kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング part one

2023年08月27日 | ★★★★☆
日時:8月25日
映画館:サロンシネマ
パンフレット:880円







毎度毎度、トムくんの派手なアクションばかりが話題になって、敵をだまして事件を解決する「スパイ大作戦」の肝心の面白みが薄味な本M:Iシリーズ。007シリーズほど思い入れはないが、義務的に劇場に足を運んできた。そして、遂に前後編で登場。(パート2はまだ撮影していないらしいので、もしかしたらパート10くらいまであるのかも知れない。)

さて、今回の事件はベーリング海航行中のアカそうな某国の原潜が魚雷の誤発射で自沈。艦内には試験中の最新AIが搭載されていたのだが、海底に沈んだAIが自己を持って暴走し、世界中の情報機関のシステムに侵入して、全世界の情報をコントロールしようとする。このことに気付いた世界中の情報機関はAIをコントロールできる2本の鍵を探して、世界中で暗躍しだし、アメリカ政府もIMFのイーサン・ハントに鍵の入手を命じるのだが・・・

スパイ映画には毎度おなじみのアイテム争奪戦がテーマなのだが、今回、面白いのは敵がAIそのものだという点。ロボットや無人ドローンが登場するわけではなく、AIに見初められた世界破滅型のテロリストがその手足となって立ちふさがる。

長らくスパイ映画の敵役だったソ連と東側諸国がなくなってから・・・なんて思っていたが、映画史的にはすでにスパイ映画に東側が登場した年数より崩壊してからの年数の方が長くなっている。犯罪組織やテロ組織がいくら頑張ってもアメリカの国力に並ぶわけがなく、M:IシリーズもなんとかしてIMF側をピンチにさせようと苦労してきたことが感じられたが、今回の敵AIはアメリカ側を上回る力を持っているのでその辺は説得力がある。

今回は過去シリーズに出てきた女性も多数登場し、ハント君と絡めていくが、M:Iシリーズに出てくる女性はいつも似たような雰囲気なので正直、どの映画で何をしてた役だったか分からない。さらに最近の007同様、「過去に出会った女性とどーしたこーした」と話を別の方向で膨らませるのはやめてほしい。そんな面倒くさいヤツを現場に使うな(笑)

力まかせのアイテム争奪戦が2時間40分続くが、意外と飽きない。ここはやっぱり敵AIの強さがストーリーに上手く活かされて、IMF側が守勢に回っているせいだと思う。

肝心の鍵がどうやって争奪戦の俎上に出てきたのが最大の謎なのだが、その辺はパート2で語られるかも知れないし、そのままスルーさせるかも知れない。それよりこのアイテム争奪戦の構図が「続・夕陽のガンマン」そのままなのは興味深い。パート2のクライマックスはきっと原潜内での三角決闘に違いない。

次のパート2で敵AIに近づくには宇宙から降りるしかないのではないかと思うと、そういえばトムが先日宇宙でロケしたって話がニュースに出ていたような覚えがある。あれはパート2の撮影ではなかったのだろうかと邪推したり。何年先か知らないが、パート2まで今回の映画の内容を覚えておくのが最大の不可能任務だな(笑)

ところで、ローマで女テロリストが激走させる4WD。予告編ではロシアのティーグル装甲車に見えたけど、ちょっと違う。劇中ではイベコ社のリンチェ装甲車っぽくもあったが、後で調べてみたらハマーH2の映画用改造車だったらしい。なかなかそれらしくカッコ良くできており「ダイハード/ラストデイ」の装甲車しかり、派手なカーチェイスを演出するには使い慣れている民生車の改造車の方がいいのかも知れないというのが今回最大の収穫。

最近のM:Iシリーズの中では面白かったので、評価は
★★★★☆







題名:ミッション:インポッシブル/デッドレコニング part one
原題:Mission: Impossible - Dead Reckoning Part One
監督:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、レベッカ・ファーガスン、イーサイ・モラレス、サイモン・ペグ、ヴィング・レイムス
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