病院清掃の仕事について5年…自分が教える立場になって思うこと。
仕事が「できる人」「できない人」の差というのは、他者の話が素直に聞けるかどうかにあるなと。
器用になんでもこなせて、教えるとなんでもできる人はいる。でもそういう人はごくごくわずかだし、器用にできる人も、他者の意見を聞けない人は、自分の考えでしか動けず周りが見えず成長できない。
たいがいは、なかなかできないわけだけど、その時、他者の話・意見を聞ける人は、時間はかかっても必ずできるようになる。人の意見を受け入れられるということは、自分に足りなかったものを素直に認められるということ。そういう人は周りにも目を向けられるようになる。だから周りに困っている仲間がいればフォローにはいることができるし、そこで生まれた信頼は、自分が困ったときに今度はフォローで返してくれる。
しかし他者の話・意見を聞けない人は、あくまで自分のやり方を通そうとする。他者の意見を受け入れられない人は、自分の考えに固執しているということ。だからその仕事が一番大切にしないといけないものが見えてこない。そういう人は結果的には自分勝手な仕事の仕方しかできない。周りのことはどうでもいいから与えられた仕事しかしないし、仲間が困っていようがどうでもいい。
今週、新入社員がはいってきて改めて思った。新人くんは清掃の仕事自体は前職でもやっていたので基礎的なものはそろっていた。しかし商業施設の清掃と病院清掃の決定的な違いは、絶えず人が動いているなかで作業をするということ。自分のペースで仕事をしていれば患者さんや看護師さんに迷惑をかける。新人くんは最初、前職のようなペースで作業を行っていた。患者さんが緊急ではいってくるような場所、患者さんや看護師さんが絶えず行き来するような病棟でマイペースな作業。
病院清掃の基本は「早くキレイに」(医療行為の邪魔をしない)「周りを絶えず気にして」(患者さんの安全第一)
新人くんには「この仕事は自分のペース、自分勝手な作業の仕方はダメだよ」と説明した。新人くんはきちんとそのことを理解してくれ、次の日からの作業の仕方がガラリと変わった。ボクの清掃経験は5年。新人くんの清掃経験は14年(19歳からやっているらしい)。プライドみたいなのもあると思うが、そこをクリアしてきちんと話を聞いてくれたことで、「周りを絶えず気にして、早くキレイに」の清掃に向かっている。
仕事が「できる」「できない」かは、ひとの意見を聞けるかどうか、受け入れられるかどうかにあると思う。
さてこれって政治家にも言えることだなと…夜のニュースを見ながら思った。
いまの政治の一番の問題点は、他者の話を聞けないこと、受け入れられないことではないだろうか。政治の仕事は民の声を聞き、それを政策にかえていくこと。コロナ渦という非常事態のなか、それができているだろうか。医療機関の現場の声、コロナ渦のなか様々な制限を受け、困っている人たちの声…
菅さんの記者会見は、いま、「フリーの記者はいれない」「1人1問」「追加質問なし」の会見らしい。記者会見というのは、間接的ではあるが国民の声(意見・疑問)を聞ける場所でもある。それを制限するというのは…
日本の場合、議員はボランティアではない。議員は仕事である。さてあの人は仕事が「できる人」「できない人」?