あれからもう5年が経とうとしているんですね・・・
アメリカ同時多発テロ、”9.11”
その出来事を風化させないためにも
この映画は長く語り継がれて欲しい。
「ユナイテッド93」(United93/2006年/アメリカ)
2001年9月11日の朝、いつものようにアメリカ各地から
多くの飛行機が飛び立ち、空はさながらラッシュアワー。
ニューアーク発サンフランシスコ行きのユナイテッド93便も
44名の乗客とクルーを乗せて飛び立った。
管制センターや防空指令センターと各機への通信の様子を
折り混ぜながら、複数の旅客機ハイジャックのニュースが
伝わり、衝撃的なWTCへの激突が起こります。
その様子を、観客の私たちも固唾を呑んで見守ります。
テロリストが行動を起し、何がなんだかわからない状態の
乗客たちを、結末を知っている私は観ているしかないのです。
機長・副機長が殺され、やがて
これが同時多発ハイジャックだとわかった乗客は
勇気を振り絞って犯人達の犯行を阻止しようとします。
家族に電話で”愛してる”の言葉を残して・・・。
私はこの日のこの様子、夜のニュースで観てました。
アンジェリーナ・ジョリーが「トゥーム・レイダー」の
宣伝来日中で、ニュースステーション(報道ステーション)に
出演するというので、楽しみに観てたんですよ。
そしたらあの映像。
ほんとうに まるで映画でも観ているようでした。
私もあのビルの展望台に行ったことあるのにな・・・と
思いながら。
どの旅客機の乗員は全て亡くなられてしまったので
事実はもちろんわかりませんが、
綿密な調査、ご遺族への取材をもとに
この映画は作り上げられたのです。
キャストは 無名の人たちをオーディションで選び、
実際に管制センターなどで働いていた人、
客室乗務員として働いた経験のある女優などが
選ばれていて、それがよりりアリティを生み出しています。
アメリカ軍、大統領といえど、事実の把握や決断には
時間がかかるものなんだな・・・ともどかしく思いました。
ひたすら、私たちは、もう知っている結末を
見守るだけなのです。
パンフレットには、44人の乗客の一人一人のプロフィールや
遺族の談話が載っています。
犯人グループを演じる俳優さんは 精神的にかなり
きつかったんじゃないかな・・・。
いわばアメリカ中が憎んでいる人物ですもの。
相変わらず宗教や思想のことはよくわからない私ですが、
彼らにも信じるものがあり、愛するものがあったのです。
「9.11」以降のハリウッド映画でもしばしば、
アラブ系の人がいわれない差別を受けたり、
すぐに犯罪者だと決め付けられたりするというシーンが
出てきます。
(最近の映画でも「フライト・プラン」とか!
「インサイドマン」にいたっては、インド人のシーク教徒なのに)
エジプトやトルコなどで早朝のアザーン(街中に響き渡る
祈りの時間を知らせるよびかけ)で聞いた
”アッラーフ・アクバル”という祈りの言葉が
あのコックピットで叫ばれた時、彼らの神はどう思うのだろう・・・
なんて考えてしまいました。
人生の中で培われてきた、根っこを形成するもの、って
他文化には理解し得ないものなのでしょうか・・・。
あの出来事を、このような商業映画として作ることに
納得がいかない、とウチのダンナなどは
絶対観たくないと言っているのですが、
「9.11」についてのドキュメンタリーや報道特番は、
アメリカではきっとたくさんたくさん作られたと
思うんです。でも、日本にいる私は知らない。
観る機会もない。
それが、こういう形だったからこそ、
多くの国に配給されて観られるわけです。
私は、この映画が観られてよかったと思います。
その興行収入の全てを遺族や、空の安全のために
寄付する、というなら素晴らしい話かもしれませんが・・・。
実際のところ、初公開週末売り上げの一部(115万ドル)が
ユナイテッド93便の墜落場所、ペンシルバニアの
シャンクスヴィルに建てられた記念碑のために
寄付されたということです。
いつか未来に、もうワールド・トレードセンターを
知らない人たちがこの映画を観る時、
あの日犠牲になった人たちのことを思って欲しい・・・。
「9.11」を描いた本の話ですが、「僕の大事なコレクション」の
作者、ジョナサン・サフラン・フォアの
「Extremely Loud and Incredibly Close」も興味深いです。
アメリカ同時多発テロ、”9.11”
その出来事を風化させないためにも
この映画は長く語り継がれて欲しい。
「ユナイテッド93」(United93/2006年/アメリカ)
2001年9月11日の朝、いつものようにアメリカ各地から
多くの飛行機が飛び立ち、空はさながらラッシュアワー。
ニューアーク発サンフランシスコ行きのユナイテッド93便も
44名の乗客とクルーを乗せて飛び立った。
管制センターや防空指令センターと各機への通信の様子を
折り混ぜながら、複数の旅客機ハイジャックのニュースが
伝わり、衝撃的なWTCへの激突が起こります。
その様子を、観客の私たちも固唾を呑んで見守ります。
テロリストが行動を起し、何がなんだかわからない状態の
乗客たちを、結末を知っている私は観ているしかないのです。
機長・副機長が殺され、やがて
これが同時多発ハイジャックだとわかった乗客は
勇気を振り絞って犯人達の犯行を阻止しようとします。
家族に電話で”愛してる”の言葉を残して・・・。
私はこの日のこの様子、夜のニュースで観てました。
アンジェリーナ・ジョリーが「トゥーム・レイダー」の
宣伝来日中で、ニュースステーション(報道ステーション)に
出演するというので、楽しみに観てたんですよ。
そしたらあの映像。
ほんとうに まるで映画でも観ているようでした。
私もあのビルの展望台に行ったことあるのにな・・・と
思いながら。
どの旅客機の乗員は全て亡くなられてしまったので
事実はもちろんわかりませんが、
綿密な調査、ご遺族への取材をもとに
この映画は作り上げられたのです。
キャストは 無名の人たちをオーディションで選び、
実際に管制センターなどで働いていた人、
客室乗務員として働いた経験のある女優などが
選ばれていて、それがよりりアリティを生み出しています。
アメリカ軍、大統領といえど、事実の把握や決断には
時間がかかるものなんだな・・・ともどかしく思いました。
ひたすら、私たちは、もう知っている結末を
見守るだけなのです。
パンフレットには、44人の乗客の一人一人のプロフィールや
遺族の談話が載っています。
犯人グループを演じる俳優さんは 精神的にかなり
きつかったんじゃないかな・・・。
いわばアメリカ中が憎んでいる人物ですもの。
相変わらず宗教や思想のことはよくわからない私ですが、
彼らにも信じるものがあり、愛するものがあったのです。
「9.11」以降のハリウッド映画でもしばしば、
アラブ系の人がいわれない差別を受けたり、
すぐに犯罪者だと決め付けられたりするというシーンが
出てきます。
(最近の映画でも「フライト・プラン」とか!
「インサイドマン」にいたっては、インド人のシーク教徒なのに)
エジプトやトルコなどで早朝のアザーン(街中に響き渡る
祈りの時間を知らせるよびかけ)で聞いた
”アッラーフ・アクバル”という祈りの言葉が
あのコックピットで叫ばれた時、彼らの神はどう思うのだろう・・・
なんて考えてしまいました。
人生の中で培われてきた、根っこを形成するもの、って
他文化には理解し得ないものなのでしょうか・・・。
あの出来事を、このような商業映画として作ることに
納得がいかない、とウチのダンナなどは
絶対観たくないと言っているのですが、
「9.11」についてのドキュメンタリーや報道特番は、
アメリカではきっとたくさんたくさん作られたと
思うんです。でも、日本にいる私は知らない。
観る機会もない。
それが、こういう形だったからこそ、
多くの国に配給されて観られるわけです。
私は、この映画が観られてよかったと思います。
その興行収入の全てを遺族や、空の安全のために
寄付する、というなら素晴らしい話かもしれませんが・・・。
実際のところ、初公開週末売り上げの一部(115万ドル)が
ユナイテッド93便の墜落場所、ペンシルバニアの
シャンクスヴィルに建てられた記念碑のために
寄付されたということです。
いつか未来に、もうワールド・トレードセンターを
知らない人たちがこの映画を観る時、
あの日犠牲になった人たちのことを思って欲しい・・・。
「9.11」を描いた本の話ですが、「僕の大事なコレクション」の
作者、ジョナサン・サフラン・フォアの
「Extremely Loud and Incredibly Close」も興味深いです。
なんか旦那さんの言うことも解る気が
しますね。ボクも感動はしたけれど
正直なところ商業的とは考えませんで
したがいろいろと引っ掛かるところが
あって素直に感動とは行きませんでした
からね・・・(´ヘ`;) ウーム
あと何十年もするとこの出来事を知らな
い世代が出てくるんですね。
確かにね・・・。そして、真実はわからないわけだし。
まだあまりに生々しい映画でもありました。
グラウンド・ゼロに新しいビルが建って、それが普通になった頃
この映画は語り継がれているでしょうか???
しかし結末を知っていて観るのは辛いですね。
これがフィクションなら絶対にラストは救われるのに、と思うと現実の厳しさ、過酷さを改めて感じて哀しくなりました。
このような映像に残す事はやはり戦争映画などと同じく忘れない為にも必要だと思います。
誠実に描かれていたことで私は一層の衝撃を感じました。
kinoさん・・・記事を読んでまた涙が出てきました。
この作品をつらくて観れないという方、ダンナ様と同じような考えで観たくないとおっしゃる方・・・ホントにさまざまな考え方、見方がある映画ではありますが。
私はむしろ真っ先に観に行きました。おかしな言い方ですが、公開を心待ちにしていたんです。
映画って、娯楽要素が大半なのかもしれないけれど、世の中の出来事や未知なものを私たちに伝えてくれる最高の手段とも思っています。ニュースは見なくてもドキュメンタリーは見なくても映画は観るという人も多いからこそ、映画という媒体を通してどんどんいろんなことを世の中に投げかけて欲しい。そして、映画という形でずっと残り続けて欲しい・・・そう思うんです。この事件に関しても然り。
絶対に忘れてはいけない、二度と起こしてはいけない・・・現実だと強く思いました。
長々とすみません。
観ていて、スーパーマンがいてくれたらなぁ・・・
なんて思ってました。
でも、これが現実なんですよね。
乗客のひとりひとりを丁寧に描いていたところが
よかったです。遺族の方は本当にお辛いでしょうね。
>睦月さん
コメント嬉しいです。ありがとうございます。
そうですよね。私も、乗客の人たちのこと、
この映画を観て、パンフレットを読んで
まったく普通の人たちの平凡な一日が こんなかたちで
奪われてしまった残酷さを改めて実感しました。
私も、テレビはあんまり観ないけど映画は観る、という人間なんで
この映画が観られて本当によかったと思っています。
ずっと語り継がれる映画になって欲しいですね。
そして、その何十年後、こんな事件が起こっていませんように。
ただし“テロ=悪”という一方的かつ偏狭な解釈では、この事件の背景が全く伝わらないのではという不安があったものの、この作品では乗客と人間的に同じラインに乗せた描写をされていて安心しました。彼らが祈っている神は、名前こそ違えど同じ神なのに、なぜこんなことになってしまったのか考えてしまいます。
いやはやパワーのある映画でした。
それは”事実”というパワーなんでしょうか。
(あ、Kinoさんの記事もパワーを感じました^^)
そして、淡々と映像にしているとこも良かったです。
それにしても、テロリストを演じた俳優さんたち、
私もよく役を引き受けたなと思いました。
TBさせてくださいね。
そうですよね、楽しいだけが映画じゃないですよね。
記録する、ということも大事なことですね。
これが100%真実だとは思わないけれど、
少なくとも、電話で伝えられた言葉は忘れられない最後の言葉なわけで・・・。
この映画を観ていて、犯人のことが 不思議と憎く思えなかったです。
もう起こってしまったことだから かもしれないけれど。
>Kimさん
いやー、なんかどう言葉をまとめていいのかわからず
ダラダラと書いてしまいました。
うまく語れないけど語りたい・・・という感じです。
自分が乗客だったらどうしただろう??とか考えてたりして。
真実の重みをひしひしと感じました。
監督も「映画は娯楽だけじゃない」って言ってましたよね。そのとおりだと思います。
そしてkinoさんも仰ってる「人生の中で培われてきた根っこ」はそう簡単に変わることはないんでしょうね~ましてや彼らは生まれた時からそういう教えと共に生きてきたんだから。
信仰心のない(大きな声ではいえないけど)私には理解しがたい問題です。
この映画を少しでも多くの人に観てもらってこういうことが二度と繰り返されないことを祈るばかりです。
私も、ここまでして信じるものがわかりません。
自分だかならまだしも、多くの人の命まで奪うんだから。
人間が憎みあい戦いを続けることは ずっと昔から
なくなっていないけれど、なんとか平和な世界になってほしいです。