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画家 西野健太郎のアトリエ日記

ちぶり尾根

2009年10月25日 | アトリエから
昨日、ネイチャーガイドをしている父のエコツアーに参加させてもらい、白山の麓にある「ちぶり尾根」という所に行ってきました。ここには日本でも有数のブナの原生林が広がっていて、ちょうど紅葉が見頃で、赤や黄色に色づいた葉が、空から地面まで広がっていました。


ブナは、1本のの大木で約8トンの水を貯めることができ、緑のダムと言われています。今ではミネラルウォーターを買うのが当たり前ですが、おいしい水がこういう所から作られることを改めて感じました。


ブナの葉は、太陽光を通過させ、下層部の植物まで分け与えているので、ブナの葉が空を覆っていても、その下にはたくさんの植物たちが多く生きることができ、1つの生態系を作っています。


地面には「カツラ」の葉が広がり、歩くとサワサワと音がします。



ブナの実です。森の小動物たちの好物です。1粒食べてみましたが、栄養がある感じで動物たちが好むのも分かりました。


岩の下にまで根を伸ばして、まるで岩を抱きかかえているみたいです。すごい生命力!


倒木の上には、新しい芽が生えていました。何万年も続く自然のリサイクルシステムです。日頃の便利な生活をしていると、人工の技術ばかりにありがたみを感じがちですが、当たり前のように飲んでいる水も、そこから作られる農作物やそれを食べる動物、海に生きる魚たちもすべてこの森とつながっていることを考えると、私たちはこの森に生かされているということを感じます。


曇りの天気でしたが、森の間から白山が見えました。白山は富士山、立山とともに、日本三霊山と呼ばれ、昔から信仰も深く、多くの人々が登ってきた山です。

今回の登山は、日頃こもっているアトリエを抜け出して、新しい発見がたくさんありました。今、日本の自然をテーマにシリーズを描きたいと思っているのですが、たくさんのアイデアが思い浮かんできました。また新作楽しみにしていてください。