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なぜなら、僕はプロレスファンだから。
6月13日、試合中にバックドロップを受けて頭を強打、
頸椎離断で亡くなられたプロレスリング ノアの社長にして絶対的エース
三沢光晴選手に哀悼の意を捧げたい。
どうして躊躇っていたかというと、プロレスファンを標榜していながら、
僕は三沢選手の試合をほとんど観たことがないからだ。
新日ファンの僕は、ライバル団体である全日の大会や TV 中継を避けていた。
そんな僕が、偉大なレスラーの死について軽々なコメントを述べていいものか?
その迷いがあった。
しかし三沢選手は、日本マット史上で one of them な存在じゃなく、
まぎれもなく歴史上のレスラー。
プロレスファンならば、その偉大な功績に敬意を表さなければいけない。
全日・新日に分裂してから、ジャイアント馬場VSアントニオ猪木戦はついに実現しなかった。
次世代にあたる、ジャンボ鶴田VS藤波辰巳戦も然りだ。
そして三沢選手の死により、三沢光晴VS武藤敬司戦も永久消滅した。
日本のプロレス界は冬の時代を迎えている。
残された選手たちは、志半ばで亡くなった先人たちのために、
ストロングスタイルなファイトで、もう1度、隆盛を取り戻してほしい。
何よりもそのことを、泉下の三沢選手も望んでいるにちがいない。