まったくの無からオリジナルを創作できる天才は、
数千年に1人ぐらいしかいないんじゃないかな。
たとえば、絵画。
牛の絵を描こうとしたとき、凡人はほとんどの場合、牛そのものよりも、
誰かの描いた牛の絵を想像して(誰かの画法を模倣して)描く。
天才画家といわれる人びと、ピカソやジョルジュ・ブラックでさえ、
セザンヌのキュビスム理論の影響なしに語ることはできない。
その存命中、オリジナリティが際立ちすぎてて、画壇からも社会からも孤立していたゴッホでさえ、
日本の浮世絵に傾倒しその影響を受けた。
この点からいって、スペイン・バスク地方のアルタミラ洞窟で、
バイソンの壁画を描いた古代バスク人の無名画家?は本当の天才としかいいようがない。
芸術は、先人へのオマージュや過去の秀逸作からのインスパイアを重ねに重ね、
迷走しながらも(迷走こそ芸術だけど)前進していくものだと思う。
いうまでもなく、「インスパイア」と「パクリ」はちがう。
現代では著作権や肖像権の保護がグローバル・スタンダードになりつつあるが、
大国と呼ばれる国が国家ぐるみでパクリをやる場合もある。
中国の北京石景山游来園のディズニー・キャラクター模倣問題などは、その最たるものだ。
パクられたのはディズニーだけじゃない。
わが邦のキティちゃんやドラえもんもその被害にあった。
しかもパクリが粗野で、キモかった。
あそこまでヒドイと、オリジナルへの愚弄とさえ感じる。
僕は、仕事上、中国の人びとと取り引きをしている。
国民性のちがいから多少の意思の齟齬はあるけど、
10年以上のつき合いを経て、良好な関係にある。
この年始、その中国の取引先から年賀状が届いた。
ディズニーキャラの「チップとデール」がフィーチャーされていて、
カラダ部分はホンモノの毛(化学繊維?)でできていた。
当然、これはキャラの無断使用。パクリだ。
いま中国は、モーレツな勢いで経済発展が進んでいる。
現在も国連常任理事国であり、
ちかい将来 G8 サミットにもオブザーバーで参加する可能性だって否定できない。
そこのブルジョア層の人たちでさえ、自分の利権には敏感でも、他人の権利には無頓着なひとが多い。
オリジナリティの素晴らしさについて書こうと思って PC にむかったけど、
いつの間にか主題が逸れちゃった。
とりとめなくなってきたので、この辺でやめときます。
笑える年賀状をもらったので、紹介したかっただけだったのに、
最後はなんか小難しくなってしまいました。
反省…。
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