kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ロボコップ

2014年04月13日 | ★★★☆☆
日時:4月7日
映画館:バルト11
パンフレット:A4版720円。(4月以降価格)前半にオムニ社の取扱商品カタログ付き。

オリジナル「ロボコップ」をリアルタイムで映画館で観た世代。

「ロボコップマーチにあわせて麻薬工場の取引現場に乗り込んで、悪党同士で誤殺する勢い、いいですね!」
「工場廃液で溶けた悪党が車で木っ端微塵になったあげく、ワイパーでふき取られるシーン最高。」
「バレッタ・ライフル、何て名前でしたっけ?そうそう、コブラ・キャノン!!」

とバイオレントなシーンの思い出話に花が咲き、その後、「ターミネーター」とあわせて無数のエピゴーネンを観続けてきた。

そのリメイク。事前情報としても賛否両論、いろいろあった。

個人的な結論から言えば、「悪くない。」

今回、ロボコップことマーフィーと家族の関係や法的なロボコップの存在意義といった点に比重が置かれており、オリジナルと似て非なる雰囲気をうまく作り出している。

マーフィーの人間顔を再三、出すことで、自己の存在理由を問うロボコップの感情が上手く伝わってくるし、活動時のみ黒いバイザーが降りるシーンに黒いボディ全体がカッコいい。

武装もテイザー主力で大丈夫かと思ったが、オリジナルの2・3みたいに一般犯罪者相手にロケットランチャーまで付けた重武装に比べると、話の展開に説得力がある。

犯罪者データベースとGPSと携帯電話の電波、CCTVの映像を組み合わせた捜査シーンは時代の流れを感じさせるし、無理のないリアリティを感じさせてくれる。今に本当にこうなるんだろうな。

逆に映画として弱いのが、悪役。前作のように絵に描いたような悪役がいないから、どうしても映画としての盛り上がりに欠けてしまう。犯罪組織は早々に、TVゲームのように退治されるし、民間軍事コンサルタントは悪役としての存在理由に弱い。黒幕も動機が寂しいぞ。

さらに芸達者な芸利ー・・・もといゲイリー・オールドマンが頑張りまくるので、彼のシーンが映画の中でバランスが悪い。もう少しマイナー系の役者でも良かったのではないか。

しかし、いたるところで指摘されているようにこの映画の最大の弱点はオリジナルの「ロボコップ」テーマの使い方。80年代を代表する、ベイジル・ポリドリウスのあの名曲をもっと活かさないでどうする。(笑)エンディングでThe Clashの「I fought the law」が流れるのは意味深でいいけど。

ところで、米軍や警察の高度情報化と重武装化を見ていると、映画としてロボコップに対抗できる重火力な犯罪者がなかなか出てこられないので、続編ではウクライナあたりからパワード・スーツでも密輸されないとバランスが取れませんね。(それがなぜ、デトロイト?)







題名:ロボコップ
原題:ROBOCOP
監督:ジョゼ・バジャーリ
出演:ジョエル・キナマン、ゲイリー・オールドマン、マイケル・キートン

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