緊急事態宣言が延長されました。TVでは「出口戦略」の話が中心になっています。しかし足立区では区内の感染者が140人(5/4時点)となり、市中感染の可能性が広がっている中「発熱しても見てもらえない」「電話がつながらない」と、命にかかわる大変な状況が改善されていません。
4月23日の議会では「PCR検査センターを開設したい」と答弁
江戸川・葛飾・墨田・新宿・杉並・千代田区など各自治体が「PCR検査センター」や「ドライブスルー式の検査」を次々と導入する中、足立区では「PCR検査外来」を設けたものの、「帰国者・接触者相談センター」を経由しなければ検査が受けられません。
日本共産党区議団は4月に、対応の改善を緊急に申し入れ、23日の区議会補正予算審議では他区の例を示し、対策を強く求めました。区は初めて「PCR検査センター設置に向け医師会と検討中。早ければ来週(4月末)、再来週(5月初旬)には開設したい」と答弁。実現後は「かかりつけ医に電話相談して検査」に結びつけることができます。
たらい回しが今も続いている!
「たらい回し」「電話がつながらない」は今も続いています。実際に電話をした方は、まずかかりつけ医に相談。「発熱があり基礎疾患もあるから『区の帰国者接触者相談センター』に相談してください」といわれました。ところが電話はつながりません。2日間電話をかけつづけ、やっとつながったと思ったら「様子を見てくださいね。水分はとってください」と言われて終わってしまいました。
また、ある保育士さんは「自分の症状は新型コロナでは」と疑い、自主的に自宅待機を行い、発熱もあったので電話をしましたが、つながりませんでした。「私が原因で、子どもたちに移してしまうのでは」と悩んでいます。
こういった方々が、もし「感染」していたら、区はどう責任をとるのでしょうか!結局は市中感染を広げる手助けを足立区では行っていることになるのではないでしょうか!「緊急事態宣言の終息」どころではありません。
区議会が一丸となって「PCR検査センター設置」をもとめ、区長と医師会に要望書を提出
「検査が受けられない」「電話がつながらない」声は、党派を問わず各議員のところに声がとどいています。
区議会では、区長と医師会あてに「PCR検査センター設置」を求める要望書を提出しました。
5月1日の区議会新型コロナ対策会議答弁では、後退
5月1日の新型コロナ対策会議では、「4月20日から協力医療機関による検体採取を行い外部検査機関で検査・判定するようになり、4月最終週は243人の検査ができた」ことが示され、「検査体制の強化(案)」が示されましたが、PCR検査センター設置は明言せず、PCR検査センターができた場合は」という表現に後退していました。そして重大なのは「トリアージしている」「検査をしぼっている」と衛生部長が明確に言明したことです。これでは感染拡大は抑えられません!
足立保健所には、区内医師から『かかりつけ医師が必要だと判断したのに何故検査させないのか』とクレームが寄せられ、口論になったことも明らかになりました。
私も「かかりつけ医が必要」と判断したら検査を受けられるようにするのは、最低条件だと思います。5月1日からは「足立保健所感染症対策課(帰国者・接触者相談センター)と医師会の「ホットライン」を設けることになりました。「医師会の担当医がかかりつけ医から咳・発熱などの患者情報を聞き取り、トリアージの上、感染症対策課に報告・相談する」との説明です。
そこで私は「ホットラインで電話がつながって、かかりつけ医が判断すれば検査を受けられるように改善されるのか」と質問。「そうはならない」と衛生部長が答弁。何なのでしょうか!だとしたら、医師からのクレームを保健所が受けたくなくて「医師会がトリアージする」ための「ホットライン」になりかねません。
「トリアージ」の名のもとに「命をふるいにかけられる」ことは許されません。
23区で文京区と足立区だけ
23区でPCR検査センターの見通しが現時点でないのは、文京区と足立区だけです。文京区は「医科歯科大」「日本医科大」「順天堂」「東大病院」「都立駒込病院」など、大規模な専門病院があるので、事情が違います。「検査につながる見通しがない」のは足立区だけです。
確かに夏になれば、新たな感染者はへるかもしれません。しかし次の冬以降に第2波、第3波と襲ってくることは、誰もが見込んでいることです。一刻も早い「PCR検査センター」の設置が必要です。議会、一丸となってもとめていきたいと思います。