以心伝心 from Bolivia

青年海外協力隊として2年間、ボリビアの小学校で活動。

日本へpart4

2011年03月22日 | 日記
ボランティアは、「何かしたい」ではなく、「何ができるか」を考えて行動することだという。

日本にもいない、ましてや発展途上の国にいるわたしにできること。

それは、ボリビアでの活動の中で見つけていくしかない。

自分の置かれている立場は、JICAボランティア。

ボランティアとして、子どもたちがわかる、楽しいと思える算数の授業を現地の先生と模索すること。

それと同時に、日本人である自分は、子どもたちにこの地震のことを伝えて、

子ども達の思いを共有できる場をつくりたいと感じた。


学級活動や道徳、朝の先生の話のようなものはなく、

自分のおもいを発言したりつづりを書かせる場面は、これまで見たことがなかった。

地震後、授業のたびに少しだけ時間をもらって、日本の現状や子どもたちのことを各クラスで話す。

そうすると、先生たちが私のあとに、とてつもないパワーで子どもたちへ語りだす。

そして先生は、感想を求める。

日頃、感想を出し合うことをしない子どもたちは、もちろんシーンとなる。

しかし一人が「被災地は、いまものがないんだね」ときっかけをつくると、

続けて「自分達には家があるね」「家族がいるね」と言う。

先生「あななたちは何ができますか」

「自分達はものは送れないよ」

先生「日本の子どもへ伝えたいことはありますか」

「心がよくなる言葉を伝えたい」

この「心がよくなる言葉」というのは直訳だが、とても嬉しかった。

「わたしは、こう思います」なんて上手に伝えることはできないけど、素直なつぶやきだった。

そして日本の子どもへメッセージを書きたい子は、言葉を家で考えてくると言った。

メッセージを送るのは、多分復興の延長上で、住む家ができて食べ物があって、

人々の生活が落ち着いてきてからしかできないだろう。

けれど、ボリビアの子どもたちへ現地の先生と共に伝えることは、いまだからこそと思う。

この学校で、日本人は私だけ。

日本を知らない子どもたち。

「何かしたい」から始まった行動を「何ができるか」へ。