水彩画 備前堀スケッチ

遠くに見える赤い看板は、あの有名な洋品店「しまむら」。
自宅近くでは、これが一番大きな店だ。
「ウーン…すごい」




小さな橋の上から描いた。
少し歩こう…と舗装道路を歩いた。
この辺りは、農地整備で農道は広げられて舗装されている。
元は農道だから、車なんか1時間に数台走るだけの道。
小さな交差点があり、左の道からお兄さんが自転車で走ってきた。
交差点の向こうから、小さなパトカーがきた。
「自転車に乗っている人、止まりなさい」
警官が1人降りてきた。
「今、道の右側を走って右折したでしょ」
「…」
「自転車は左側を走って、右折するときは直角に曲がるの…」
「…うっせなー…」
「タバコくさいな…吸ってたろ？」
「身体検査したらいいだろ」
「名前は？」
「こんな所で、尋問かよ！何調べるんだ！」
「いいから名前と住所」
「…バカじゃねえの…」

私は、そんな光景を横目で眺めながら農道を歩いた。
パトロールの警官も、タヌキか自転車のお兄さんくらいしか、職務質問する相手がいないのかな。
少し歩いて振り返ると、ミニパトは見えなかった。
元農道をパトロールしても、犬を連れた散歩のばあさんくらいしか歩いていない。
（それと私も同類）
お兄さんが自転車で…珍しいこと。
「オリャ！ 怪しい…と思ったんでしょうね」