『ブンガワンソロ』(1951)
【感想レビュー】
監督: 市川崑
出演者:池部良、森繁久彌、伊藤雄之助、藤田進、久慈あさみ、若山セツ子、小沢栄太郎
【作品概要】
灼熱のジャワで三人の脱走日本兵と美しいジャワ姉妹が繰り広げる悲哀の物語に、脱走日本兵と日本軍軍曹、憲兵隊たちとの死闘が絡むロマン大作。
【逸話】
監督に市川崑の名が記されているが、実は劇中の半分以上は別の監督が撮っている。当初、市川は演出の必要性上海外ロケを念頭に置いて新東宝と撮影交渉を重ねていたが、スケジュールの延滞に加えて封切り日を繰り上げたい新東宝側が別の監督に撮影させ、編集も無断で行って完成させてしまった。市川は監督協会に訴えたうえで新東宝に監督のクレジットを外すよう要望したが認められず、結局は本作を生涯鑑賞することなくこれを契機に東宝へ移籍することになる。(Wikipediaより)
【感想レビュー】
『破戒』に続いて観賞
池部良さんづいております。
終戦直前の南方戦線が舞台で、しかも脱走兵と、それに巻き込まれた隊員を描いていて、捕まったら軍法会議にかけられて死罪かもしれないし…のシリアスな設定にも関わらず、けっこう面白いのです、これがまた
久慈あさみさんが、現地のヒロインを演じていますが、お顔の彫りが深くて、まるで違和感がなく…!
モノクロに映えてお美しい…
そして、池部良さんは、もう言うまでもなく格好良いんです、もう本当に、格好良いんです。
精神的にも肉体的にもボロボロの南方戦線で、池部さん演じる深見伍長がジェントルマン過ぎる…
また、途中で監督が変わっているからなのか、なんなのか(上記の逸話参照)、ミュージカルっぽくなるは、騎馬と馬車のスリリングなチェイスで西部劇っぽくなるはで、てんやわんやです。
フィナーレに向けての疾走感!
…からのラストのあっけなさ。
虚を突かれます。。
市川崑監督は、生涯一度も観賞する事がなかったとの事ですが、このチグハグ感?が楽しめる魅力的な映画でした