あらあら、かわいいわ。ひよこちゃんだ。
おかあさんはどこにいったんだろうね？
きっとひよこちゃんのごはんを探しにいったんだわ。
おとうさんはどこにいったんだろうね？
きっと別のおかあさんと一緒だわ。
それはじゃあ、うちとパパと同じだわ。
パパったらこないだ知らない女の人と一緒に歩いていたわよ。
黙っててくれって2ドルもお小遣いくれたわ。
いいなあ、お小遣いもらえて。僕もほしいなあ。
そんなことより、あたしお腹すいた。
何が食べたい？
チキンと目玉焼き！！
彼女とワインで乾杯した。長らく世間話。かなり酔いがまわったのか彼女はソファーに横になった。
「ちょっとまわって来ちゃった・・・。」
「おやあ、もうダウンかい？」
「だって昨日、娘の高校の進路説明会で大変だったのよ。進学か就職か、専門学校行って専門職
を身につけるかで悩んでいるの。」
「娘さんは進学するの？」
「まだ、決まらないって。友達はみんな進学するのにね」
「友達は友達だよ。やりたいことをやればいいんじゃないの？」
「娘ねえ、あなたみたいにデザインやりたいって」
「ええっ、絵は描けるんだっけ？」
「まだまだよ。あなたの作ったＴシャツ見て、感心しちゃってね。あなたに興味あるみたい」
「ええっ、親子2代で？いやゴメン！俺はそんなにうまくいないよ」
「あれほど器用に描ける人っていないわよ。娘はあなたのファンなのよ」
「ええっ、親子2代で？いやゴメン！照れちゃうなあ」
「今度、あなたとテニスやりたいって言ってたわ」
「軟式でしょ。俺、硬式だけど軟式もやったことあるので引っ掻き回すよ。ブランクはあるけど
勝負していいよ」
「娘に言っておくわ」
「そのあとは冷たいビールで二人で一杯やろう」
「はい・・・。」