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成田 正の楽屋入り口 by STHILA COMMUNICATIONS

ヨハン・クライフ様

2007-10-25 00:05:45 | ●Weblog
 勝って兜の緒を締めよ。この認識がないダメ選手がはびこってるから日本のサッカーが伸びないんだと、AFCチャンピオン・リーグで韓国クラブ・チームに辛勝した、浦和レッズのゴール・キーパー・インタヴューを聞いて改めて痛感させられた。
 ハイライトはレッズには幸運にも、サポーターをうしろに背負ったゴール・サイドのPK戦。顔は良く知っているが名も知らぬレッズのゴール・キーパーが一発を止め、決勝進出を決めた。韓国チームのキックになると、ゴール裏はレッズ・サポーターのプレッシャーの嵐。これはまんま英欧のコピーで結構なことだが、そのおかげに絶大なるものがあることを、試合後に「慣れてるから何でもない」みたいに吐き捨てるように言っては元も子もない。
 ずいぶん前の話だが、プロ野球の日本シリーズで、三連勝したパリーグ・チームのひとりが、インタヴューに答えて「巨人は思ったよりたいしたことない」みたいなことを言ったものだから、奮起した巨人にひっくり返されボロボロで敗退したことがあった。幸せボケに酔ってるヤツより、褒め殺しテクに長けたヤツの方が、好き嫌いは別にはるかに優れていると思う。心あるミュージシャンが、歯の浮くほどの賛辞を惜しまないのに、間違っても仲間の悪口を絶対言わないのと似ている。
 サッカーはテレビ東京が「三菱ダイアモンド・サッカー」を放映し始めた頃からの一ファン。それだけに釜本以降の日本に象徴的な、ストライカー不足にはやるせない気分を否めない。僕の最愛のアイドルでフライング・ダッチマンの異名を取る、ヨハン・クライフを超すサッカーの即興家は、もう現れないのかなあと思うたび、マイルスやコルトレーンが聴きたくなる。