芦原やすえの気まぐれ便り

原発のない町つくりなど、芦原やすえの日々の活動をご紹介します。

島根原発再稼働を認めないで!47,676筆の署名提出

2018-02-15 21:20:17 | 子どもの貧困

 昨日、多くの皆さんのご協力で集まった47,676筆の「 原発事故を繰り返すな!島根原発の再稼働を認めないでください」の署名を、島根原発・エネルギー問題県民連絡会の名で溝口善兵衛島根県知事宛てに提出しました。署名の内訳は、島根県内32,491筆、島根県を除く中国4県で13,397筆、その他1,788筆でした。

 署名では三つの大問題をクリアできない以上、再稼働を承認しないよう要請しました。

第一に、新規制基準を満たしても、絶対的な安全性が確保できるわけではなく、安全でないものは稼働させてはいけません。

 第二に、原発の安全性が確保できない以上、確実な避難が不可欠です。規制の対象から外された「避難計画」には様々な課題があるのが実態です。再稼働しながら「避難計画」や体制の整備を行っていては「いのち」の保障がないのも同然です。

 第三に、使用済み核燃料は、青森の貯蔵プールがほぼ満杯、核燃料サイクルの先行きが不透明な中、再処理自体の意義も失われつつあり、最終処分の方法の目途も立っていません。再稼働は、解決不能なより大きな負の遺産を未来世代へ付け回すことになります。

再稼働の承認・不承認の決定権限は地元住民に
 原発は、仮に原子力規制委員会が新規制基準に適合と判断しても、制度上、地元承認がない限り中国電力は原発を稼働できません。署名の宛先を県知事と松江市長としましたが、知事・市長には、私たち住民が自分や家族の生存権の保障をもとめた願う本請願署名を非人道的に無視する権限はありません。その理由は、福島原発事故が示したように、原発は住民一人ひとりが生きるか死ぬかの「いのち」の問題であり、知事・市長の裁量や議会の多数決に馴染む問題ではないからです。

島根原発・エネルギー問題県民連絡会では、今後の取り組みについて以下のことを計画しています。  

 以上の問題に併せ、再エネ・省エネに舵を切り始めた世界の流れ、3・11以来、原発なしの実績を積み上げてきたことからも「そもそも原発はいらない」ことを、県や松江市ほか関係自治体に徹底して訴え、県内外の世論の喚起に努めていきたいと思います。

①「3・11シンポジウム」を実施します。チラシは送付済み
②3号機の稼働も必要ない点から、適合性審査申請の取り止めについて、中国電力、県、松江市など関係自 治体への申し入れを行います。
③避難計画に関する県との意見交換を行います。


リアリティのない問題だらけの原子力防災訓練

2016-11-19 23:06:25 | 子どもの貧困
 今日は、島根原発で重大事故が起きたことを想定して原子力防災訓練が行われました。松江市内からは4地区の住民240人が近くの小学校や公民館に集まり、バスで指定避難先の浜田市まで移動しました。
 私は朝日地区の住民が小学校に集まり、バスへ乗り込むところからウオッチングしましたが、やはりというか、一貫してリアリティがない避難訓練でした。この朝日地区は原発から10km程度の距離にあります。実際に原発事故が起きた時、5km~30km圏内住民に対して避難指示が出されるのは、1時間当たり20μ㏜が1時間以上続く場合に1週間以内に、または、1時間当たり500μ㏜以上となった場合に直ちに避難することになっています。ですから、この地区の住民に避難指示が出されるのは、すでに放射性物質が相当に漏れ出している状態なのです。(ちなみに、我が家もここから5分程度歩いた地区です。)
 それなのに、それなのに、たまにマスクを着けている人がいる程度で、皆、無防備な格好でのんびりとやってきます。松江市内だけで20万人が暮らしていますが、その住民が、原発の近くから、順番に指示に従って避難行動をとるわけがありません。原発が30km圏内にないまちにお住まいの方には信じられないでしょうが、一人残らず家も仕事も捨てて、ほかの街に移住し、一から生活再建をしなければなりません。そのために、全世帯が、どの道路を通り、どこへ行くのか指定され、説明入りのパンフレットが配布されています。その内容を覚えている住民はあまりいません。こんな状態で実際に事故が起きれば、混乱しまくって、皆必死で逃げ出すでしょうし、大渋滞と被ばくは避けられないと思います。行政も住民もこういった事態を真剣に想定していないようです。それがリアリティのない避難行動に現れています。

 

 そして、途中の湖陵総合公園では避難バスのスクリーニングと除染を受けます。ここでの問題は、スクリーニングの基準が高すぎることです。ヨウ素剤服用基準の6倍もの高い放射線量を計測しなければ、バスは除染を受けることはありません。車の両側には放射線量を計るポールが立っていて、この間を通り抜けると放射線量を計ることができるのですが、設定された値にならなければ音がしません。音がしなければ、中に乗っている住民は、仮に設定された値より少し低い程度に汚染されていても気づきません。そのまま避難先に行くことになります。中には、赤ちゃんや妊娠中の方もいるかもしれません。もっとも、高い値にしておかなければ、この場所で大渋滞が生じ、避難所にたどり着くのが遅くなってしまう危険性も生じます。本来、この両方の問題を解決する方法を考えなければなりません。国が知らんふりをするので、地方自治体はそのまま言うとおりに行動しているのです。だ~れも責任を取ろうとしていないのが実態なのです。

 
 この会場で放射能が付着していることを想定して、住民の除染パフオーマンスをしている市の職員を捕まえて、少し質問してみました。「その除染の方法では放射性物質は完全には落ちませんよね?」(脱脂綿で軽くこするだけ)「はい。完全に落とすには専門的な処置が必要です」。「着ていた服が汚染されていたら、着替えは用意されているんですか?」「上着だけ着替えていただけばいいです。」「寒いときは来ているけど、夏は上を脱ぐと困りますが」「着替えは用意していません。県が用意してくれるといいんですが」。こういうことも住民には説明していませんし、着替えは言われて気が付いたような感じです。

子どもが「この町で生まれてよかった」と思える街づくりの推進を

2016-05-01 22:16:29 | 子どもの貧困
2月議会だよりの続きです

 子どもたちは、松江市の未来社会を担ってくれる大切な人たちです。その子どもたちにとって、両親の離婚は自らの力ではどうすることもできず、深く傷ついてしまいます。ひとり親家庭は増加し続け、松江市において、児童扶養手当受給者のうち、離別した相手方から養育費を受け取っている人は昨年7月末で19.1%しかいません。これらの世帯では、子どもの貧困状態が進行しているものと思われます。ひとり親家庭の生活実態を、市は把握されているのでしょうか。

健康福祉部長 母子・父子自立支援員を配置し、平成26年度で1,066件のひとり親家庭の相談を受けています。その相談内容は経済的な問題、就労に関すること、子どもの養育に関することが多く、一人で養育することの困難さが見受けられます。

 ひとり親家庭の子どもたちの貧困状態を少しでも改善していくためには、養育費の受給率を高めていくことが必要です。また、離別した親からの愛情を受け取るための面会交流が進むよう両親の理解を求めることも欠かせません。明石市では、離婚する両親に対して養育費や面会交流の取り決めなどを内容とする養育プランの作成を促し、相談窓口、相談室の設置、専門職として弁護士や社会福祉士などの起用、法テラスの窓口を庁舎内に設置するなど専門的な相談体制を充実させています。明石市においては、ひとり親家庭への支援も含めて子どもを核としたまちづくりによって、人口はV字回復しています。 明石市の取り組みは、松江市の子どもたちの貧困状態を改善し、子どもたちがこの町に生まれて良かったと思えるまちづくりに欠かせないと考えます。市長の見解を聞きます。

市長 明石市を参考として、適切な支援が行えるよう各部署の連携を進め、相談窓口体制を強化します。

 ひとり親家庭の中には、結婚しないで出産された女性がいます。離婚や死別家庭に対しては、所得税法上、27万円または35万円の寡婦控除が受けられますが、非婚家庭では受けることができません。同じ所得で同じように一人で子どもを育てていても、高い所得税や保育料などを払うことになります。税負担の公平性を担保できていないのは法律に瑕疵があり、改正されるべきです。国に対して法律の改正を要請し、保育料などのみなし適用(寡婦控除が適用されているとみなす)を行うべきです。見解を伺います。

市長 前向きに検討しますが、国で制度化する必要があり、全国市長会を通じて要望したいと思います。

離婚、ひとり親家庭へのワンストップ相談窓口設置を女性議員共同で要請―明石市を視察!

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 島根県内の県と各自治体の女性議員でネットワークを作っていますが、1月15日に、女性弁護士の皆さんとFPIC松江フアミリー相談室室長からの要請で、シングルマザーに対する支援についてお話を聞く機会を設けました。
 その中で、養育費を受け取っていないひとり親家庭が多い実態などについて聞きました。その際、明石市の取り組みについて紹介させて戴き、視察に
行くこととなりました。
 
 また、市長にも面会し、市内の生活苦にあえぐシングルマザーの実態についても話し、ワンストップ窓口を設置し、養育支援を行う明石市の取り組みを紹介しました。その結果、市長は、議会の場で窓口設置などを確約してくれました。 
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続きは次回に