kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

マッド・マックス:フュリオサ

2024年06月09日 | ★★★★★
日時:6月8日
映画館:イオンシネマ広島


前作「マッドマックス/怒りのデスロード」で主役の一人だった女闘士フュリオサの前日譚。
荒廃した土地で一大帝国を築いていたイモータン・ジョーから健康な若い女性たちを救出しようとした彼女がどのように成長したかが、160分(!)にわたって描かれる。

前作での結末が分かっているだけに話が盛り上がるのかと一抹の不安もあったが、結果的に脚本の巧みさもあって、傑作に仕上がっている。
戦争や資源危機、感染症の拡大など様々な災厄の結果、荒廃したオーストラリア(マッドマックスシリーズで舞台がオーストラリアと明言されたのは初めてかも知れない。)のど真ん中で仲間と一緒に生き延びていた幼いフュリオサは、同地でバイカー集団を率いる無法者ディメンタスに誘拐される。

クリス・ヘムズワースが演じるディメンタス、分かりやすい外見で、残虐非道なふるまいをする一方、妙にこざかしくセコいところもあったりで、過去の悪役とはキャラ造形で一線を画しているあたりがうまい。

ディメンタスはもう一つの勢力であるイモータン・ジョーの支配地を手中に収めんと目論んでいる。フュリオサはディメンタス一味に拉致されるものの、いろいろあってイモータン・ジョーの帝国に紛れ込み、汚らしいみなりでメカニックとして成長を遂げる。

と、巧みな語り口でストーリーが展開し、飽きることがない。前作でも登場した巨大タンクローリー「ウォー・マシン」が再登場し大暴れ。しかも「マッドマックス2」同様のMACK社製!このトラックに限らず、いろんな場面で過去作のオマージュ的シーンが出てくるのは嬉しい。

さらに「デスロード」に続く登場人物が出てきて様々な仕掛けがなされ、脚本がよく練られていることが見て取れる。
ギミック満載の巨大トレーラーが砂漠で爆走し、無法者どもの襲撃を受け、一大カーチェイスになるのはシリーズのお決まり。前作での巨大シーソー棒での襲撃も斬新だったが、今回もそう来るか!と嬉しくなるような襲撃方法も出てくるし、巨大重機との対決も出てくる。アクション監督は天才だな。

さらに上手なのが、【以下ネタバレあり】
シリーズものによくある「結局、同じ展開」とはしていない点。某スペースオペラとか某タイムスリップサイボーグものなど、ラストはほぼ毎回同じ展開で飽きてしまうのだが、本作は前作とはまた違ったテイストのラストを持ってくる。

クリス・ヘムズワースのキャラもいいが、アニャ・テイラー・ジョイのフュリオサも素晴らしい。ほぼ顔は汚れたままだし、坊主頭にもなれば、腕もちぎられる。それらすべてを飲み込んで威圧するかのような目ぢからが印象的だ。間違いなく彼女の代表作になるだろう。

ということで
評価は★★★★★。

ところで副題がMAD MAX SAGAとなっているが、今後もシリーズは続くんだろうか。なかなかキツいハードさだぜ。






題名:マッド・マックス:フュリオサ
原題:FURIOSA:MAD MAX SAGA
監督:ジョージ・ミラー
出演:アニャ・テイラー・ジョイ、クリス・ヘムズワース

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