ジブリ制作の『風立ちぬ』観てきました。(堀辰雄原作の同名映画もあるようです。)
主人公の声。青年に聞こえるときと、50過ぎに聞こえるときとあります。
訓練された声では無いので、よくも悪くも耳につきます。
(それが狙いと言われたら成功してるとしか言えませんが。)
聞こえ方の差は、まだ収録に慣れていない時期と、慣れて自然に発声できるようになってからの
差でしょうか。
宮崎監督が主人公の「世間知らずの、世の中にすれていないイメージ」で
庵野さんの声を選んだと、以前見た特番でおっしゃっていました。
青年に聞こえる時の声は、次郎にピッタリだと感じました。
ヒロインの声。ジブリのヒロインらしい声でした。
ナウシカやシータは声優さんが演じている声でしたが、
芯の強さを感じさせる、清らかで穢れの無い声。
宮崎監督の中に棲み続ける聖女のイメージなのかもしれません。
(心の中の聖女のイメージは手塚治虫先生を始め、
多くの作家さんや創作に携わる人の中にあるものでしょう。)
本庄(主人公の同僚)の声。強気の菊田っぽい話し方でした。
役者さんでもあり、声優経験もあるだけあって聴きやすかったです。
ラジオ番組か何かで、鈴木Pが西島さんを選んだ理由に
「『ストロベリーナイト』で、菊田だけがヤ●ザみたいな話し方じゃなかった」
とお話されていました。
劇中で主人公から分けてもらったシベリア(羊羹や餡子を、スライスしたカステラに挟んだお菓子)を
食べてる場面があるのは、西島さんが甘党だからかな・・?
ジブリのキャラクターデザインは、ディズニー方式というのか、
声優さんを似せてる気がします。(アニメ詳しくないので違ってたらすみません)
本庄さんも、宮崎監督が描いた西島さんの似顔絵からデザインされたのかなあ、
なんて。思い込みでそう見えるだけかも。
カペローニの声。ぴったりに聞こえました。
悪魔的でもあり、主人公の憧れの対象でもあるイメージを、
野村萬斎さんは理解して演じられてるように思います。
関東大震災時の様子の凄さ。
夜の石畳を走る車のライト。
路地裏で追い詰められる人と追い詰める側の、
サーチライトに照らされた影。
明るい草原や湧き立つ入道雲、
様々な風が吹いている。
大人が見ても面白いですが、
大人びた子供、次郎のように
才能と感性を持った子供にとって、
共感できる映画かもしれません。