つれづれ草々

田舎者の日記です。最果ての地で西島秀俊さんをひっそり応援しています。

大奥(ネタバレ有り)

2013-09-02 09:38:13 | 日記


 BS日本映画専門chで放映していた『大奥』(2006年版。男の疫病が流行ってない方)。

 大奥最大のスキャンダルとされる絵島生島事件が題材。(歴史オンチなので初めて知りました。)

 
 元々は大奥取締り役の絵島さんが役者の生島(いくしま)さんと遊興したことが

 大奥の御法度に触れて云々、みたいな話らしいのですが(ざっくり)

 この作品では、仲間さん演じる恋を知らない絵島を、西島さん演じる生島が労わるような

 純愛として描かれていました。


 絵島の悲恋と宮中の対立。現代風に言うと、

 ①公立高から超一流企業に入社して、女子ばかりの部のリーダー格に這い上がった28歳のOL絵島。

 天部長(怖い)と月課長(癒し系)、二人の女上司は部内で対立。

 社長の子を産んだ月派は、産まない天派に嫌がらせを受けている。絵島さんは月派。

 
 ②天部長は、月課長に頼られている絵島さんを追い落とすべく、社則で禁じられている[社外の人間との遊興]を画策する。

 天派の宮地さんに、スキャンダル覚悟で絵島を落とすように言い含められたのが人気俳優の生島さん。

 お金その他の見返りを受け取りますが、仕事ばっかりの絵島さん見てると可哀相になってきて、だんだん本気になってきちゃう。

 絵島さんも、これが天派の罠なのはわかっていながら、生島さんが本気で労わってくれるのを感じて恋に目覚める。


 (・・他の歴史オンチの人にもわかりやすくと思いましたが、返って無理のある無駄な説明ですみません。)


  
 杉田かおるさん演じる宮地さんも実は生島さんが好きなんだけど、好きという言葉を使わずに目と動作だけで視聴者に解らせる。

 貫禄の演技で流石です。


 何が言いたかったかと言うと、生島役の西島さんがきれいだったんです。

 切れ長の眼に細面。パッと見、東山紀之さん似の感じに見えました。

 この役のために体重落としたのかな?

 鏡の前で肌脱ぎで化粧する場面があるのですが、ちょっと筋肉が落ちている気がします。


 昔、かわぐちかいじ氏の『アクター』という、俳優を扱った作品を読みました。

 その中に、四谷怪談の伊衛門を演じるために、隆々だった筋肉をホルモンバランス崩して落とし、優男体型にした俳優が出てきます。

 そこまででは無いにせよ、どこかなよっとした、江戸の役者に見えました。

 
 デ・ニーロも役に合わせて体型を変える俳優さんですが、その役をリアルに見せてくれる役者さんの演じる世界に、

 観客、視聴者は夢を見せてもらいます。

 生島さんと幼なじみの絵描きの役を谷原さんが演じておられますが、

 素の人まんまの色気で、これもすごいことだと思いました。

 
 メモリーズ・コーナーの番宣で『王様のブランチ』に西島さん出演したとき、

 谷原さんと親しげだったのは、この頃からの付き合いなのかな?

 と、下衆の勘繰りをしてしまう庶民。
 
 
 そして映画を最後まで見ると、生島さんのあまりのとばっちりの酷さに唖然とします。

 女脳の世界というか、女にとっては幸せだろうし解決してるんだろうけど・・。

 巻き添え食った方はたまったものじゃない。
 
 北村一輝さん演じる長十郎(天さんと情を通じている役者)が、命惜しくて逃げたのは正解。
 
 ・・と言ってしまっては元も子もないのでしょうが。


 

 


 

 
 
 
 
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大河(ネタバレ有り)

2013-09-02 01:08:22 | 日記

 今週の『八重の桜』、尚之助が肺炎で亡くなった報せを受ける場面。

 覚馬さんが[「尚さん]は、自分が家を出る時に山本家を会津のことを託したから、

 律儀にずっと山本家と会津を助けることを考えてくれていた]と襄に話す。

 
 尚さん、と呼ぶとき。

 自分も尚之助も若くて、世の中のこと、これからの世界のことを希望に満ちて語れた。

 歳若だけど博識で、江戸での見聞もある尚之助が、自分を「覚馬さん覚馬さん」と

 慕って会津まで来てくれた。

 自分も学問に打ち込んで、体も自由に動いていた。

 その頃の記憶が甦ってたんじゃないか。
 
 
 若い頃の覚馬さんは、よく怒り、よく笑い、よく体も動かして走っていた。

 今の覚馬さんは体のこともあるだろうけど、感情も静に徹している。

 これは、感情的になっては物事を広く深く見極められないこと、

 感情の強さに押し流されて正しい道から外れることを知っているからでしょう。

 
 襄が覚馬さんの手に尚之助からの手紙を触れさせ、

 死に際と思えないほど力強い字だと教える。

 紙の上の墨を辿るように、覚馬さんの指が紙の上をなぞる。

 涙を見せずに、心の深い部分で泣いている。


 目で見えないから、指で見ようとする。

 尚之助の思いを感じようとする覚馬さんを見て、

 襄は八重ちゃんを野駆けに連れていったんじゃないか。

 弟の三郎を死なせてしまった傷にずっと痛み続けている八重ちゃんに、

 三郎の思い、死んでしまった大事な人の思いを、

 見えなくても感じようと辿る行為が祈りであると

 伝えたかったんじゃないか。


 

 



 
 
 
 
 
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