トットットッ散歩（１）

登山犬になる星の下に生まれたマロは、日々厳しい訓練を行っている。
「マロ、散歩に行くぜ」
「……」
「返事せい！」
「ワン」
「声が小さい！」
「ワン」
「気合を入れて！」
「ワン ワン ワン…
うるせえクソオヤジ」
「何か言ったか？」
「イイエ…耳がいいナー」

てなことで、やって来ました福川へ～♪～♪。


「こんな朝早くから…バカみたい」


「どーだ。菜の花は…タンポポも咲いてるぜ…♪♪♪」
「どーでもいいけんど、こっちはタンポポなんか興味ないの…骨なんか落ちてないかな？」


「さぁ　やったるでー。レッツゴー…行け！」


「トットットッ…もういいですか？」
「まだまだ…ゴーゴー、レッツゴー」
「アホだがな、このオヤジ、トットットッ…」


「ヨーシ戻って来い」
「やれやれ」
「今度は反対方向にレッツゴー」
「ヒェー、トットットッ、バカオヤジに付き合うのも大変だー」


この福川堤は明治（間違い：大正末期～昭和初期）以後、人の手が入っておらず、昔ながらの自然環境が保たれている所。。
この堤に咲くのは日本タンポポ
近年では珍しくなった日本タンポポがビッシリとある。







「ヒーハー、ヒーハー…」
「どうしたマロ？タンポポの話は分かったか？」
「こっちは、それどころじゃないよ…クチョー」