窯元日記復活

奈良博三昧「十王図」 2幅

奈良博三昧「十王図」のうち2幅   10幅 絹本 著色 金泥 掛幅 各縦83.2 横47.0
絵画 中国・南宋時代 13世紀  

各幅墨書「慶元府車橋石板巷陸□忠筆」
陸信忠筆






奈良博収蔵品データーベースから
「日本には陸信忠の銘を持つ十王図が多数伝来する。この作品のほか、永源寺本、尾道浄土寺本、高松法念寺本、博多禅導寺本、神奈川称名寺本などが知られる。これらの図像は幾つかに分類でき、描写は各々少しずつ異なる。しかし基本的な画面の構図、彩色や文様のパターンは共有されている。つまりは大同小異といえる陸信筆十王図の様相は、既成の型を利用して、幾つかの手によって描いたゆえとみなすことができ、やはりつとに指摘されてきた通り、職業画家による工房製作と考えるのが最も矛盾ない。本品の各幅の墨書銘はいずれも完全ではないが「慶元府車橋石巷陸信筆」と読むことができる。この銘文は他の陸信忠銘作例にも見ることができる銘だが、これによって、寧波が慶元府と呼ばれた慶元元年(一一九五)から至元十三年(一二七六)の間が、陸信忠の活動時期とみられている。陸信忠は室町時代、『君台観左右帳記(くんだいかんそうちょうき)』に十王・仏像を描く画家として記録されるものの、中国の画史類には認められない画家であり、日本に伝来した作例のみが同時代資料としてその動向を伝える。奈良国立博物館本は、他の陸信忠筆十王図に比較して十王の顔が若干大きく、がっちりとした体躯に特徴がある。面貌を描写する線描は細密で、肉身部および衣の暈しも自然であり、文様表現に崩れがないなど、全体に丁寧に描いており、陸信忠十王図の中でも特に秀逸な作品として評価される。

(北澤菜月)
聖地寧波 日本仏教1300年の源流~すべてはここからやって来た~, 2009, p.300-301 」
https://www.narahaku.go.jp/collection/1013-0.html


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「美術館博物館ぶらぶら」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事