kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

トゥモロー・ワールド

2006年11月20日 | 年間ベスト3
日時:11月19日
映画館:バルト11
パンフレット:A4版600円

「CHILDLEN OF MEN」とカッコいい原題が「トゥモロー・ワールド」なんてすぐ忘れそうな身も蓋もないクサイ邦題になったことはさておき、

元々、暗黒近未来ものって大好きで、それを「ドーン・オブ・ザ・デッド」のストライクが作るとなるといやが上にも期待が高まっていたが、

この作品は過去のデストピアものの中でもトップクラスの出来だと思うのが、

「子どもが産まれなくなった近未来」というありえない世界を、細かい描写の積み重ね、例えば暴徒に投石される列車、廃墟と化した学校、野焼きにされる狂牛病の牛、「不法入国者は取り締まりましょう」スローガン、「アフリカに核投下、一瞬にして数百万の死者」が見出しの新聞といったすみずみまで気合の入ったプロダクション・デザインで世界観を一気に身近なものにしている点で、

これだけであとはどんな話でも面白くなってしまう上に、

イギリスの荒涼とした景色にクライブ・オーウェンやジュリアン・ムーアの辛気臭い顔と演技がピッタリで、面白さを倍増させているし、

さらに私は1シーン1カットの長回しが好きなもんで、

「史上最大の作戦」のカジノ攻略戦や「ヨーロッパの解放」の狂ったようなベルリン攻防戦、デ・パルマの「スネーク・アイズ」、スコセッシの「グッド・フェローズ」、ジョン・ウーの「ハードボイルド」2階ぶち抜きなんて見ているだけでワクワクするんだけど、

この技法を多用しながらもそれに溺れることなく、ストーリーに巧みに乗せることでただならぬ緊迫感を生み出しており、

またラストのアクション・シーンは「こう言うのが見たいんだ!」という叫びに応えるかのような、近年稀に見る出来で、

その感動を伝えるためにこんな訳の分からない文章になっちゃって、読んだ方には誠に申し訳なかったけど、

最後に、ところで何でも出演するマイケル・ケインはもしかしたら人類が絶滅してもあと3作品ぐらいは出演しそうでコワイ。
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