僕は、世界最初の市民社会はオランダで誕生したと思っている。
そのきっかけは、オランダ独立戦争だった。
オランダ独立戦争とは、
スペインに支配されていたネーデルラント北部7州が独立を勝ちとった
1568年から1648年までの戦争で、「八十年戦争」ともよばれている。
この独立戦争勃発の気運はさまざまな要因があるのだけど、十把一絡げにいうと、
勃興基のプロテスタントのオランダ人が、支配を受けていたカトリック国である
スペイン国王フェリペ2世から法外な弾圧をされたことが原因だった。
この戦争の激戦地が、ライデン大学で有名なライデン(Leiden)だった。
当時世界最強とうたわれたスペイン軍に、ライデン市民は果敢に立ちむかった。
とにかく搾取されつづけていたオランダは貧しく、
銀製の甲冑を着ているスペイン軍正規兵に、オランダ市民はチーズをいれる木の桶をかぶって戦った。
海戦でも、粗末な漁師船で、スペインの無敵艦隊(The Invincible Armada)に挑んだ。
ライデン市民は、ブルヒト(Burcht = 城塞の意)とよばれる土をかき集めただけの人工の丘に籠城し、
耐えに耐え抜き、けっして屈することがなかったそうだ。
オランダ軍の勝利の作戦について詳しくは知らないが、
水門を破壊し、スペイン軍を水攻めにし、退却を余儀なくさせたらしい。
オランダ人のおかしみ(いい意味での呑気さ)は、
この歴史的な市民社会の誕生をその後も世界に宣伝しなかったため、
200年以上あとの「アメリカ独立宣言」や「フランス革命」のほうが有名になっていることだ。
また、この戦争のリーダー格だったオラニエ公ウィレム1世が、
ライデン市民の功をたたえ、数年間の免税を提案すると、
市民のほうは無欲なことに「免税よりも大学がほしい」と懇願し、ライデン大学がつくられた。
つくづくオランダ人って、変わってると思う。
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うさたろう
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