本日は8月18日は灰原の日です。というわけで阿笠邸のある夏の午後のお話です。
夏休みも残りあと二週間となった土曜日の午後、地下室から上がってきた哀が阿笠邸のリビングを覗くと、ソファにだらしなく寝ころんで手にした本のページを捲るコナンの姿があった。
「ん?もう三時か」
哀の姿を認めると体を起こして大きく伸びをする。
「ええ。博士を呼んできて。お茶にしましょう」
「おう」
読んでいた本をテーブルに投げ出すとコナンは何やら怪しげな音が響く阿笠の研究室へ向かう。それと入れ違うように哀はリビングを抜けキッチンへと入っていった。三人分の食器を用意していると近づいてくる足音がして顔をあげると、
「博士、いらねーってよ」
そう言いながらコナンがするりとキッチンのカウンターの中に入ってきた。
「そう。昨日から研究がずいぶん乗ってるみたいね。邪魔しないであげましょう」
「普段はガラクタばっか作ってるけど、あれで博士は本物の天才だからな。スゲーもん作ってるかもしんねーしな」
「あなたって本当に失礼よね」
哀にジト目で見られて、冷蔵庫から目当てのものを出すとコナンは慌ててリビングへと退散した。
リビングのテーブルに置かれたグラスを手に取るとカラリと氷が音を立てた。
「お、この味はダッチコーヒーじゃねーか」
と目を細めるコナンに頷いて哀も自分のグラスに口を付ける。
「アイスコーヒーだと、あなたはさっぱりした味の方が好みでしょう?」
「だから作ってみたのよ」と続ける哀にコナンは嬉しそうに笑った。
「オレの好みがよくわかったなあ」
「そりゃ、これだけ毎日ここで一緒にコーヒーを飲んでればね」
そう肩をすくめる哀に苦笑をするとコナンはテーブルに置いてあった白い箱を「これ、オヤツに食べようと思ってたんだ」手元に引き寄せた。箱を開くと中にはカップに入った淡いピンクのゼリーが可愛らしく並んでいた。
「これ…!マープルの白桃ゼリーじゃない」
「オメー、桃のゼリー好きだろ。ここの美味いんだぜ」
「……よくわかったわね。私が桃のゼリーが好きだって」
「そりゃ、これだけ毎日ここで一緒にコーヒー飲んでればな」
そうニヤリと笑うとコナンは恭しい手つきで哀の前にゼリーの入った容器を置いた。
夏休み中コナンは毎日のように朝から夕方まで阿笠邸に入り浸っていて、なんとなく三時のおやつが習慣になっているという設定です(解説を入れなきゃいけないあたりが情けないのですが)。さりげない日常の中でお互いを知りあっていくコ哀が書きたかっただけ、というお話でした。
夏休みも残りあと二週間となった土曜日の午後、地下室から上がってきた哀が阿笠邸のリビングを覗くと、ソファにだらしなく寝ころんで手にした本のページを捲るコナンの姿があった。
「ん?もう三時か」
哀の姿を認めると体を起こして大きく伸びをする。
「ええ。博士を呼んできて。お茶にしましょう」
「おう」
読んでいた本をテーブルに投げ出すとコナンは何やら怪しげな音が響く阿笠の研究室へ向かう。それと入れ違うように哀はリビングを抜けキッチンへと入っていった。三人分の食器を用意していると近づいてくる足音がして顔をあげると、
「博士、いらねーってよ」
そう言いながらコナンがするりとキッチンのカウンターの中に入ってきた。
「そう。昨日から研究がずいぶん乗ってるみたいね。邪魔しないであげましょう」
「普段はガラクタばっか作ってるけど、あれで博士は本物の天才だからな。スゲーもん作ってるかもしんねーしな」
「あなたって本当に失礼よね」
哀にジト目で見られて、冷蔵庫から目当てのものを出すとコナンは慌ててリビングへと退散した。
リビングのテーブルに置かれたグラスを手に取るとカラリと氷が音を立てた。
「お、この味はダッチコーヒーじゃねーか」
と目を細めるコナンに頷いて哀も自分のグラスに口を付ける。
「アイスコーヒーだと、あなたはさっぱりした味の方が好みでしょう?」
「だから作ってみたのよ」と続ける哀にコナンは嬉しそうに笑った。
「オレの好みがよくわかったなあ」
「そりゃ、これだけ毎日ここで一緒にコーヒーを飲んでればね」
そう肩をすくめる哀に苦笑をするとコナンはテーブルに置いてあった白い箱を「これ、オヤツに食べようと思ってたんだ」手元に引き寄せた。箱を開くと中にはカップに入った淡いピンクのゼリーが可愛らしく並んでいた。
「これ…!マープルの白桃ゼリーじゃない」
「オメー、桃のゼリー好きだろ。ここの美味いんだぜ」
「……よくわかったわね。私が桃のゼリーが好きだって」
「そりゃ、これだけ毎日ここで一緒にコーヒー飲んでればな」
そうニヤリと笑うとコナンは恭しい手つきで哀の前にゼリーの入った容器を置いた。
夏休み中コナンは毎日のように朝から夕方まで阿笠邸に入り浸っていて、なんとなく三時のおやつが習慣になっているという設定です(解説を入れなきゃいけないあたりが情けないのですが)。さりげない日常の中でお互いを知りあっていくコ哀が書きたかっただけ、というお話でした。
恭しい手つきで哀の口に、あ~んとゼリーをスプーンで食べさせてあげた
と思っちゃった。ついつい自分がしてほしい願望が・・・
いつもお話ありがとうです!
何気ない日常って、二次創作の大きな楽しみっていうか、テーマだと思うのです。
サラッと書けてしまう覚さんは、やっぱ凄いです。
>つきよさん
原作派のつきよさんにそう言ってもらえると嬉しいです。
スプーンであ~ん、という甘々コ哀も好きですが、今回は原作寄りの雰囲気をめざしてみました。
>ハルさん
バーローの日が甘々だったので、今回はあっさりといってみました。
もちろん別のシチュエーションでは「…私、ガリガリくん派なんだけど」とジト目で言われたりしながら夏は終わってゆくのです(笑)
>サブラピッドさん
日常を妄想するのは楽しいんですが、サイトに掲載できるほどの話にするとなると難しいですよね。一シーンを切り取るという小話にはできても起伏が乏しくなるというか。
私はサイトは完成したテキスト、blogは突発小ネタという形でやらせてもらってます。そこのところは自由にさせてくれる相方に感謝ですね。