金沢発 あれやこれや

-ヒントをくれる存在に感謝しつつ物語をすすめます-

混乱の増すグリーン調達事情28

2020-10-09 01:04:50 | グリーン調達
《欧州 廃棄物枠組み指令(WFD)》

欧州では題記法律の新しい取組みがまもなく
発効し、成型品中のSVHC含有情報を
吸い上げて保管するデータベースができる
らしい。SCIPという。

目的のひとつは、SVHCが廃棄品リサイクルの
流れにのって、再生材として還元することを
避けること。このために、SVHC含有場所を
指し示す製品内部構成図も登録する。

韓国RoHSでも述べたが、リサイクル業者
のする分解にも限度がある。法律編纂者は
まずそれを学ぶことが先とわからなければ
ならない。
     *****
日本企業の製品含有物質管理担当者が
入口、つまりレシピ材のデータで完成品
管理をすることに、なんの疑問も持たない
ことを不思議に思っていたが、理由は
思いつけなかった。

RoHS指令の制限物質を危険物質と誤解した
のに加え、そんな危険な物質が製造途中で
混入することはまず起こらないから、
入口段階のデータで確認して済ませられる
と発想したのかも。

建物のなかには家電製品の他にもいろんな
物があり、それらは同じように含有規制
しないのに、なぜ家電だけ規制するのか
と思えたら、あれっ何か変と普通の感覚
なら気付けるはずだが。

RoHSで追加制限されたフタレート4品目
は、移行汚染の可能性が高いので、製造
プロセスを無視するのはまずいし、
完成後の製品を分解して分析しないと
証拠にならない。

なんにしろ、よほどうっかりか、ある程度
ものぐさでないと思いつかない行為である。

SGS社が発効する分析データは、最後の
ページに試料写真が掲載される。

その写真に、容器にはいった粉とか、
液体など、明らかに工程に持ち込む前の
レシピ材とわかるものが写ってると、
海外有名メーカー担当者は、この分析は
おかしい。我々をうそサンプルで
ごまかそうとしてないかと激怒する。

メーカーも、販売先を広げるために
分析データを審査で求めるRoHS同等法
を運営する地域への進出を考えており、
とても真剣です。お客さまの立場に
立っておれば、入口管理で済ます
発想はでてこない。
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混乱の増すグリーン調達事情27

2020-10-04 22:04:58 | グリーン調達
《韓国のRoHS指令は罰金で尻たたかれる》
7/4に電気・電子製品にフタル酸などの有害物質の
使用制限拡大の通知がでた模様。来年から導入。

良い特徴は、
①欧州RoHSと同じ10アイテムの制限物質指定は、
輸出比重の大きい韓国にとって良い方向
②他国はRoHS指令の目的を読み取れなかったが、
韓国はリサイクル推進と明確に押し出している。
10アイテムはリサイクルを妨げる物質と説明
されており、目的と手段は本家EU-RoHSと同じ。
意味不明の活動に大金が注がれ、効果不明の活動に
陥る恐れを排除している。

きついのは、リサイクル目標を数字で設定させ、
未達の場合にメーカーに罰金を払わせること。

そもそも、リサイクルにつなげるには、廃棄家電の
どこにどんな部品、材料が使われてて、その内部
構造と各部位に含まれる物質の情報が、リサイクル
処理する担当者に伝達されてないと実現できないが、
いまだそんな情報は解体現場に渡ってないと
私は推測してる。

リサイクル業者は、買取業者が
買ってくれない物質目当ての分解は一切しない。
しごく当たり前の真実。損する解体はしない。
おおまかに分解し、プリント基板まわりは
貴金属目当てに溶かすことしかしない。

米粒より小さな部品をミクロン単位で
分解することは解体現場では行わない。
分解すること自体がほぼ不可能だし、
そんなカスのようなものを買い取る
業者はこの世にいない。新品よりも
リサイクルするほうが高くつく。
ここまでの想像ができない人が
キーマンに多すぎて収拾できる人
がいない混乱が継続してる。

政府は罰金を課す以上、リサイクル目標値を現実
目線で設定するという、世界でどの国も経験して
いない仕事に直面するのだろう。

その展開と、そのことが各国のRoHS同等法に
与えるだろう影響には少し興味あり。
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