金沢発 あれやこれや

-ヒントをくれる存在に感謝しつつ物語をすすめます-

ビトロス8世の日記 作者あとがき

2021-12-20 20:58:05 | 天空の戦い
まだよちよち歩きの私のブログ小説を訪問していただきありがとう
ございます。表現の行き届かないところ多々あり、読んでいて
つっかえたりいらいらするか思います。ごめんなさい。
読んでいただき本当にありがとうございました。

特に説明していませんが、地球王子はラストシーン以外は
最初からずっと小学6年生の姿です。動画にすると感動する
まじめなシーンでさえ多少のこっけいさを伴うはずです。
それが文章に書ききれていないところがまだ未熟です。

---以下くどい話ですがつきあえる方はご覧下さい----

当作品はスペースオペラに属します。
SFの匂いを漂わせつつも科学的根拠にこだわることなく、
話は自由に展開します。そこが魅力です。

日本のとある家の飼い犬に奇想天蓋な事件が起こると
したらどんなことだろうとの発想から出発しました。

ストーリーには地上に転生する神の魂の宿り先に
自分の身体を提供する者(地球王子)が登場します
人間の身体は宿った魂に使われる道具なのではなく、
身体そのものも実は心を持っているという発想は
それを暗示する夢を何度か見ておりそこからでました。
その夢とはまさしく光太郎の見た夢です。
この要素は話に入れたいと思いました。

私はエドモンドハミルトン作のキャプテンフューチャー
シリーズに登場する機械人間とアンドロイドのかけあいが
好きでして、スト-リーに幅をもたせるために
こたつとらいぞうの凸凹コンビの登場は必然でした。
冬のつむじ風を見てこたつという変なキャラクターが
いたなと思い出していただけたら幸いです。

(初稿: 2007-03-21 21:06:00)

※主人公はビトロスと名付けました。WHOの事務局長の
テドロスさんも第8代らしい。2007年に書いたので偶然です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビトロス8世の日記24-こたつの日記「兄弟」-

2021-12-18 22:14:19 | 天空の戦い
≪ビトロス8世の日記24-こたつ日記「兄弟」-≫

-地球壊滅の危機から数年後-

小高い山すそにひろがるゆるやかな丘陵
その丘一面に広がる麦畑に日の光がたっぷり注いでいる。
小道を子供たちが歩いてきた。
ひとり、またひとりと家路につき、少年が二人残った。
麦畑のなかをときおりふざけあって歩いていたが
まもなく互いにあいさつをして分かれた。

片方の少年は足をとめて、帰っていく相手の姿が
見えなくなるまで麦の影から見つめていた。
その後、少年は畑の中をつっきって走り出した。
それはすぐさま人の目で追えないほどの速さになり、
やがてひと筋の光となった。
少年は青色のひょうと化していた。

ひょうはやがて一帯が見渡せる丘の上にたどりつき
そこに座った。そこには小さなつむじ風と雲が待っていた。
地球王子の従者である。

「王子、明日はいよいよ学校の入学式ですね」

「そうだな。これから本格的な集団生活が始まる。
 ビトロスが地球で人間に転生して生きていく第一歩だ。」

「ここは良いお友達がたくさんいるので大丈夫ですよ」

「そうだな。まず友達だな。」
(らいぞうも友達の言葉にうなづきました)

「それはそうと、星として壊滅した記憶を思い出したこと
 は心の傷になっていないのでしょうか。」

「大きなショックなので簡単にはぬぐえない。
 だが、今後は少しずつ強くなるようがんばると言ってる。
 自分の衛星ぼしのことをすごく気にしていたんだが
 その星も地球の2番目の月となり安心しているそうだ。」

「犬族の魂に星の魂が宿り、その星がさらに自分の衛星だった
 星の魂を携えていたわけですね。」

「それはそうと、今日は昼間から月がよく見える。
 お前たち、格好悪くなってないか見てくれ。
 参考意見というのは大事だからな。」

指さす方向に、昔からある月に並んで地球の2番目の月が
くっきりと浮かんで見えていた。クレーターひとつない美しい星であった。
王子が巨大隕石の残骸を衛星に作り変え、ベルーガ星の衛星の魂を宿させていた。

「王子は兄弟ができて本当にうれしそうだね。
 いままでずっとひとりぼっちだったから。」
(らいぞうが本当にうれしそうとうなづきました)

月を眺めながら、王子は不思議な声を思い出していた。
絶対絶命と思ったあの瞬間に、自分になにかが語りかけた。

「地球王子。私は〇〇様の使いの者です。」
「すべてをこちらに委ねておまかせください。修正を始めます。」

いつのまにか王子の目は深宇宙を見ていた。


◆おわり◆

(初稿: 2007-03-20 21:02:23)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビトロス8世の日記23-こたつ日記「星になる」-

2021-11-29 22:55:42 | 天空の戦い
≪ビトロス8世の日記23-こたつ日記「星になる」-≫
「俺に今なにができる。」

「うわぁ」
突然、隕石の重力が増して数千もの犬族の霊は次々と
地中に吸い込まれて消えていった。
侵略者が隕石に作った基地も重力に押しつぶされて
あとかたもなくなった。

「こたつとらいぞうは俺の作るフィールドにはいれ。
 これは自然現象ではない。警戒しろ。
 くそ。俺の制御空間でこれほどの現象を起こすとは上等だ。」

-ついに星が誕生を始めました-
-星の出現をくいとめる方法がひとつだけあります-
-あなたも星化して彼の星化の進行を止めるのです-

「俺はつい今しがた初めてレベル4になったばかりなのに、
 いきなりレベル5(星化)だなんて。
 さすがの俺も心の準備がない。」

-太陽系の星々はあなたの星化を認めました-
-皆応援しています。自分の使命と受け取り前に進みなさい-

「くぅ-。腹を決めるか。
 平和な状態での星化を夢みていたのにな。
 風神と雷神よ今までありがとな。ここでお別れだ。」
「王子。私たちはずっと王子にお供します。
 どうぞ連れて行ってください。」
「わかった。じゃ俺の腕に宿れ。
 右に風神、左に雷神。
 三人でビトロスを助けにいくぞ。」

「アマテラス。神剣をあずかってくれ。危険なので
 防衛軍を率いて地球まで下がっておくように。」

王子は神剣を投げ、アマテラスの手に渡った。

「ふっ。防衛隊全員に告ぐ。我がフィールド内に非難せよ。
 これから神剣を使って我が最大のシールドをはり地球を守る。」

隕石上に巨大な輝きが出現し、まぶしくきらめいたかと思うと
その輝きは隕石のなかに消えていった。
まもなくして隕石表面は崩壊し、黒く極小化したあと
まぶしく輝きはじめた。

「ふっ、ここで消え行くのが定めならば。
 最後にひと花咲かせてからまいりましょう。」
アマテラスは星からの強力な放射に対抗すべくシールドに
ありったけの力を込めた。

(初稿 2007-03-18 10:58:20)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビトロス8世の日記22-我が星仲間-

2021-11-18 22:29:30 | 天空の戦い
≪ビトロス8世の日記22-我が星仲間-≫
ビトロスは気がつくと薄暗がりの中浮かんでいた。

暗くて気づくのが遅れたが、
離れた所に人がぽつんぽつんといることがわかった。
その顔は初めて見る人ではなさそうだった。
なぜか懐かしい気持ちがしたからだ。
皆自分のことを悲しげに見つめていた。
ひどく泣いている人もいた。

ふと気づくと自分のそばに幼い子供がいた。
その子も泣いていた。
抱きかかえようと手を伸ばした時
突然、自分の身体が中心からくずれ始めた。
身体が音をたてて崩壊していく。
自分の身体のかけらが子供にぶつかってしまい
その子も同じくくずれていった。
私は懸命に手をのばしてささえようとした。
しかしどうすることもできなかった。

さきほど見つめていた人たちの声が聞こえた。
-***しっかりして-
-***大丈夫かい-
-***-、-***-、-***-

ああ、思い出した。この人たち。この配置。
長きにわたりシステムをささえてきた星仲間。
かけがえのない家族だ。

思い出した。
我が名はベルーガ。
この星系の星のひとつだ。
今やっと思い出した。
(初稿 2007-03-14 20:12:53)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビトロス8世の日記21-こたつ日記「犬族に宿った星」-

2021-11-11 22:23:05 | 天空の戦い
≪ビトロス8世の日記-こたつ日記「犬族に宿った星」-≫
「・・しようがない。携帯を渡してくれ。もしもし。」

-久しぶりにお話しますね。-
-事態は重大局面にさしかかりました。-
-あなた達の仲間ビトロスの過去について
 ビジョンを送ります。まずそれを見てください。-

ビジョンを見たあと王子はしばらく唖然としてました。

私とらいぞうをゆっくり見つめたあと電話に答えました。
「ビトロス。いや、この隕石の母体である星の魂は
 侵略者から攻撃をうけ星が壊滅したあと、星にいた生き物の
 霊をこの地球にひきつれて来たというのか。」

-星の魂は犬族をはじめとする全てのさまよえる霊を地球に
 転生させる仕事に尽力しました。しかし長きにわたる
 その仕事が完了した後、行方しれずとなりました。-
-今回の隕石が接近した際、やっと行方が分かりました。
 犬族の勇者の心に潜み暮らしていたのです
 星のかけらである隕石が接近したことで
 魂が覚醒しだしたのです。それでわかりました。-
-よく聞きなさい。-
-星の魂は、かつて母体だったかけらに反応しています。
 まもなく星の誕生が始まります。
 そうなると地球上の生命が死に絶えるだけではなく、
 太陽系全体の惑星運行に多大な影響がでます。
 私や月はその星に飲み込まれるでしょう。
 この未曾有の危機を救えるのはあなただけです。-

「えっ、この俺に今なにができる。」

-あなたしか救うことはできません。-

(初稿 2007-03-10 14:29:08)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビトロス8世の日記20-故郷の記憶-

2021-10-14 22:32:48 | 天空の戦い
≪ビトロス8世の日記20-故郷の記憶-≫
王子「おーい。ビトロスはどこに行った。」
風神「ほてりを冷ましに散歩に行かれました。らいぞうがビトロスさんが凄かったとうるさいです。」
王子「確かに凄く活躍したな。頑張った。」

老人「そこの者たち。」
王子「なんだいきなり。どこのじいさんだ。」
老人「私は犬族の長老じゃ。そなた達は勇者ビトロスの従者か。」
王子「勇者ビトロス?ビトロスは仲間にはちがいないけど、なんだい。」
老人「侵略者からこの星をとりかえしてくれたことを感謝して今から勇者を囲んで祝宴を開くのじゃ。そなたたちも加わってくだされ。」
王子「今、星と言ったがどうみても星のかけらだ。なぜそう呼ぶのだい。」
老人「この隕石は我々のふるさとであった星のかけら。侵略者によって破壊された星の残りです。
  勇者ビトロスは侵略者との最期の戦いに参加していました。我々は勝てませんでした。
  その後、侵略者は星の残りを改造してこの星系に送り込みました。
  まさか勇者が帰還して平和をとりもどしてくれるとは。なんとめでたいことか。
  さあ、いっしょに祝ってください。」

大歓声の中、王子がビトロスに近づいてきてることは、ビトロスには不思議とはっきりわかった。
だが、その意識はもう消えかかっていた。

「お-い、ビトロス。祝宴に加わりにきた。」

王子のその言葉を聞いたあと、ビトロスは気を失った。そして隕石に吸い込まれるように消えたという。

「なんだ、ビトロスはどこにいった。まわりを探せ。」
「ビトロスに何が起こったんだ。」

プルル、プルルルル

「王子。」
「何だ。」
「電話です。」
「今忙しい。聞いといてくれ。」
「地球さまより王子にお電話です。」

(初稿 2007-03-06 09:13:45)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビトロス8世の日記19-勇者の帰還-

2021-09-27 23:37:17 | 天空の戦い
≪ビトロス8世の日記19-勇者の帰還-≫
「王子、終わったとはどういうことですか。」私は聞いた。
「どういう訳か、俺のレベル4解除が今なされた。この一帯は全て自分の管理下にはいった。
 機雷群をはじめ敵基地の機能は直ちに停止させた。戦闘が終わり危機は去った。」
「任務達成おめでとうございます。」
「ビトロスもご苦労だった。あとの始末は防衛隊がするだろうからひとまず休んでいいぞ。」

私は隕石に降り立った時からほてりを感じていた。
身体を冷まそうとまわりを歩き始めた。
少し歩いたとき、突然誰もいなかったはずの辺りから大きな歓声が聞こえてきた。

「我らの勇者ビトロスが侵略者から星を守ってくれた。ビトロス万歳。」

ぼおっとしてたが、一瞬、我に返って見渡すと何千もの犬族が自分をとりかこんでいた。

「我らの勇者ビトロスがふるさとを敵から守ってくださった。ビトロス万歳。」

そんななかも身体のほてりはおさまらず、逆にエスカレートしていった。
身体がだるくなったのでついには地面に座り込んでしまった。

-懐かしい顔がぽつぽつ見えるが、皆は霊体か。
 なぜここ(隕石)にこれほど大勢の犬族が宿っているのだろう。-

「ううっ」
身体のほてりが更に高まってきていた。しかし、不思議と苦しくなかった。心地よさで満ちていた。
(初稿 2007-03-03 22:21:30)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビトロス8世の日記18-突破-

2021-09-21 19:38:30 | 天空の戦い
≪ビトロス8世の日記18-突破-≫
総大将アマテラスが復帰し士気のあがった防衛隊は再び攻撃を強めた。
ところが、静止しているかと思うと生き物のように自在に隊列を
変える機雷群に手を焼き、突破口をなかなか見いだせない。

「かき乱してすき間をあける。フィールドで保護しているから重力でぺちゃんこになることはないが、目を回すなよ。」

私たちは、それを上回る速さで機雷群をかき乱し始めた。王子は太刀から数百キロもの長さの宇宙雷をいく本も放った。

「ようし、これで決める。」

王子は太刀にダイヤモンドを浮かびあがらせた。

「ダイヤモンドストーム。」

まわりに数え切れない数の大粒ダイヤからなる竜巻が起こり、機雷群へ向かって飛んだ。

「突っ込むぞ。ダイヤモ・・」

突然、ビジョンが頭の中に浮かび、ビトロスの視界をさえぎり、まわりの音も遮断した。
青い地球ではない、緑色の巨大な星が見えていた。懐かしさがこみあげてきて自然と声がでていた。
気づくと、太刀の柄にエメラルドが浮かび、形も変わっていた。
「こ、これは、ご先祖が神様から賜ったという宝刀・・」

「星たちよ力をくれ。ダイヤモンドレイン。」

王子の太刀に太陽系の星からの力が加わり、強烈な光とともにダイヤの雨が恐ろしい速さで機雷群に降りかかった。

時を同じくしてビトロスの太刀にも同様に宇宙からエネルギーが飛びこんできていた。

「エメラルドブレス。」

切っ先からすべてを停止させる一閃が放たれ、追いかけてきた機雷はすべて動きを止めた。

王子の最後の一撃で機雷群に穴があき、一行は隕石表面にたどりついた。

着地したあとに王子が言った。
「終わったな。」
続いて風神が言った。
「終わりましたね。」
(初稿 2007-03-01 21:04:37)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビトロス8世の日記17-アマテラス起床-

2021-09-13 20:03:03 | 天空の戦い
≪ビトロス8世の日記17-アマテラス起床-≫
「光太郎、いつまで寝てる。とっとと起きやがれ。そらっ、天使達ようまく受け取れ。」
王子は頭上に手をまわし、何かをむんずと掴み、そのまま前にむけて投げた。
私はうしろ向きの体制で、顔を一生懸命向けて見た。
なんとそこには王子と瓜二つの子供がいた。

「起きろ光太郎。非常事態だ。」
とろんとしたその子の目が次第にしっかりしてきた。
最初に王子を見、しばらくして王子と私を代わる代わる見て、もう一度王子をまじまじと見たあと絶句した。
「ぎゃっ」
泣き出した子供は無事天使に受け止められた。

「天使よ、その子の世話を頼む。俺達はこれから巨大隕石に突撃する。離れているように。」
「わかりま」

天使の返事が途中でとぎれた。まわりの雰囲気が一変したからだ。
そこにはもう小6の子供の姿はなかった。

「私を放り投げたのはこれで何回目ですか。王子。これが保護者のすることですか。
 あなたはいつもいつも、キィィィ--」
「あまり興奮するなアマテラス。寝ている地球人を全部起こす気か。」
「ふっ、まあ多少憤慨してますが怒ったふりですよ。
 ふっ、状況は把握しました。大将として部隊を指揮し立て直します。
 ふっ、ぷっなんで犬族を背負っているのか。
 詳しく聞いてる時間も無いようです。耐炎熱のおまじないを私からかけておきましょう。
 ふっ、では気をつけて。」
「おう、いってくるぞ。」

私達はアマテラスと別れ、再び隕石へ向かった。
(初稿 2007-03-01 21:04:16)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビトロス8世の日記16-竜の鎧-

2021-09-04 23:52:32 | 天空の戦い
≪ビトロス8世の日記16-竜の鎧-≫
「この太刀は太陽系に伝わる業物でな、このままでも
 剛剣なんだが、持ち主の力量に共鳴して最も合う
 かたちに変化してくれる。まあ、使ってみな。」

巨大竜は、物語で聞くようなゆったりした動きとは異なり、機敏な動きで機雷の間を飛びかった。
王子ははじけるような太刀の一振で機雷をまとめてつぶしていき、私は太刀からはなつ衝撃波で敵船をけん制した。

飛び交う破片と閃光のなか、遠い昔の母星での最終戦争の
情景がふいにフラッシュバックしてきて、そのとき握り
しめていた宝刀の感触を思い出していた。
「そういえばどんな太刀だったかな・・」

地球残存部隊は、地球王子チームの加勢もあり機雷の海を突破するかに見えた。
しかし、その兆しが見えかけた時、当初の倍の機雷が隕石から出てきた。
「一旦退却。このままでは機雷に囲まれる。」
我々は月まで後退した。

「物量で圧倒的し、防衛軍を退ける作戦だな。
 順番に片付けている時間はもうない。
 よし、ここはアーマー化してシールドを高めてつっきるぞ。」
「王子、アーマー化は久しぶりです。あれ以来。」と風神龍。
「ああ、あれ以来だ。」
(足元の雷神竜が風神龍の言葉に頷いているのが私にもわかった)

「ビトロスよ。こっちにきて並んで立ってくれ。」
そう言われて並んだとたん、一瞬、周りが煙におおわれた。

気がつくと私は宙に浮いていた。もとより宇宙空間にいるので
最初から浮いている。正確にいうと王子に背中合わせでおんぶ
されていた。よく見ると身体はなにかでおおわれていた。

「ビトロスには初めてのことばかりで驚いて当然だな。すまん。
 この鎧は風神雷神の変化で、最高のシールドだ。
 これで機雷の海を突破する。お前は追ってくる敵を退けてくれ。
 ふうっ。それはそうとして、
 その前に、こいつにはここででてもらう。途中で起きだす
 とやっかいだし、そろそろ働いてくれんとな。そおれっ。」

そのあと見た光景はなんとも異様だった。
(初稿 2007-03-01 21:03:55 )
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする