)」
草野くん、こらえきれずに笑いながら、「それより、おなかに当たって大丈夫だったんですかねえ」。
「想像しただけで・・・こわっ。だってホームランのボールでしょ? でも大丈夫だったんだよね、こうやってメッセージくださるくらいですから」
(そうですよねえ)
草野くんの経験談。以前に観戦していたとき、近くにいた人の顎にファウルボールが当たって、その人は血を流しながら救護室に運ばれていった。だけど、しばらくしたらタオルで顎を抑えながら観戦していたので、「意外に大丈夫だったみたいです」。
草野くんは、ファウルボールが飛んできそうな席で観戦するときは、「なるべくグローブ持っていくようにしています」。(そういう人は見たことあるけど、ボールを取るためじゃなく、防御のためなの? 知らなかったなあ)
硬式ボールは「石みたいに固いから、危険です。気をつけて」と。
草野くんはピックを投げるとき、「なるべく目とか当たらないように、上に向かってヒラヒラ落ちてくるように投げようとはしてるんですよ。そうならないことのほうが多いんだけど、一応、気をつけて投げているんです」。
スピッツライブ初参戦の若いリスナーさん(今まで受験や部活で参加できなかったそうです)
ライブ中は語彙力がなくなるくらいに楽しくて幸せだったけれど、次の日、ライブでの記憶がほとんど消えていたそうです。それは、「あるある」らしいけれど、やっぱり記憶は残しておきたい、「草野さんはどうですか?」
(わかるわかる。私は帰りの電車で、急いでメモメモしてます(笑)。汚い字で書きなぐるから、あとで読めなかったりすることもある。)
「楽しいと忘れてしまう・・・はきっとあるあるですよね」と。
草野くんも昔は帰り道でメモっていたそうです。今はスマホのメモに記録したり。
(ワタシ、スマホのメモより手書きのほうがはやいというのは、年齢的なものか??)
逆に、ここはこうしたらいいのになあ、などと思えるライブのほうが覚えていたりするんだそうです。
次は、Oi Polloi の「Crust Party in Findhorn Place」(2020年、ミニアルバム『Blame It on the System』)。
アマチュアの頃に知り合ったバンドの人にoiパンクに詳しい人がいて、「その人にカセットをもらったことがある」。
スコットランドのバンドで、反商業主義のアナーコパンクにも括られるアナーキーなバンド。
今も現役で、反体制的なラジカルな、ラジカルキッズを貫いたままおじさんになっていて、「これはこれでカッコいいなと思います」と。
この曲は、「そんなパンク親父たちの最近の曲」。
Oi Polloi - Blame It On the System (Obscene Extreme 2019 Trutnov, Czech Republic) [HD]
(これ、最近の映像!)
最後は、Cock Sparrer の「Gonna Be Alright」(2017年、7thアルバム『Forever』)。
バンド名は「けんかっ早い奴」というスラングのロンドン訛り。
Oi Polloiよりさらに長い活動歴で、結成51年という大ベテランのバンド!
もともとパンクムーブメントよりも前から活動していて、70年代の初期にはシンプルなロックンロールバンドだった。なので、「Sham69同様、oiパンクの源流とも言えるかもしれない」。
そんなレジェンドバンドの最近の楽曲が「めちゃめちゃポップでいい感じ」。
(レジェンドとかベテランという括りが不自然なくらい、なんだかかわいくて懐かしい感じ。Wikiに「歌詞は労働者階級の人々の日々の暮らしについての内容が多い」と。一時的にメンバーの入れ変わりはあったらしいけど、基本的に同じ4人で活動しているそうです)
特集の最後に。
oiパンク、ざっくり言うと「仲間たちとつるんで盛り上がっちゃうロックっていう感じ」。
最近は、「ロカビリーだ、モッズだ、パンクだ、メタルだ・・・とロックのカテゴリーごとに徒党を組んで盛り上がるカルチャーもあんまりなくなってきたように感じる。若者の数も少ないもんね。オレが知らないだけですかね? 最近だとヒップホップの世界だと、まだあるのかな」。
草野くんは基本、天邪鬼だから、「今までそういうグループに属さないようにしてきた」。だけど、この年齢になると、「ちょっと仲間が欲しい気持ちが強くなってきたりしてる」らしいですよ。
そして最後は、このコーナー、「ちょっぴりタイムマシン」。
今日は、COBRAの「やっちまえ!POPSTAR」(1990年、メジャー2ndアルバム『CAPTAIN NIPPON』)。
(イントロは、「インディゴ地平線」。美しいギター、いつもちょっと泣ける)
日本にも、80年代にoiパンクにカテゴライズされるバンドはいたが、「いちばん有名なのがこのCOBRA」。
魅力は、「カリスマ性のあるボーカルのYOSU-KOさんを中心に奏でられる、みんなでsing alongできる、力強いんだけど、それでいてキャッチーなパンクロックサウンド」。
この曲は、サッカーのベガルタ仙台のチャントで今も歌い継がれているナンバー。「sing alongできるのに泣きメロっぽいというところがすばらしいと思います」
ちなみに、このアルバムの5か月前にリリースされたメジャー1stアルバムのタイトルが『Oi Oi Oi』だそうです。
来週の特集は、ワンアーティスト特集、「サクソンで漫遊記」。
80年代に人気だった、イギリスのヘビーメタルバンド。
「AC/DC同様、ギターリフで押しまくるスタイルがカッコいいが、AC/DCにはない、イギリスのバンド特有の湿り気があって」、そのへんがファンだそうです。
「草野さん、10月なのに、まだ近所でセミが鳴いてます」
(ここでは、今夜は秋の虫たちが競うように鳴いています)
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