昨日に引き続き、
南アの学校教育の課題について書きたいと思います。
以前書いた記事のリンクをはっておきます。
さて、今日のテーマは「総人口に占める子どもの割合が高い」です。
はじめに、今日の内容は、一昨日に書いたものに関連していますので、
見られなかった方は、こちらで確認ください。
私の任地と日本を歩いていると、全く違うことがあります。
それは、たいていの家に小さな子どもがいること。
これは日本と比べると、異常です。
それもそのはず。
次の人口ピラミッドを見てください。
これは南アの人口ピラミッドです。
言うまでもなく、子どもの割合が圧倒的に高いですね。
南アの15歳以下の人口が約1500万人に対して、
日本の15歳以下の人口が約1600万人とほぼ同じですが、
総人口が違うため、
南アの15歳以下の人口の割合が31%に対して、
日本の15歳以下の人口の割合が13%に過ぎません。
人口比に占める子どもの割合が多いと言うことは、以下のようなことが考えられます。
①人口比で労働人口が少なく、国家としての生産性が上がらない。
②子ども一人当たりにかけられる教育費が低くなる。
③子ども一人ひとりの面倒を見ることができる大人の人数が少ない。
④日本のように子ども一人ひとりを大切にする希少性がない。
特にポイントは、②子ども一人当たりにかけられる教育費が低くなる。
南ア政府は、教育にお金をかけていると言われていますが、
これだけ子どもが多いと、どうしても一人一人に充分な教育費をかけられなくなってしまいます。
具体的には、日本のように子どもたち全員に無償で教科書を配ろうとすると、
国家予算に占める教科書代が大量にかかってしまうということ。
南アの経済規模が日本の神奈川県と同じだと言われていることを考慮すると、
神奈川県の県予算で、日本全国の全ての子どもたちに教科書を無償で提供することが
いかに難しいことか分かっていただけると思います。
※今回の記事を書くために、ネットで子ども人口を調べていると、
私の同期の協力隊員が派遣されている南部アフリカが
さらにおそろしいことになっていることが分かりました。
ウガンダの15歳以下の人口の割合が49%
マラウイの15歳以下の人口の割合が46%
ザンビアの15歳以下の人口の割合が46%
(南アは、31%)
これらの国では、今日私が書いたことが、さらに起こっていると考えられます。
これはアフリカ全体の課題だと言えますね。