今年もやってきました本日三月八日は宮野の日です。コ哀の日、灰原の日、宮野の日は灰原ファンの三大祝祭日でございます。
といいながら今年もちゃんとしたテキストととして完成させられず無念ですが、せめて何か一つということで小話を用意させていただきました。
ということで以下、宮野の日小話です。ミネルバ編の裏設定の全プレDVDで歩美ちゃん家に哀ちゃんがお泊りしてた時のお話です。
「それでね…お母さんが……」
「吉田さん、もう寝ましょう」
風呂上りの髪を乾かしてやっていた歩美の言葉がとぎれとぎれになり始めたので、ドライヤーを止めてそう言った哀に返ってきたのは思いのほか強い歩美の拒絶だった。
「!…やだ!もうちょっと起きてるもん!」
「あなたずいぶん眠そうよ。それにもうこんな時間だし」
苦笑しながら視線を壁にかけられた蜂蜜を抱いたクマを象った時計に目をやると午後九時を半分回ってしまっている。
「大丈夫だもん。歩美もうちょっと起きてられるもん」
「でも…どうしてそんなに寝るのが嫌なの?」
昨夜とは違う頑なな歩美の返事に訝しげに問う。
「だって、今夜寝て起きちゃったら明日にはもう哀ちゃん帰っちゃうんだもん」
拗ねたように下を向いて呟く歩美の答えにふと既視感を感じて哀は記憶を辿る。
(ああ、あれは)
呼び覚まされた懐かしい記憶に哀に口元は我知らず微笑んでいた。
『ねえ志保。もう寝る時間だよ』
『やだ。まだ寝たくない。もうちょっと起きてる』
『そんなこと言ってあなた居眠りしてるじゃない。ほら、髪の毛もちゃんと乾いたから寝られるよ』
『やだやだ。眠くないもん』
『もう、昨日はお姉ちゃんの言う事聞いてちゃんと寝てたのに。今日はどうしたの?』
『だって…明日の朝起きたらお姉ちゃんまた日本に帰っちゃうでしょ』
そう言ってはせっかく会いに来てくれた姉をずいぶん困らせたものだった。そしてそう駄々をこねる自分に姉は…
「ねえ、吉田さん。目をつぶって口を開けて」
「え?こう?」
「そう、そのまま」
「!あま~い!何これ?キャンディー?」
「そう。本当は歯を磨いちゃったからいけないんだけど、今夜だけは特別ね」
「うん。イチゴ味だ。美味しいね」
「私のはグレープ味なの。ねえ、この飴が舐め終わるまでお話したら寝ましょう。そうしたら次に泊りに来る時もこの飴を持ってくるから」
「ホントに!?今度の時も?約束だよ!哀ちゃん!」
「ええ。約束するわ。だから今夜はこの飴が舐め終わったら寝ましょうね」
「うん!歩美、今度の時は哀ちゃんのグレープ味が食べてみたい!」
「わかったわ。グレープ味ね」
小ぶりの飴を舐め終わる頃、話しつかれて眠りについた歩美の寝顔をみて、哀の口元が自然とほころぶ。もしかしたら姉もこうやって眠ってしまった自分の寝顔を見ていたのだろうか、そう思うと姉の優しさに包まれたような気がして哀は温かな気持ちとともにそっと目を閉じたのだった。
といいながら今年もちゃんとしたテキストととして完成させられず無念ですが、せめて何か一つということで小話を用意させていただきました。
ということで以下、宮野の日小話です。ミネルバ編の裏設定の全プレDVDで歩美ちゃん家に哀ちゃんがお泊りしてた時のお話です。
「それでね…お母さんが……」
「吉田さん、もう寝ましょう」
風呂上りの髪を乾かしてやっていた歩美の言葉がとぎれとぎれになり始めたので、ドライヤーを止めてそう言った哀に返ってきたのは思いのほか強い歩美の拒絶だった。
「!…やだ!もうちょっと起きてるもん!」
「あなたずいぶん眠そうよ。それにもうこんな時間だし」
苦笑しながら視線を壁にかけられた蜂蜜を抱いたクマを象った時計に目をやると午後九時を半分回ってしまっている。
「大丈夫だもん。歩美もうちょっと起きてられるもん」
「でも…どうしてそんなに寝るのが嫌なの?」
昨夜とは違う頑なな歩美の返事に訝しげに問う。
「だって、今夜寝て起きちゃったら明日にはもう哀ちゃん帰っちゃうんだもん」
拗ねたように下を向いて呟く歩美の答えにふと既視感を感じて哀は記憶を辿る。
(ああ、あれは)
呼び覚まされた懐かしい記憶に哀に口元は我知らず微笑んでいた。
『ねえ志保。もう寝る時間だよ』
『やだ。まだ寝たくない。もうちょっと起きてる』
『そんなこと言ってあなた居眠りしてるじゃない。ほら、髪の毛もちゃんと乾いたから寝られるよ』
『やだやだ。眠くないもん』
『もう、昨日はお姉ちゃんの言う事聞いてちゃんと寝てたのに。今日はどうしたの?』
『だって…明日の朝起きたらお姉ちゃんまた日本に帰っちゃうでしょ』
そう言ってはせっかく会いに来てくれた姉をずいぶん困らせたものだった。そしてそう駄々をこねる自分に姉は…
「ねえ、吉田さん。目をつぶって口を開けて」
「え?こう?」
「そう、そのまま」
「!あま~い!何これ?キャンディー?」
「そう。本当は歯を磨いちゃったからいけないんだけど、今夜だけは特別ね」
「うん。イチゴ味だ。美味しいね」
「私のはグレープ味なの。ねえ、この飴が舐め終わるまでお話したら寝ましょう。そうしたら次に泊りに来る時もこの飴を持ってくるから」
「ホントに!?今度の時も?約束だよ!哀ちゃん!」
「ええ。約束するわ。だから今夜はこの飴が舐め終わったら寝ましょうね」
「うん!歩美、今度の時は哀ちゃんのグレープ味が食べてみたい!」
「わかったわ。グレープ味ね」
小ぶりの飴を舐め終わる頃、話しつかれて眠りについた歩美の寝顔をみて、哀の口元が自然とほころぶ。もしかしたら姉もこうやって眠ってしまった自分の寝顔を見ていたのだろうか、そう思うと姉の優しさに包まれたような気がして哀は温かな気持ちとともにそっと目を閉じたのだった。
とっても癒されました和みました…v
そして明美さんに想いを馳せる哀ちゃん…切ないけど幸せです…(´;ω;`)
素敵な姉妹小話が読めて私は幸せです>ω<
ビバ!宮野の日☆(笑)
…どうでもいい話でしたねすいませんm(_ _)m
感想コメントありがとうございます。
去年はしっとり新志だったので今年は久しぶりにちび志保ちゃんを書きました。明美さんには甘えっ子であって欲しい願望です。
やっぱり宮野姉妹は良いですよね。毎年こうやって何かを書きながら魅力を再確認してます。
>LIVEDさん
あのシリーズは…という気持ちとまだ真ロンドン編があると良いなあという希望を込めてミネルバ編と呼んでます(苦笑)