
娘への失言以降、

出入り禁止の父は
毎日家に来ます

今のところ余計なことは
もうあれから言ってきません。
買い物してきてくれたり
ベランダのイチゴの様子を見たり
それくらいですぐに帰ります。
今朝もインターホンが鳴りました。
母から頼まれた荷物を私に渡し
「あ〜、そう言えば昨日誕生日やったんやなぁ。
おぉーきくなったなぁ〜」
そう私に目を細めて言ってくれました。
父は耳が遠いので、それに対してどうのこうの長話はできません。
私もにっこりして手を振り
荷物を受け取って
「ありがとう」
だけ伝えました。
父も片手をあげて、すぐに帰っていきました。
父の『大きくなった』という言葉

いや、歳をとったんだけどな(笑)
もうりっぱな中年で、
大きくなったのは体格ぐらい。
父はおそらく認知症で、年々その認知症の度合いが増してきているように思うこの頃なんです。
間違いを指摘したりするとすぐに怒ってしまったり、言葉の意味合いを間違ってうけとる事も多いです。
一緒に暮らす母とは毎日喧嘩をしているようで・・・。
今朝も喧嘩して私の家に来たんだと後から母に聞きました。
私のことを
「大きくなった」は、少し間違っているようで合っているようにも感じました。
父から私への愛情は、まだ少しはあるのかとあたたかい気持ちになりました。
父を恨んだ事は沢山ありますが、
父がしてくれて嬉しかったことも沢山あります。
小さな頃は
私のことを「かわいこちゃん」と呼んでくれていました。
髪の毛を切る時は
「聖子ちゃん(松田聖子)みたいにかわいくしてあげよう」と言って切ってくれました。
キャンディキャンディが大好きだった年、年賀状にキャンディキャンディの絵を書いてくれて、全然私と関係ない家族の年賀状も全部キャンディキャンディでした。
私は、その1枚1枚を父と塗り絵をした事を覚えています。
夏には家の前で花火を沢山して、兄と一緒に鼠花火から逃げまくりました。
竹馬を作ってくれました。
ミンキーモモのステッキが欲しいと言ったら、父が木で彫った謎のステッキを渡されました。
そりを作ってくれて、裏山で滑りました。
かまくらを作ってくれました。
紙芝居をしてくれたり、
影絵をしてくれたり、
お酒ばっかり飲んで、家族をいまだに苦しめていますが、やってくれた事は本当に沢山あります。
それを覚えてくれているでしょうか。
今日も、あるはずもないものをずっと探していたと母が教えてくれました。
今度肝臓癌の手術を受けようかなと言っていました。
命はのびますが・・・
認知症はまた進むでしょう。
父への想いがあふれてしまいました

おとうさん
娘は毎年おじいちゃんが元気になるように初詣では神様にお願いをしているそうですよ。
今年は
「ママ神様っていると思う?
私は神様なんていないと思うねん
毎年お願いしてるんだけど
じーちゃん、全然よくならない・・・」
と、言っていましたよ。
どうか自分の体を大事にしてください。