ファンの間で噂になっていたブルース・スプリングスティーンのアルバム
『The River』のボックスセットがいよいよリリースされる。
僕は、うれしさと興奮を抑えきれない。
なんせ『The River』アルバムは、
僕がはじめて買ったボスのアルバム。
それもリアルタイムで体感した初の作品だからだ。
スプリングスティーンの音楽との出逢いは、高1のとき、
同級生の前野くんが僕にレコメンドしてくれたのがきっかけだった。
それまでリリースされていた4作品を前野くんから借りて、
僕はすっかりスプリングスティーンの虜になってしまった。
ある日、街のレコード店をぶらついていると、
そのスプリングスティーンの新作がリリースされていた。
僕はすぐにでも買いたかったのだけど、
高校生にとってLPレコード(当時2,800円だったか？)は、
おいそれと手がだせる代物じゃなかった。
しかも、この『The River』は2枚組、
4,000円という目から火が出るような金額だった。
当然、持ち合わせはなく、僕は節約のために、
1ヶ月ちょっと十代の潜水生活をおくり、ようやくその資金を得た。
やっとの思いでアルバムを手にした僕は、踊躍歓喜して家へ直行した。
自室に籠もり、レコードプレイヤーの前に正座して、
ドキドキしながら聴いたのを今でも鮮明におぼえている。
そんな思い出のアルバムが、ボックスセットになって
今また僕の前に訪れる。
6枚組(4CD+2BD)、21,600円はちと高いが、
オッサンの心を揺さぶる対価としてはやむを得まい...