奈良博三昧「重要文化財 普賢菩薩像」
1幅
絹本 著色 金箔 截金 掛幅
縦62.0 横30.7
絵画
平安時代 12世紀
絹本 著色 金箔 截金 掛幅
縦62.0 横30.7
絵画
平安時代 12世紀
奈良博収蔵品データーベースから「小ぶりの画面に、六牙の白像上に普賢菩薩が合掌・結跏趺坐する可憐な姿を描く。こうした騎象合掌形の普賢菩薩の画像は、長徳三年(九九七)の刻銘を持つ線刻胎蔵界曼荼羅中台八葉印鏡像に表されるものを現存最古の作例として、法華経信仰の興隆とともにとくに十二世紀以降盛んに製作されたことが知られる。菩薩の肉身は、淡墨線で下描きした上から薄く白色で彩色され、柔らかな淡墨線によって描き起こされている。眼窩線を描かない通例の仏画の描写とは異なる面影は、撫肩(なでがた)で細見の肉身と相俟って、現実の女性を思わせる親しみやすい表現となっている。頭光や身光は金・銀の截金(きりかね)文様によって荘厳されており、特に銀截箔によって蔓唐草をあしらう意匠は、細見美術館蔵愛染明王像など十二世紀半ばの作例に見られるものである。なお、本図の普賢菩薩の像容は、鎌倉時代に制作された刺繍普賢十羅刹女像(滋賀・宝厳寺)が細部に至るまでそのまま踏襲しており、高貴な女性による作善の中において継承された由緒ある図像と考えられよう。(谷口耕生) 」
https://www.narahaku.go.jp/collection/1009-0.html