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画家 西野健太郎のアトリエ日記

ジャパンアートエキスポ出品作品1

2020年08月28日 | 新作、制作過程
9月4日から開催予定のジャパンアートエキスポに出品する作品をご紹介します。


この作品「繊月の詩」は、神秘の銘木とも言われる貴重な黒柿の木の中心を丸くくり抜き、その中にオオカミを描いた作品です。

100年以上経った古木でしか現れない黒い模様は、過酷な環境の中で老木となった自分の身を守るために自らが出したタンニンという物質によって現れるそうです。

この作品は、同じように厳しい環境の中で生き抜くオオカミを見守ってきた木の記憶を表現しています。


題名にもある繊月は二日月ともいい、月の光りが満ち始めた繊維のように細い月から言われています。

満月の力強さとは対照的に細く繊細な光は、静けさの中にも光り輝くオオカミの白い吐息を強調してくれています。

これから光り輝いていく月の光が、厳しい環境をじっと耐え抜いてきた希望の光のようにも感じられるように制作しました。




「繊月の詩」 (オオカミ、原画)
アクリル、キャンバス、黒柿の木、額装サイズ : 520×450mm