8日
待ちに待った大会最終日。
神様からの贈り物かと思うくらい素晴らしいコンディションとなった。
朝7時からインサイドまで、4.0~4.5くらいのサイドショアの風が吹き付け、波も綺麗にラインナップした頭くらいのセットがばんばん入っていた。
実は私にとって今日は2007年の初乗りだった。そこでなんと新年1発目のフォワードが
綺麗に完着したのである。何故だかよく分からないが、なんとなく今日は行けるかも?という予感がした。
8時からスタートしたヒートは順調に消化されていった。
そうそう、今回の大会から、ちょっと前回までのアマチュアの大会とはジャッジ基準が変わった。波乗りに対するポイントが高くなり、その上、ロングライドよりも1発しっかり当て込むライディングを高く評価する。また、ジャンプは完成度を重視し、リカバリーはいくらループをしても限りなく0に近いポイントが付いてしまうのだ。
今大会で注目を集めたのは、ジュニアクラスだ。去年までは私より身体も小さく、みんなかわいいな~♪と思っていたのに、いつのまにか私よりも全然大きいし、ウインドもめちゃめちゃ上手くなっている。フォワード完着は当たり前、エアーだって決めちゃうのだ。彼らから「かなちゃんもジュニアクラス出ようよ~っ」と言われていたが、彼らのヒートを見て「出なくて良かった!」(だって負けちゃうもん!)と思った私だった。笑
スペシャルクラスの選手は、皆、お手本のようなライディングでウインドの技術は勿論、試合運びなど見ていて勉強になるものばかりだった。
ビギナークラスは、毎年、いんちきビギナーが多数出場する。ベスト8にもなると、どう見てもビギナーではない顔ぶれになってくる。フォワードする選手もいるし、波乗りもきっちり決めてくる。今年も例年通り、上位選手はビギナーとは思えない戦いになっていた。
マスタークラス(35歳以上)、このクラスも毎年レベルが高い。ショップオーナーも多数出場し、スペシャル張りの戦いも繰り広げられる。
オープンクラス、ウエイブクラスは下海面で行われ、なかなか見ることが出来なかったが、オープンクラスの優勝者はプッシュループを完着したし、ウエイブクラスの波乗りはさすがだった。
そして、レディース。
レディースはビギナーとオープンの2クラスがあり、どちらも桜キャンプ上がりの選手が多い。そうでなくとも、友達ばかりで、試合をするほうも見ている方もとても楽しい。しか~し、女の戦いは甘くない。なんていったって皆、‘大の負けず嫌い’なのだ。負けず嫌いどうしだから楽しいし、このスポーツを続けられるのだと思うが、試合になるとどういう形であれ一人一人の試合にかける思いは最高潮になる。口には出さなくとも‘優勝したい’と言う思いを持っているはずだ。勝ったら嬉しいし、負けたら悔しい。笑いあり涙ありの大会が繰り広げられた。
今日は、セイルサイズ4.0~4.5、波頭という今シーズン1とも言われる最高の御前崎コンディションだった。この最高というのはエキスパートにとってであって、逆にビギナーにとってはかなりハードなコンディションとも言える。3年前、初めてこの大会のレディースビギナーにエントリーした時、菊川の腰波でもアウトに出られるかドキドキしていた自分を思いだした。ところが今日は、菊川の腰波ではなく、ロングビーチの頭なのだ!ビギナークラスにとってはハードだったに違いない。にもかかわらず、皆、果敢にチャレンジし、アウトに出ていた。レディースビギナーの選手達の頑張りは私たちオープンの選手に大切な何かを思い出させてくれた。
そして、かくいう私はレディースオープンにエントリーしていた。
本当は全員のヒートのレポートを書きたいのだが、自分に精一杯だったため自分中心のレポートになってしまうことをここにお詫び申し上げたい。
今年で3度目のエントリー、前日に「優勝する!」なんて勢いで馬鹿げた宣言をしてしまっていたこともあり、この日はかなり緊張していた。よく「プレッシャーに強そうだね」と言われるが、とんでもない。実はかなりの上がり性だし、肝心なところで気が小さいチキンなのだ。。。レディースオープンには技術も経験値も私よりも上の先輩方が沢山いる。その中で、優勝しようってのが無理な話かもしれないが、私はこの1年、そのためにフォワードループを練習してきた。とにかく回って回って回りまくった。まだまだ完着率は低いが・・・
レディースクラスで差を付けるのはフォワードの完着だと思っていたからだ。
ヒート前は相変わらず、緊張しまくっていたが、‘波乗り2本、ジャンプ2本をきちんとそろえる’それだけは意外と冷静に考えていた。
運にも味方され、何とか勝ち上がることができ、いよいよ生まれて初めての全日本のファイナルへと駒を進めることが出来た。
対戦相手はモリジュンさん。彼女の平日の顔は八王子の小学校の先生だ。昨シーズンは野口プロ主催のF-WAVEで一緒に練習し、夏の間は一緒に外房やら茨城やら毎週毎週風の吹くところで顔を合わせては一緒に練習してきた。彼女のウインドに対する熱い思いや、努力を間近で見ていたので、ファイナルで会うことが出来たとき本当に嬉しかった。
ここまで来たら、やれるだけのことを思い切りやるしかない!そう思って臨んだヒートは凄く楽しかった。なんていったって広いロングビーチを2人だけで乗り放題なのだ。これほどのご褒美は他にない。夢中で飛んで、夢中で波に乗った。これで負けても悔いはない、そう思えた。
16時から表彰式というアナウンスが流れた。それまで乗ろうかと思ったが、3日間サポートしてくれた父に道具を貸すことにした。初めて父のためにセイルを張った。(と、書くと格好良いが、セイルが散らかりっぱなしだったので片づけなくてはならなかったのだが。。。)
そして、時間はあっという間に過ぎて行き、16時になった。
まずレディースビギナー、優勝・あきこ(がんも)さん、準優勝・せいこさん、本当におめでとうございます。
表彰式は、レディースビギナー、ビギナー、ジュニア、マスターと進み、いよいよレディースオープンの番となった。
全日本は、毎年、表彰式までファイナリスト2人のうちどちらが優勝したか分からないようになっている。表彰式で、ヘッドジャッジの佐藤宏美氏(シマー)がファイナリストの手を掴み、優勝者の手を挙げる。緊張で、この数十秒がとてつもなく長く感じた。
「レディースオープン優勝は・・・・・・・・・鈴木香南選手~っ」
清板さんの声が、まるで夢のようだった。本当に本当に嬉しかった。
生まれて初めて立った表彰台から見えるロングビーチの夕日と応援してくださった全ての方々の笑顔は一生忘れられない私の宝物となった。
私はまだ、経済的にも精神的にも自立できていないただの高校生だ。自分の力じゃ、道具も買えないし、車も運転できないから海にすら来られない。そんな私が、ウインドサーフィンをして、大会に出れるということ自体、本当に幸せなことだ。私の力では絶対に今日の優勝は無かった。私を理解して応援してくれる家族、道具のサポートをしてくださっているローカス、今日サポートしてくださった先輩方、いつもウインドを教えてくださる先輩、ウインドサーフィンのつながりを私に与えてくれたサクラキャンプ、そして私を応援してくださる全ての方々に、言葉に出来ないほどの感謝の気持ちをこの場を借りて述べさせていただきたい。そしてこれに奢らず、常に謙虚な気持ちでこれからも努力していきたいと思う。なかなか上達しないこのスポーツだが、来年の今頃、去年よりはちょっとはましになったかな?!と思えるように。
最後になってしまったが、3日間、無事に大会を開催出来たこと、素晴らしいコンディションに巡り会えたことを感謝したい。7年連続で成立しているウエイブの大会なんて無いだろう。このアマチュアウエイバーの祭典がいつまでも続くことを祈ってこのレポートを終わらせていただこう。
私のつまらないレポートを最後までお読み下さりありがとうございました。
sakura campのHPに写真付きでmakiさんがアップしてくださりました。お時間のある方はそちらも目を通していただければ幸いです。
http://sakuracamp.girly.jp/07alljapan/07alljapan.html
待ちに待った大会最終日。
神様からの贈り物かと思うくらい素晴らしいコンディションとなった。
朝7時からインサイドまで、4.0~4.5くらいのサイドショアの風が吹き付け、波も綺麗にラインナップした頭くらいのセットがばんばん入っていた。
実は私にとって今日は2007年の初乗りだった。そこでなんと新年1発目のフォワードが
綺麗に完着したのである。何故だかよく分からないが、なんとなく今日は行けるかも?という予感がした。
8時からスタートしたヒートは順調に消化されていった。
そうそう、今回の大会から、ちょっと前回までのアマチュアの大会とはジャッジ基準が変わった。波乗りに対するポイントが高くなり、その上、ロングライドよりも1発しっかり当て込むライディングを高く評価する。また、ジャンプは完成度を重視し、リカバリーはいくらループをしても限りなく0に近いポイントが付いてしまうのだ。
今大会で注目を集めたのは、ジュニアクラスだ。去年までは私より身体も小さく、みんなかわいいな~♪と思っていたのに、いつのまにか私よりも全然大きいし、ウインドもめちゃめちゃ上手くなっている。フォワード完着は当たり前、エアーだって決めちゃうのだ。彼らから「かなちゃんもジュニアクラス出ようよ~っ」と言われていたが、彼らのヒートを見て「出なくて良かった!」(だって負けちゃうもん!)と思った私だった。笑
スペシャルクラスの選手は、皆、お手本のようなライディングでウインドの技術は勿論、試合運びなど見ていて勉強になるものばかりだった。
ビギナークラスは、毎年、いんちきビギナーが多数出場する。ベスト8にもなると、どう見てもビギナーではない顔ぶれになってくる。フォワードする選手もいるし、波乗りもきっちり決めてくる。今年も例年通り、上位選手はビギナーとは思えない戦いになっていた。
マスタークラス(35歳以上)、このクラスも毎年レベルが高い。ショップオーナーも多数出場し、スペシャル張りの戦いも繰り広げられる。
オープンクラス、ウエイブクラスは下海面で行われ、なかなか見ることが出来なかったが、オープンクラスの優勝者はプッシュループを完着したし、ウエイブクラスの波乗りはさすがだった。
そして、レディース。
レディースはビギナーとオープンの2クラスがあり、どちらも桜キャンプ上がりの選手が多い。そうでなくとも、友達ばかりで、試合をするほうも見ている方もとても楽しい。しか~し、女の戦いは甘くない。なんていったって皆、‘大の負けず嫌い’なのだ。負けず嫌いどうしだから楽しいし、このスポーツを続けられるのだと思うが、試合になるとどういう形であれ一人一人の試合にかける思いは最高潮になる。口には出さなくとも‘優勝したい’と言う思いを持っているはずだ。勝ったら嬉しいし、負けたら悔しい。笑いあり涙ありの大会が繰り広げられた。
今日は、セイルサイズ4.0~4.5、波頭という今シーズン1とも言われる最高の御前崎コンディションだった。この最高というのはエキスパートにとってであって、逆にビギナーにとってはかなりハードなコンディションとも言える。3年前、初めてこの大会のレディースビギナーにエントリーした時、菊川の腰波でもアウトに出られるかドキドキしていた自分を思いだした。ところが今日は、菊川の腰波ではなく、ロングビーチの頭なのだ!ビギナークラスにとってはハードだったに違いない。にもかかわらず、皆、果敢にチャレンジし、アウトに出ていた。レディースビギナーの選手達の頑張りは私たちオープンの選手に大切な何かを思い出させてくれた。
そして、かくいう私はレディースオープンにエントリーしていた。
本当は全員のヒートのレポートを書きたいのだが、自分に精一杯だったため自分中心のレポートになってしまうことをここにお詫び申し上げたい。
今年で3度目のエントリー、前日に「優勝する!」なんて勢いで馬鹿げた宣言をしてしまっていたこともあり、この日はかなり緊張していた。よく「プレッシャーに強そうだね」と言われるが、とんでもない。実はかなりの上がり性だし、肝心なところで気が小さいチキンなのだ。。。レディースオープンには技術も経験値も私よりも上の先輩方が沢山いる。その中で、優勝しようってのが無理な話かもしれないが、私はこの1年、そのためにフォワードループを練習してきた。とにかく回って回って回りまくった。まだまだ完着率は低いが・・・
レディースクラスで差を付けるのはフォワードの完着だと思っていたからだ。
ヒート前は相変わらず、緊張しまくっていたが、‘波乗り2本、ジャンプ2本をきちんとそろえる’それだけは意外と冷静に考えていた。
運にも味方され、何とか勝ち上がることができ、いよいよ生まれて初めての全日本のファイナルへと駒を進めることが出来た。
対戦相手はモリジュンさん。彼女の平日の顔は八王子の小学校の先生だ。昨シーズンは野口プロ主催のF-WAVEで一緒に練習し、夏の間は一緒に外房やら茨城やら毎週毎週風の吹くところで顔を合わせては一緒に練習してきた。彼女のウインドに対する熱い思いや、努力を間近で見ていたので、ファイナルで会うことが出来たとき本当に嬉しかった。
ここまで来たら、やれるだけのことを思い切りやるしかない!そう思って臨んだヒートは凄く楽しかった。なんていったって広いロングビーチを2人だけで乗り放題なのだ。これほどのご褒美は他にない。夢中で飛んで、夢中で波に乗った。これで負けても悔いはない、そう思えた。
16時から表彰式というアナウンスが流れた。それまで乗ろうかと思ったが、3日間サポートしてくれた父に道具を貸すことにした。初めて父のためにセイルを張った。(と、書くと格好良いが、セイルが散らかりっぱなしだったので片づけなくてはならなかったのだが。。。)
そして、時間はあっという間に過ぎて行き、16時になった。
まずレディースビギナー、優勝・あきこ(がんも)さん、準優勝・せいこさん、本当におめでとうございます。
表彰式は、レディースビギナー、ビギナー、ジュニア、マスターと進み、いよいよレディースオープンの番となった。
全日本は、毎年、表彰式までファイナリスト2人のうちどちらが優勝したか分からないようになっている。表彰式で、ヘッドジャッジの佐藤宏美氏(シマー)がファイナリストの手を掴み、優勝者の手を挙げる。緊張で、この数十秒がとてつもなく長く感じた。
「レディースオープン優勝は・・・・・・・・・鈴木香南選手~っ」
清板さんの声が、まるで夢のようだった。本当に本当に嬉しかった。
生まれて初めて立った表彰台から見えるロングビーチの夕日と応援してくださった全ての方々の笑顔は一生忘れられない私の宝物となった。
私はまだ、経済的にも精神的にも自立できていないただの高校生だ。自分の力じゃ、道具も買えないし、車も運転できないから海にすら来られない。そんな私が、ウインドサーフィンをして、大会に出れるということ自体、本当に幸せなことだ。私の力では絶対に今日の優勝は無かった。私を理解して応援してくれる家族、道具のサポートをしてくださっているローカス、今日サポートしてくださった先輩方、いつもウインドを教えてくださる先輩、ウインドサーフィンのつながりを私に与えてくれたサクラキャンプ、そして私を応援してくださる全ての方々に、言葉に出来ないほどの感謝の気持ちをこの場を借りて述べさせていただきたい。そしてこれに奢らず、常に謙虚な気持ちでこれからも努力していきたいと思う。なかなか上達しないこのスポーツだが、来年の今頃、去年よりはちょっとはましになったかな?!と思えるように。
最後になってしまったが、3日間、無事に大会を開催出来たこと、素晴らしいコンディションに巡り会えたことを感謝したい。7年連続で成立しているウエイブの大会なんて無いだろう。このアマチュアウエイバーの祭典がいつまでも続くことを祈ってこのレポートを終わらせていただこう。
私のつまらないレポートを最後までお読み下さりありがとうございました。
sakura campのHPに写真付きでmakiさんがアップしてくださりました。お時間のある方はそちらも目を通していただければ幸いです。
http://sakuracamp.girly.jp/07alljapan/07alljapan.html