つれづれ草々

田舎者の日記です。最果ての地で西島秀俊さんをひっそり応援しています。

草原の地獄

2013-09-19 23:28:33 | 日記

 『風立ちぬ』二回目観てきました。

 何度聴いても本庄さんの声いいなあ。
 
 あと、絵のリアルさ、美しさと共に

 あの時代の言葉使いの丁寧さに気付かされます。

 ジブリは子供向けという建前を除いても、

 穢い言葉を使わないところがいい。

 乱暴な言葉と穢い言葉は違う。

 乱暴な言葉は使う人間が潔白であれば小気味良いけれど、

 使う人間が悪意を持っていると言葉は悪臭を放つ。


 最後の草原の場面。

 美しく見えるけれども、次郎は「地獄かと思った」と言っている。

 あれは創造的十年を過ぎた創造者の行く所なのでしょうか。

 創造のピークは過ぎても、この先“生きねば”ならない地獄。

 次郎がいずれ来ることが判っていたから、

 菜穂子さんは待ってたのでしょう。

 この先も生きるようにと伝えるために。


 そして、ユンカースにかぶれた本庄さんは、あの草原には行かないのでしょう。

 行かずに済んだとも、行けないとも、どちらとも言えます。
 
 草原の地獄から戻った次郎と

 行くことのない本庄と

 この先も変わらぬ盟友として共に生涯を歩んでいてほしいです。
 

 (※個人的な感想です。批判の意味はありません。)