『そして人生はつづく』(1992)
監督:アッバス・キアロスタミ
脚本:アッバス・キアロスタミ
製作:アリ・レザ・ザリン
出演者:ファルハッド・ケラドマンド、プーヤ・パイヴァール
撮影:ホマユン・パイヴァール
編集:アッバス・キアロスタミ、シャンギズ・サヤード
【作品概要】
「友だちのうちはどこ?」(1987)に始まり、「オリーブの林をぬけて」(1994)で完結するアッバス・キアロスタミの“ジグザグ三部作”の二作目。イラン北部を襲った大地震により崩壊した村を舞台に、「友だちのうちはどこ?」の出演者兄弟を、キアロスタミ監督とその息子が訪ね歩くという設定の中、村の人々の姿をドキュメンタリー・タッチで映し出していく。
【感想レビュー】@theater
1990年のイラン大地震の直後が舞台。ドキュメンタリー風だけど、物語なんです。
『友だちのうちはどこ?』に出演していた職業俳優ではない子役の少年が無事なのか、監督とその息子が会いに行くというストーリー。
テヘランから地方の村コケルまで、その道中に色々ありながらも車で移動する物語
でも、監督役はご本人ではなく俳優さんが演じています。
テヘランからは遠く、道も地震で寸断されていたり、その道のりは遠い。
息子を演じる少年の無垢さがとても良かったです
被災地に行くのに運転する父の後ろから、無邪気にサッカーの話をしたり、トイレに立ったらバッタを捕まえてきたり。微笑まし過ぎる
父も、わきまえなさいなどとは言わず、淡々とドライブは続きます。
やがて車は被災地を走る。
壊れた家。
物が散乱した家屋。
分断された道路。
テントで生活する人もいれば、散乱した家を片付けながら暮らす人もいる。
そんな被災地に住む人々。
しかし大変な変化がありながらも、日常を淡々と生きている人々。
こういう描写、3.11以降は敏感になってしまいます…。
それでも。
車は走っていきます。
『そのルートは道が壊れているから通れないよ』
幾度も行き方を尋ね、幾度もこう言われる監督…
ネバーギブアップなのだ。淡々と。
そして、じわっ…とくる辺りで、“これはあくまで撮影なのです。事実でもあるけど、虚構なのです”
といわんばかりに、演者がカメラの後ろにいるスタッフに呼び掛け、さらに応答の声が差し込まれる…
い、今じわってきてたのに…
こんな調子で、キアロスタミ監督に観ている方はしてやられっぱなしなのであります
映画が虚構であるという考えの最たるものですね
しかしこれ、このテイストで突然されるとビビる…。でも、だからこそ誠実なのですよね。ふむ。
急な斜面のジグザグ道を、懸命に車は上っていく。
上っては、上りきれなくて落っこちてきて(‼︎)、それでも懸命に。
壊れた家の向こうにオリーブの林が見える。
美しいオリーブの林。
説教臭くもなければ、お涙頂戴でもなく、時に映画の表と裏を映し出し、ふいに胸を熱くさせられる。
そんな映画でした
観れて良かったー
監督:アッバス・キアロスタミ
脚本:アッバス・キアロスタミ
製作:アリ・レザ・ザリン
出演者:ファルハッド・ケラドマンド、プーヤ・パイヴァール
撮影:ホマユン・パイヴァール
編集:アッバス・キアロスタミ、シャンギズ・サヤード
【作品概要】
「友だちのうちはどこ?」(1987)に始まり、「オリーブの林をぬけて」(1994)で完結するアッバス・キアロスタミの“ジグザグ三部作”の二作目。イラン北部を襲った大地震により崩壊した村を舞台に、「友だちのうちはどこ?」の出演者兄弟を、キアロスタミ監督とその息子が訪ね歩くという設定の中、村の人々の姿をドキュメンタリー・タッチで映し出していく。
【感想レビュー】@theater
1990年のイラン大地震の直後が舞台。ドキュメンタリー風だけど、物語なんです。
『友だちのうちはどこ?』に出演していた職業俳優ではない子役の少年が無事なのか、監督とその息子が会いに行くというストーリー。
テヘランから地方の村コケルまで、その道中に色々ありながらも車で移動する物語
でも、監督役はご本人ではなく俳優さんが演じています。
テヘランからは遠く、道も地震で寸断されていたり、その道のりは遠い。
息子を演じる少年の無垢さがとても良かったです
被災地に行くのに運転する父の後ろから、無邪気にサッカーの話をしたり、トイレに立ったらバッタを捕まえてきたり。微笑まし過ぎる
父も、わきまえなさいなどとは言わず、淡々とドライブは続きます。
やがて車は被災地を走る。
壊れた家。
物が散乱した家屋。
分断された道路。
テントで生活する人もいれば、散乱した家を片付けながら暮らす人もいる。
そんな被災地に住む人々。
しかし大変な変化がありながらも、日常を淡々と生きている人々。
こういう描写、3.11以降は敏感になってしまいます…。
それでも。
車は走っていきます。
『そのルートは道が壊れているから通れないよ』
幾度も行き方を尋ね、幾度もこう言われる監督…
ネバーギブアップなのだ。淡々と。
そして、じわっ…とくる辺りで、“これはあくまで撮影なのです。事実でもあるけど、虚構なのです”
といわんばかりに、演者がカメラの後ろにいるスタッフに呼び掛け、さらに応答の声が差し込まれる…
い、今じわってきてたのに…
こんな調子で、キアロスタミ監督に観ている方はしてやられっぱなしなのであります
映画が虚構であるという考えの最たるものですね
しかしこれ、このテイストで突然されるとビビる…。でも、だからこそ誠実なのですよね。ふむ。
急な斜面のジグザグ道を、懸命に車は上っていく。
上っては、上りきれなくて落っこちてきて(‼︎)、それでも懸命に。
壊れた家の向こうにオリーブの林が見える。
美しいオリーブの林。
説教臭くもなければ、お涙頂戴でもなく、時に映画の表と裏を映し出し、ふいに胸を熱くさせられる。
そんな映画でした
観れて良かったー