荻窪鮫

元ハングマン。下町で隠遁暮らしのオジサンが躁鬱病になりました。
それでも、望みはミニマリストになる事です。

久住有生の巻。

2014年11月30日 | 華麗な生活に極めたシンプルを


世の中、ひとつの事を極めるヒトは当り前ながらオーラがあるなぁ、と。

そんな事をぼんやり考えていましたら【久住有生】の名を思い出しました。

このヒトは左官職人。

おそらくニッポンでもっとも有名な左官職人でありましょう。

あの、ちょっと有名になったら超出演したくてたまらなくなる【情熱大陸】や【ソロモン流】にも出演を果たしました。

僕も一時期イタリアの漆喰【スタッコ】の施工請負をしていた事があるので、左官には反応してしまいます。

左官職人ったら、まぁ、言ったらフツーの職人さんたちなわけですよ。

型枠大工とかとおんなじ。

エロ系劇画マンガ雑誌を読んじゃう様な。

象印あたりのランチジャー持ってる様な。

ところが腕のあるヒトはランチジャーはともかく、エロ系劇画マンガ雑誌は読まないんですな。

これも当り前ですが、求道に身を置くヒトってのは中はともかく、外にそういう煩悩を晒しません。

ましてや久住氏の場合、立派な経営者としての顔もありますから。

てか芸術家ですね。

完全に。



確か【ソロモン流】で観たのですが、久住氏の女房が佐藤可士和の女房・悦子と全く同じタイプだったのには笑えました。

『わたしの主人は天才クリエイターなの。でもフツーの事はなんにも出来ない浮世離れしたヒトなの。わたしがいなければ、ひとりじゃバスにも乗れないの。だから、わたしが必要なの。わたしは夫婦である前に優れたパートナーなの。そしていっぱいお金が入って来るからセレブなの。凄いの。凄いの。凄いの。ねぇ、凄いって言って凄いって言って

という感じ。

要するに亭主の秘書役って事ですね。

ビックマックより分厚い手帳を持っています。


【出来るオンナ】を演じるのも大変ですな。

久住氏自身はクセのなさそうなヒトなんで『へー、こーゆーオンナ選んじゃうんだー』と思ったものです。



久住氏は作業着に着替えません。

なぜなら『汚れないから』です。

プロフェッショナルの左官職人らしい、自信が垣間見えるエピソードです。

料理人の着る調理服が白いのも同じ理由だと聞いた事があります。

プロフェッショナルの世界のお話は実に面白いですな。



『どんな芸術家でも最初は素人だった』ラルフ・ワルド・エマーソン(米国の思想家・1803~1882)



考えてみれば、ランチジャーって応量器っぽいっすね。

有吉弘行の巻。

2014年11月30日 | 偽りの人生に優れたエンターテイメントを



僕の敬愛する毒舌王・有吉弘行についてです。

とはいえ、すっかりマイルドになっちゃいましたね。

まぁ冠番組もたくさん持っていますし、束ねる立場ですから昔の様に言いたい事だけ言ってれば良いってものじゃないのは良く分かります。

この事は当然自身でも理解しており、ラジオ【有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER】で『昔みたいに毒舌を吐けない。このラジオ番組がなければオレはとっくに潰れている』と吐露しておりました。



YouTubeで昔のVTRをよく観ますが、今と全く目付きが違うんですね。

ギラギラ輝いており『オレが喰ってやる!』という気概がひしひしと伝わります。

しかし、これだけ面白いヒトがなぜ一旦ダメになったのでしょうか。

有吉弘行自身は最初の大ブレイクを

『ユーラシア大陸横断ヒッチハイクという企画モノタレント・歌手としてブレイクしただけであり、芸人としてはブレイクしていなかった』

と述懐しておりました。

才能を開花させる前に芸能界から葬り去られたわけです。

猿岩石から手裏剣トリオと名前を変えた事すら知りませんでした。

久々に観たのは【内村プロデュース】での猫男爵。

猫男爵が出て来ると、声を上げてゲラゲラ笑ったものです。

僕がとくに好きだったのは【あだ名芸】です。

しかしながら、彼が言うには『あだ名の事ばかり考えてしまい番組収録に集中出来なかった』との事でした。

やがて彼はあだ名芸を捨てます。

もちろん、スタッフからは要求され続けたそうですが、敢えて捨てたそうです。

『同じ事をやっていたら必ず飽きられる。芸人はスタッフから要求されても拒否をし、マイナーチェンジを繰り返さなければならない』とも言っておりました。

彼の言葉は真実をついているといつも思います。

アタマの良い人間でなければこれは出来ません。

毒舌だってそうです。

まともとヤバさのギリギリのところをつくのが毒舌です。

やはりアタマが良くなければ無理な芸です。



僕のまわりでは【マツコ&有吉の怒り新党】が好評です。

しかし僕は面白いとは思いません。

有吉弘行もマツコ・デラックスも譲り合ってしまい、また『分かる分かる』ってなっちゃってます。

本来ならお互いが毒舌を言いまくるのをスタッフは求めていたはずです。

ふたりとも謙虚なヒトですから、さもありなん、です。

ま、これもラジオ番組で自身が言っていました。

あとは、この【マツコ&有吉の怒り新党】に限りませんが【ラフSE】すなわち、スタッフの自然を装った笑い声、がどうしてもハナにつきます。



改めて申します。

今、有吉弘行がいちばん面白いのは上記にも挙げたラジオ【有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER】のみと言えましょう。

ちなみにマツコ・デラックスが面白いのはTOKYO MX【5時に夢中!】のみです。



この国のテレビ制作関係者は、演者をダメにする芸当だけは一流なのであります。



『悪口はいいけど、陰口は絶対にダメ』有吉弘行(ニッポンの芸人・1974~)