とある方のSNSをみていたらこんな言葉がでてきた
「日本人に憲法9条はもったいない」…
…なるほど…と思ってしまった。
日本国憲法9条
①日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
②前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない、国の交戦権は、これを認めない。
9条で重要なことは、国が行う戦争と武力の行使は、国際紛争を解決する手段として用いてはならないとしていることだ。
よく、憲法9条は「侵略を防げないとか」「平和ボケとか」「お花畑だ」とか言われる。
しかし…島国の日本、資源の少ない日本…さらに言えば食料自給率の低い日本。そんな国が戦争になれば、その結果は目に見えてるというものだ。武力を行使する道を選び勝つという方がよほど「お花畑」だと思う。というか…いまの日本だったら食料が輸入できなくなったら、終わりでしょ。いや、食料だけではない、人件費の安さを求め海外に工場を置く企業が多いなか、そこも止められたら…
日本という国は、鎖国状態にしてしまえば、簡単に滅亡する。ある意味、武力を使うまでもないのではないだろうか。他国からしたら(武力を使うということは莫大な戦費がかかる。そんなことをするくらいなら、ねえ)。
それほど、足腰が弱くなっている国だという自覚を持つべきだ。
ロシアのウクライナ侵攻を受けて、北方領土問題を抱える日本でもにわかに「危ないのではないか」という声がでてきている。ニュースでも「自衛隊の特集」が組まれていたり、そんな声を受けて調子に乗った自民党は、防衛費をGDP(国民総生産)の2%にするとまで言い出した。昨年のGDPでいうと2%とは11.9兆円にのぼる。現在の防衛費は約5兆円。6兆円以上の増額を狙っているのだ。
6兆円の増額となれば、削られるのはどこかは目に見えている。社会保障、教育費…
いまの日本に必要な防衛力強化策は、食料自給率をあげることであり、自然エネルギーを活用しエネルギー自給率をあげること。すなわち自分たちで「つくる」ということではないだろうか。
いくら軍事力をあげ見栄をはったところで、中身がなければしょーもない。
ロシアの問題で言えば、日本はこれまで、経済支援という名の貢ぎものをしてロシアのご機嫌を伺うだけの外交。北方領土問題でも、「2島だけは返還を」ととんでもないことを言い出す始末…ロシアとも自分の国ともとても真摯に向き合ってきたとは言えない。
そして何より「アメリカいいなり」の外交(アメリカ主導の戦争に日本は反対したことなど一度もない。そこでも残虐行為は行われているのに)である。こんな国が信用されるだろうか。
まずそこからだろう。
憲法9条は、いまのところ理想かもしれない。これを達成するためには理念が必要だ。
理念…それが決定的に欠けている。
何の理念もない外交。強い国にすがり、金をばらまくだけの外交。
憲法9条とは、国民の努力と外交の力によって、事前に戦争を起こさせないようにすること。
国民の努力とは、政治に参加することであり、それが一番簡単にできるのが選挙だ。しかし日本の投票率は国政でも50%程度。国民は努力もせず、政治家は自分本位に沿った政治と外交をする。せっかく世界に見本になるような憲法をもっていても日本人自身がこれを達成するための努力もしない。まさに日本人に憲法9条はもったいない。
ロシアのウクライナへの侵攻は、明らかな国際法違反で許されることではない。
しかしボクは、ウクライナのゼレンスキー大統領が、軍に対しても、国民に対しても「徹底抗戦」をすることを強制し、停戦交渉の終わりも示唆していることに対して
それが正しいことだと思わない。
それはかつての日本が、国のために、天皇のために「玉砕」を国民に求めたものと変わりないと思うからだ。
ゼレンスキー大統領は、ロシアの侵攻後、厳戒令をだし国内最大の野党と他の10政党の活動を禁止した。国営テレビチャンネルを、ゼレンスキーが管理するプラットフォームに統合した。
昨年、ゼレンスキー大統領は、主要な政敵を逮捕しその資産を国家に押収させた。彼に批判的だったウクライナで人気のある3つのテレビ局を閉鎖した。
その結果、いまウクライナは一党独裁国家となっている。
ゼレンスキーの正義はどこにあるのだろうか?
こういうときに憲法9条をもつ日本がすべきことは、ただウクライナの情報を垂れ流すのではなく、停戦に向けてプーチン大統領にも直接呼びかけていくことではないだろうか。
憲法9条をただのお飾りにするかどうかは
私たち次第