きたろうのつぶやき日記・改

釣りとアニメと愛犬たちと暮らすナースな生活について本音を語る独り言。

ホントにあったこんな話~vol.10・一番身近な他人編

2009-09-22 | ナースな話
きたろうのHPからのい転載記事です。

79歳女性、食欲が段々落ちて何も口に入らなくなって入院した。
検査の結果アルツハイマー病と思われる。
つきそいには68歳の夫がやって来たが、皆が「息子さんですか?」と聞く程若々しい(身綺麗だし物腰もしっかりしていて
ハゲてもいない)。
反対に入院したおばあちゃんは本当に今にも死にそうな弱りぶりに加えてアルツハイマー独特の、表情も無くウツで全く意思表示のない状態が対照的。

夫は時折面会に来るが話し掛ける言葉も少なく、体に触れてあげない。
何年も徐々に食欲がなく、ウツの身動きの少ない(できない)状態を過ごして来たと思われる栄養状態の悪さと身体の不潔さ。
そして今日の胃カメラで食道が癌細胞で完全に閉塞されているのが解り、しかも出血しているためナースステーションの隣の観察部屋へ急きょ移された。

カメラの結果を夫に先生から説明してもらわねばならないが、夫は今日は来れるが明日と明後日は来れないと言うので今日来た時に外来診察中の先生に時間をもらって説明してもらった。
ガンの可能性が高い事と、出血が酷くなったら輸血をするかどうかや意識が悪くなったりすれば生命にも危険が有る事も説明されたが、「明日と明後日は同窓会の幹事をするために携帯の電話は教えられないから(教えても出られないから教えたく無いと断られた)自宅にいる息子にかけてくれ」って言われちゃったよ~と先生苦笑い。

この患者、夫が定年退職すると同時に発病したと思われるのだが、口うるさい夫が定年して自宅に始終いてずっと顔を合わせて世話をするのがストレスになって急にボケたりウツになったりする妻がいるが、もしかしてそれかね~なんてはじめ看護婦達が噂していたのだが…。
それにしてもどうだろう?妻が具合が悪くなったと夫に病院から電話する時ってつまり「死にそうです」って連絡が行く時よね?同窓会で電話してほしく無いからって…?死に目に合えなくても良いの?
あの身綺麗さと良い、電話するなと言う2日間と良い…怪しすぎ。
女と旅行でも行ってるんじゃ?先生も同じ事を考えたらしいが(笑)。

…やっぱり結婚したって結局は他人よね。やりきれんわ。
せめて好きな人には死に目看取って欲しいってのは贅沢な事なのか?