以心伝心 from Bolivia

青年海外協力隊として2年間、ボリビアの小学校で活動。

光と影

2010年08月20日 | 日記
↑ラパス市の家々。標高3800m、ほぼ富士山の頂上。

避難生活も終わり、本日スクレに到着。
抗議運動側と政府との話し合いは未だ続いているが、ポトシ市の道路封鎖も
解除された。食料がポトシにもやってくるということで、ほっ。

今回の避難は、ボリビアの光と影を如実に映し出している。
すり鉢上のラパス市に滞在して感じたこと。
「ボリビアは、貧しい」のではない。
「ボリビアは、人々の暮らしがかけ離れている」のだ。
そして、暮らしにグツグツ不満がたまった市民は、あちこちで爆発を起こしている。

高層マンションや一軒家に住み、お洒落な服を着て、携帯で話しながらさっそうとオフィス街を歩く人々。
その道の脇で、売れない織物を疲れた顔で見つめる老人。

映画館の前やカフェで、楽しそうにおしゃべりをする若者たち。
その道の脇で、ひたすら靴を磨く兄弟。

スーパーで、綺麗に包装された食べ物をかごに入れる家族。
その道の脇で、あなたのその野菜、今日はいくらか売れましたか。

ラパスの避難所を出ようとするとき、JICAから一つのメールが来た。
「ラパスの農民団体が、5大臣の辞任を要求。週末以降、要求が認められない場合には、食料、電気、水の供給を止めると、政府に表明。水、食料の備蓄と、ラパスへの渡航禁止。」


暮らしはかけ離れている。

それぞれの仕事に、役割があるなら、

教師なら、すべての人に等しく学力をつけること。
                
政治家なら、すべての人に等しく政策を実行すること。
                
鉱山で働く人も、農民も、高層ビルで働く人も、「市民」。

政策、教育がないと、子どもたちは『本質』を見なくなる。

継続性のある政策と、教育を。

ボリビアの正式名称は、ボリビア多民族国家!

明日から、学校に復帰できます。仲間の先生たちに、おみやげのお菓子を買いました。

ごめんね、一人だけ避難してって気持ちを、かーなりこめて。

一緒にがんばろうって気持ちを、かーーなりこめて。