荻窪鮫

元ハングマン。下町で隠遁暮らしのオジサンが躁鬱病になりました。
それでも、望みはミニマリストになる事です。

C層の巻。

2015年11月13日 | 枯渇した生活に豊潤な読書を




『最も賢い者と最も愚かなものだけが、決して変わることがない』孔子(中国の思想家・BC552~BC479)

適菜収著【日本を救うC層の研究】を読了しました。


【日本をダメにしたB層の研究】以来の適菜収本です。

過去の記事。
B層の巻。

このヒトの語り口は好感が持てますし、実に読み易い。

そもそも“B層”とか“C層”とかって何か?

詳細はウィキでも読んで頂くとして、簡単に紹介しましょう。

『新しいモノが好きな利口』がA層。

『新しいモノが好きな馬鹿』がB層。

『新しいモノが嫌いな利口』がC層。

『新しいモノが嫌いな馬鹿』がD層。

かなり乱暴ですが、こんな感じです。

小泉内閣時、スリードという広告会社に作成させたカテゴリーだとか。


小泉純一郎は大衆コントロールのキモが、この【B層】にあるとし、徹底的に【B層】向けのパフォーマンスを続けました。

それが大成功だったのは、皆さんご存知の通り。

さて、【~C層の研究】ですが、実際の内容はC層よりB層に言及しております。

まぁ、C層を語るよりB層を語る方が簡単でしょうし、香ばしいでしょうから。

おおむね楽しく読めましたが、ひとつだけ気になった部分が。

適菜氏は『プロの事はプロに任せなさい』という旨をいつも説いております。

もちろん政治や行政についても。

それは正しい。

そして正し過ぎる。

プロがプロとして、成立し従事するのであれば何も問題はありません。

しかしながら、政治屋も官僚をはじめとする公務員もクズばかり。

クズがプロを名乗り、やりたい放題…。

ここに関しては、さすがにトーシロも口を出したくなるってもんです。

プロの質の低下、トーシロの発言力の台頭、様々なファクターがこのニッポンと言う国を蝕んでおります。

そんな中、ニッポンを救えるのは確かにC層しかいないでしょう。

国力アップのため、革新・改革・進歩が必要な時代もあるのは良く分かる。

しかしながら国力も安定し、過度の成長も左程見込めない状況では、古典を見つめ、保守につとめる事こそが肝要ではないか、と改めて感じました。

『祖先を顧みようとしない人々は、子孫のことも考えまい』エドマンド・バーク(英国の政治思想家・1729~1797)

過去の記事。
行列の巻。
行列の巻、ふたたび。
行列の巻、みたび。
貧乏人の巻。

【B層】と言えば【行列】。













ラーメン・パチンコ・スマホに宝くじ…。

【B層】の【B】はバカの【B】だと思ってましたが、貧乏人の【B】なのかも。

映画の巻、いつたび。

2015年11月13日 | 偽りの人生に優れたエンターテイメントを




『世界中の優れた小説や戯曲を読むべきだ。それらがなぜ「名作」と呼ばれるのか、 考えてみる必要がある』黒澤明(ニッポンの映画監督・1910~1998)

過去の記事。
映画の巻。
映画の巻、ふたたび。
映画の巻、みたび。
映画の巻、よたび。

若い頃は、そりゃ映画が好きだったものです

学生時代は【一日1本】というノルマを自身に課し、映画ノートまで付けておりました

ところが社会人になりますと、時間が無くなりますし、休日に能動的に活動するのもめんどいので、急速に観なくなる、という事態に

それが1990年代中盤。

そう。ちょうど映画にCGが多用され始めた頃でした。

CGの多用は【映画づくり】を安易にしたのか、それに伴い、作品の質も下がった様な気がします。

とは言え、良質な映画・面白い映画はいつの時代でも産まれるもの。

以前『マイ・フェイバリット・ムービーズ日本編【珠玉の10本】』をノミネートしました。

今回は、その海外編のノミネートをしたいと思います



【ペーパー・ムーン】(1974)主演:ライアン・オニール 監督:ピーター・ボグダノヴィッチ

【タクシードライバー】(1976)主演:ロバート・デ・ニーロ 監督:マーティン・スコセッシ

【アンタッチャブル】(1987)主演:ケヴィン・コスナー 監督:ブライアン・デ・パルマ

【男たちの挽歌】(1987)主演:ティ・ロン 監督:ジョン・ウー

【マネキン】(1988)主演:アンドリュー・マッカーシー 監督:マイケル・ゴットリーブ

【ビッグ】(1988)主演:トム・ハンクス 監督:ペニー・マーシャル

【ミッドナイト・ラン】(1988)主演:ロバート・デ・ニーロ 監督:マーティン・ブレスト

【ダイ・ハード】(1989) 主演:ブルース・ウィルス 監督:ジョン・マクティアナン

【ニュー・シネマ・パラダイス】(1989)主演:フィリップ・ノワレ 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ

【バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2】(1989)主演:マイケル・J・フォックス 監督:ロバート・ゼメキス

【ブラック・レイン】(1989)主演:マイケル・ダグラス 監督:リドリー・スコット

【ショーシャンクの空に】(1995)主演:ティム・ロビンス 監督:フランク・ダラボン

【レオン】(1995)主演:ジャン・レノ 監督:リュック・ベッソン

【キル・ビル】(2003)主演:ユマ・サーマン 監督:クエンティン・タランティーノ

【猟奇的な彼女】(2003)主演:チョン・ジヒョン 監督:クァク・ジェヨン

【アジョシ】(2011)主演:ウォンビン 監督:イ・ジョンボム

【バービー】(2011)主演:キム・セロン 監督:イ・サンウ



というタイトルとなりました。

今のトコ、作品数は17本。

う~ん、10本に絞るのは結構難しいな



さて日本編もそうでしたが、1980年代の作品がもっとも多い。

上述の如く学生時代青春時代でしたからね。

一方で近年は韓国映画の良作ノミネートが見受けられます。

現在の韓国映画のクオリティは、ニッポンのそれを軽々と超えていると冗談抜きで感じます。

2000年前後よりシネコンがバカスカ出来たせいで、ニッポンに映画が足りなくなりました。

それまでハリウッド映画に寄りかかってりゃ良かった状況が一変。

日本映画が大量に産まれたのは、そんなトコが理由かと思います。

量の増加がクオリティの向上につながりゃ良いのですが…。

世の中何でもそうですが、そうそう上手くは行かないものであります

『最も危険なのは、質より量へ逃避すること』シモーヌ・ヴェイユ(フランスの哲学者・1909~1943)