父を入院させるまで ②

2023-09-07 22:27:36 | 
父を連れて何とか車に乗り込みましたが、
流れで父の横には母が座りました。


いつもは父と母が険悪にならないように、私が父の近くにいるのですが…。


大丈夫だろうか


少し不安を持ちつつも、私は夫が運転する車の助手席に座りました。


父は乗り込むと、「帰るんやな」と言いました。


「違う違う。病院いくんやで。」と母。


不思議ですが、母の言葉が
父は特に理解できません。


ペラペラと一生懸命話しかける母。

一向に伝わらない父。


病院のカードを見せて
母が試行錯誤しているうちに

「あぁ おまえ(お母さん)が 
病院(いくの)?」


と、とんちんかんな会話。





意固地に間違いを正そうとする母のスイッチが入りそうだったので


「お母さんも病院いくけど、お父さんも病院いくよ」

と助手席から振り向いて私が伝えました。


わかってくれたかどうかは不明。


ただ『病院にいく』ことはわかったようでしたのでそれで良しとしました。






車の中で、父は何度も目を閉じては短い眠りに入っていました。




この浅い眠りは父の色んな人格のスイッチになっているようでした。



目が覚めると急に不機嫌になり

「ほんまに、金がないねん。
一銭も!!一銭もないねん。」

そう言って母を睨んだり


また次目が覚めると
「あれ?何?靴はいてるなぁ?」
とニコニコしたり

また次目が覚めると
「もう降りるんかなぁ」と何度も車の扉を開けようとしたりします。

その度に母が過剰に反応するので、父にはしばらく寝てもらう作戦にしました。

小さめのフリースのブランケットを持ってきていたのでそれで父の上半身をくるみました。

車内のクーラーで冷えた体が少し暖まると、父はまたうとうとと眠りにつくのでした。


こうして車で約一時間をかけて以前入院していた病院に行くことができました。


この、父の人格のスイッチは睡眠薬のせいだったのでしょうか。



もしくは睡眠薬のせいで認知症が顕著にでていたのでしょうか。


だけど、この睡眠薬の作用がなければ病院まで連れてくることは逆にむずかしかったかもしれなかった可能性も十分にあるなと思いました。