【美術館にて】
彼女と久々の美術館。初夏を思わせる汗ばむ陽気の中、彼女はスプリングコートを脱ぎ、リュックに
しまい、シャツの袖をまくり、髪をしばった。
美術館の力作を見ながらボクは後ろから彼女を追う。なにしろ、彼女はスタスタと歩き、絵を見るのが
早いのだ。
俺はそんな彼女の後ろ姿をみた。ちょっと色っぽかった。
いかんいかん、俺は絵を見に来たのだ。
しかし、絵を見たあと彼女とどこに行こうか、とか何を食べようか、とか何時までデートできるのか、とか半分
やましい気持ちがあとからあとから湧いてくるのは異常だろうか?
男なら当たり前のような気がするが・・・・・・。
そんなこんなストーリーが想像させれられるような絵です!
国立新美術館 2012年 国展より