以前に書いていた、
「南ア学校教育の課題」シリーズですが、
大好評(?)だったため、続きを書くことにしました。
その前に以前の記事のリンクを張っておきます。
さて今回のテーマは、「平均寿命が短い」です。
ご存知のように、日本は世界最長寿の国です。
平均寿命が80歳を超えています。
これは社会の授業でも習った事実ですが、
私は、南アに来て初めて、その本当の意味を知ることになりました。
では、はじめに日本と南アの平均寿命を比較しようと思います。
日本の平均寿命は、82.7歳
南アの平均寿命は、51.6歳
(wikipediaより、リンクはこちら)
ちなみに1990年の南アは、63歳でした。
※エイズの問題が大きくかかわっているとされています。
日本と南アの平均寿命の差は、30歳もあります。
これはどういう意味でしょうか。
51.6歳と言う年齢は、ただ低いといって片づけることはできません。
働き盛りの人が次々と亡くなっていくということです。
この国では、毎週のようにあちこちで葬儀が行われています。
それもたいていは、働き盛りの人です。
働き盛りの人が突然いなくなってしまうことの経済的損失は測りしれません。
それは同時に、子どもたちの世話をする人がいなくなることでもあります。
日本では、シングルマザーと言えば、未婚の母であり、
多くの場合、父親が生存しているかと思いますが、
南アでは、子どもの両親が病気で亡くなってしまうために、孤児がたくさん存在します。
これでは、子どもたちや社会でまともな教育ができません。
実際、私の巡回先の学校教師が次々となくなるという話をしょっちゅう耳にしますし、
私が組んでいた先生も何人かなくなっています。
南アフリカに来るまで、
南アフリカが世界一のエイズの国であるという事実しか知らず、
その本質を見抜けていなかった自分が情けなくなってきます。