全国行脚から帰ってきた。
当社の決算月は12月である。ということは、新年度が1月1日からスタートするということである。
当然のことながら、来期の事業計画は出来ており、その基本方針を全社員に説明するために全国の主要工場を訪問した。
月曜日に福島、火曜日に川越の工場を回り、これで予定を全て終えた。
当社は、ふたつの会社が合併して出来た会社である。合併してまだ2年だ。
会社には時代に合わせ変化していかなければならない部分と、不変でなくてはならないものがある。
後者が、企業理念、企業哲学、ヴィジョン、行動規範などと呼ばれるものだ。
カルチャーの全く異なる会社がくっついたために、この一番基盤となるべき企業理念が全社員に浸透していないところに当社の弱みがある。
又、それをきちんと伝えきれていないことに経営者としての反省がある。
「ダイナミックな事業改革と、人・モノ・地球にやさしい活動で、21世紀に勝ち続ける企業を目指します。」と合併時にヴィジョンをたてた。
環境に優しい活動としては、環境マネジメント・システムISO14000を全工場・事務所で取得し、各々のサイトが環境目標を掲げ、活動を行っている、・・・はずだ。
しかし、形だけでなく、本当にISOのスローガンどおり「美しい地球を愛し、環境保全に貢献します」という志をもって活動している社員がどれほど居るのだろうか?
会社の基本的な考え方を理解してもらいたくて、友人のISOちゃんの会社のことを引き合いに出して、次のような話を各地でした。
『 同じ春日井市にISOWAという会社があります。
当社も機械設備でいろいろお世話になっているので、ISOWAのことは説明するまでもなく皆さんも良く知っていると思います。
ISOWAでは、毎週水曜日に工場周辺の清掃を行っています。
それは、上司からのお仕着せではなく、社内で或る社員が発信した「皆で掃除しない?」という一通のメールから始まったのです。
そして小さなグループで始まった美化運動の輪がどんどん広がっていき、今では、毎週水曜日には大勢の社員が清掃に参加するそうです。
しかも清掃のしにくい場所、例えば深い側溝にはいつも空き缶が投げ込まれて難儀するので、空き缶をすくうための冶具を考案して手作りしたり、又、いつも犬のウンチがしてある場所があるので、そこには高圧的・威嚇的ではないユーモラスな貼り紙をはって飼い主に注意を喚起するなど、たかが清掃ですがどんどん創意工夫が生まれ、遂には春日井市役所までが予算を取って、清掃の応援をしてくれる予定だそうです。
その話を聞いて、私は名古屋工場のある人に電話をかけました。
私が、前身の会社の社長時代、この名古屋工場でも工場周辺の美化活動を月に1回やっていました。私自身も参加したことがあります。
最近の美化活動をその人に聞いたところ
「いえ、最近はやっていません。」との答え。
「どうして、止めちゃったの?」「いや~、…」と口ごもるだけで、はっきりした理由が分かりませんでした。
私とISOWAの社長は年代が近いので、商売を超えて経営の話をよくしますが、この件に関し、私は経営者として磯輪さんに完全に負けたと思いました。
ISOWAの社員と我々の違いは
・ISOWAの社員は、会社のVISION、精神が血と肉になっている。共有されている。
・清掃は、上からの押し付けではなく、自主的にやっている。
・自主的にやっているからこそ、創意工夫が生まれる。創意工夫が効果を生むことによって、仕事が面白くなる、喜びに変わる。
・ そうした社員の熱さが、まわりを引き込み、遂には行政までも動かした。
一方で、名古屋工場がなんとなく工場周辺の美化運動をやめてしまったのは
・ 環境、地球にやさしくという会社の哲学が理解されていない、或いは定着していない
・ 上からやらされているという感覚
・ やらされている、嫌々やっているから創意工夫も生まれないし、効果も上がらない。だから一層面白くない。
私は、皆さんを責めているわけでなく、そのようにしか皆さんを引っ張っていけなかった自分に憤慨しているのです。 』
社員は経営者の鏡だ。
ISOWAに負けているということは、私がISOちゃんに負けていることに他ならない。
酒ばかり飲んでいる場合ではない。強い自戒の思いを持って、全国を回った。
ある意味では、苦い旅だった。
当社の決算月は12月である。ということは、新年度が1月1日からスタートするということである。
当然のことながら、来期の事業計画は出来ており、その基本方針を全社員に説明するために全国の主要工場を訪問した。
月曜日に福島、火曜日に川越の工場を回り、これで予定を全て終えた。
当社は、ふたつの会社が合併して出来た会社である。合併してまだ2年だ。
会社には時代に合わせ変化していかなければならない部分と、不変でなくてはならないものがある。
後者が、企業理念、企業哲学、ヴィジョン、行動規範などと呼ばれるものだ。
カルチャーの全く異なる会社がくっついたために、この一番基盤となるべき企業理念が全社員に浸透していないところに当社の弱みがある。
又、それをきちんと伝えきれていないことに経営者としての反省がある。
「ダイナミックな事業改革と、人・モノ・地球にやさしい活動で、21世紀に勝ち続ける企業を目指します。」と合併時にヴィジョンをたてた。
環境に優しい活動としては、環境マネジメント・システムISO14000を全工場・事務所で取得し、各々のサイトが環境目標を掲げ、活動を行っている、・・・はずだ。
しかし、形だけでなく、本当にISOのスローガンどおり「美しい地球を愛し、環境保全に貢献します」という志をもって活動している社員がどれほど居るのだろうか?
会社の基本的な考え方を理解してもらいたくて、友人のISOちゃんの会社のことを引き合いに出して、次のような話を各地でした。
『 同じ春日井市にISOWAという会社があります。
当社も機械設備でいろいろお世話になっているので、ISOWAのことは説明するまでもなく皆さんも良く知っていると思います。
ISOWAでは、毎週水曜日に工場周辺の清掃を行っています。
それは、上司からのお仕着せではなく、社内で或る社員が発信した「皆で掃除しない?」という一通のメールから始まったのです。
そして小さなグループで始まった美化運動の輪がどんどん広がっていき、今では、毎週水曜日には大勢の社員が清掃に参加するそうです。
しかも清掃のしにくい場所、例えば深い側溝にはいつも空き缶が投げ込まれて難儀するので、空き缶をすくうための冶具を考案して手作りしたり、又、いつも犬のウンチがしてある場所があるので、そこには高圧的・威嚇的ではないユーモラスな貼り紙をはって飼い主に注意を喚起するなど、たかが清掃ですがどんどん創意工夫が生まれ、遂には春日井市役所までが予算を取って、清掃の応援をしてくれる予定だそうです。
その話を聞いて、私は名古屋工場のある人に電話をかけました。
私が、前身の会社の社長時代、この名古屋工場でも工場周辺の美化活動を月に1回やっていました。私自身も参加したことがあります。
最近の美化活動をその人に聞いたところ
「いえ、最近はやっていません。」との答え。
「どうして、止めちゃったの?」「いや~、…」と口ごもるだけで、はっきりした理由が分かりませんでした。
私とISOWAの社長は年代が近いので、商売を超えて経営の話をよくしますが、この件に関し、私は経営者として磯輪さんに完全に負けたと思いました。
ISOWAの社員と我々の違いは
・ISOWAの社員は、会社のVISION、精神が血と肉になっている。共有されている。
・清掃は、上からの押し付けではなく、自主的にやっている。
・自主的にやっているからこそ、創意工夫が生まれる。創意工夫が効果を生むことによって、仕事が面白くなる、喜びに変わる。
・ そうした社員の熱さが、まわりを引き込み、遂には行政までも動かした。
一方で、名古屋工場がなんとなく工場周辺の美化運動をやめてしまったのは
・ 環境、地球にやさしくという会社の哲学が理解されていない、或いは定着していない
・ 上からやらされているという感覚
・ やらされている、嫌々やっているから創意工夫も生まれないし、効果も上がらない。だから一層面白くない。
私は、皆さんを責めているわけでなく、そのようにしか皆さんを引っ張っていけなかった自分に憤慨しているのです。 』
社員は経営者の鏡だ。
ISOWAに負けているということは、私がISOちゃんに負けていることに他ならない。
酒ばかり飲んでいる場合ではない。強い自戒の思いを持って、全国を回った。
ある意味では、苦い旅だった。
『地球を愛する社員で溢れた会社。』
働く側も取引する側もワクワクしますね。
社会人として働くことは社会貢献の一部であり、僕ら宇宙船地球号の一員だい♪
やらせでなく、社員の最高のスポンサーとして、自発的にこういった輪が広がっていくように、頑張ります。
社員全員が力付けられる応援メッセージ、本当にありがとうございました。
「地球を愛する人で溢れた会社」
素敵な言葉ありがとう。
そんな会社を実現するために、微力ながら頑張ります。
これからもどんどん刺激を与えてください。
それから、K工場のMは、中々に優れたおっさんです。これからもよろしくお願いします。