木曜日、父の認知症病院の担当医師から電話がありました。
「お父様の事なんですけれど、水曜日から嘔吐を繰り返し食事を取れない状況だったようなんです。(水曜日は休診日の為担当医師が対応できなかったとのこと)
今日も腹痛と嘔吐を繰り返して食事もできていないようです。
恐らく、腸の癒着か何かになっているかと思いますので消化器内科がある病院へ転院を進めていってよろしいでしょうか?」
父の腹部はカチカチに固くなって膨れているとの事。
私は仕事にまさに向かっている最中だったのですが…
混乱しながらも優先すべきは父なんだと気付き
すぐに仕事を休ませてもらえるよう職場に電話をかけました。
それから、家まで止めどなく流れてくる涙をマスクで受けながら
夫へ
母へ
電話をし、今からどう動くかを決めながら帰りました。
転院先の病院が決まったのは結局夕方の4時でした。
父が転院先のB病院に救急車で着いたのは夕方6時前。
救急処置室へ入れたのは夕方6時を過ぎてからでした。
細いベッドで寒いと震えている父と対面しました。
「熱が38度あったようなんです。
今、コロナの検査を出していまして
その結果が出ないことにはお布団を貸し出しをできないことになっていまして…。」
そういう訳で
父は風を通さないとされている不織布のシートを2枚被せているだけなんだと看護師さんから説明を受けました。
急に現れた私と母を認識した父が首をもたげました。
「お父さん しんどいって聞いて来たんやで。」
そう言って父の冷たい手を私と母の手で温めました。
今 どこにいて
何でここに居てるかわからない父の顔。
時々やってくる腹痛に顔を歪めながら
父が苦しむ姿を祈るような気持ちでただ見つめることしかできませんでした。
7時頃にやっと救急の医師から呼ばれ
腸閉塞と誤嚥性肺炎になっているようだと知りました。